ボーダーコリーの特徴とは?どんな病気になりやすい?しつけのポイントについても解説

ボーダーコリーの特徴とは?どんな病気になりやすい?しつけのポイントについても解説
公開日:2023年12月7日

全犬種の中でもトップクラスの賢さを持つといわれるボーダーコリーは、家庭犬として愛される一方で、現在も世界各国で牧羊犬として現役で活躍する犬種です。
ボーダーコリーは、活動的で運動神経がよく、飼い主に忠実な性格です。しかし、エネルギッシュで活動的であるがゆえに病気やケガが気になる犬種でもあります。
この記事では、ボーダーコリーの特徴とかかりやすい病気について詳しく解説します。

ボーダーコリーはどんな犬?

ボーダーコリーはどんな犬?

ボーダーコリーの性格としつけのポイント

ボーダーコリーは、活動的なだけではなく飼い主に忠実な性格で、ともにドッグスポーツを楽しむなど、唯一無二のパートナーになれる犬種です。

しかし、極端に甘やかす、指示をコロコロ変えるなど中途半端なしつけをおこなうと、飼い主の指示に従わなくなるばかりか、気に入らないことがあるとかむ・暴れるなど手がつけられない犬に育つ可能性もあります。

また、過敏な一面があり、動くものを反射的に追いかける習性があるため、「マテ」「フセ」「オスワリ」をしっかり教えるなど落ち着かせるしつけが必要です。

ボーダーコリーのルーツ

ボーダーコリーのルーツは、スカンジナビア半島から国境近くにあるスコットランドのボーダーズ州付近に持ち込まれたトナカイ用の牧畜犬だといわれています。
その後はラフ・コリー等の犬種と交配を重ね現在の姿になり、1995年にアメリカで犬種として公認されました。

このページの目次へ

身体能力が高くとても賢い!ボーダーコリーの身体的特徴は?

身体能力が高くとても賢い!ボーダーコリーの身体的特徴は?

被毛はダブルコート(オーバーコートと保温・保湿の役割をするアンダーコート)で、抜け毛が比較的多く、とくに換毛期には毎日の念入りなブラッシングが必要です。
被毛の種類は毛の長いスムースコートと短い毛のラフコートの2種類のタイプがあります。
体重は14kg~22kgくらいと幅があり、体高は53cm前後の中型犬です。

ルーツが牧畜犬とあって、身体能力と学習能力は非常に高く、身体を動かし頭を使って判断することが得意な犬種です。
また、運動不足が続くとストレスがたまり攻撃的になる場合もあるため、毎日のお散歩以外にもドッグランを思いっきり走らせるなど身体を十分動かす必要があります。

このページの目次へ

ボーダーコリーがなりやすい病気とは?

ボーダーコリーがなりやすい病気とは?

ボーダーコリーが他犬種と比較してかかりやすい病気は、関節炎・前十字靭帯断裂などの関節疾患や皮膚疾患で、アクティブな犬であるがゆえに爪の外傷や口腔内の外傷(歯折も含む)が多くみられます。
また、先天性疾患としてコリー眼異常(コリーアイ)、グレーコリー症候群(捕捉好中球症候群)などがあります。

【ボーダーコリーがかかりやすい主な病気】

  • 関節疾患(外傷性の関節炎、前十字靭帯断裂)
  • 皮膚疾患
  • 先天性疾患(コリー眼異常、グレーゴリー症候群)

以下で詳しくみていきましょう。

関節疾患

関節疾患の原因はさまざまですがボーダーコリーに多くみられるのは、過度な運動により関節に炎症が起こり腫れや痛みが生じる外傷性の関節炎や、前十字靭帯断裂です。

外傷性の関節炎

外傷性の関節炎の場合は、鎮痛剤やサプリメント等で痛みをコントロールし、運動制限や体重制限をおこないます。

前十字靭帯断裂

前十字靭帯とは、後肢の膝関節の中にある靭帯で、膝関節が安定して動かせるような働きを担っている組織です。
外傷など何らかの原因で、前十字靭帯が部分的や完全に切れることを、前十字靭帯断裂といいます。

前十字靭帯が損傷を受けると、膝関節の炎症と痛み、跛行などの症状がみられます。
少し歩き方が気になる程度の軽いものから足を挙げて全く負重できないほどの強い痛みが見られる場合など、損傷の程度によって症状は異なります。

治療は、レントゲン・触診で診断し、症状と体重など個々の状態によって鎮痛剤の投薬・体重コントロール・運動制限などの内科療法か、外科手術のどちらかを選択します。

皮膚疾患

皮膚疾患の原因は、感染症、アレルギー疾患、内分泌疾患、腫瘍などさまざまです。
原因がはっきりわかる場合は、原因に対して抗菌剤や食事、シャンプー療法等で治療をおこなうことで改善がみられます。しかし、ひとつの原因ではなくさまざまな原因が重複して症状として現れるケースやアトピー性皮膚炎のように体質的なことが原因である場合も多く、長期にわたって治療が必要な場合も少なくありません。

また、ボーダーコリーはノミ・マダニ等の外部寄生虫症が多いというデータがあります。
データ内の外部寄生虫症の内訳は報告されていませんが、皮膚疾患のひとつにノミの唾液が原因で発症するノミアレルギー性皮膚炎があります。
ノミアレルギー性皮膚炎は、とくに後躯の強い痒みが特徴です。治療は、ノミの駆除とステロイドなどの痒み止めの投薬をおこないます。
最近は、滴下タイプの外用薬やおやつタイプの内用薬などさまざまな駆虫薬があるので、アウトドアに出かけることが多い犬には定期的な投薬でノミやマダニの予防対策をすることをおすすめします。

遺伝性疾患

ボーダーコリーの遺伝性疾患は「コリー眼異常(コリーアイ)」や「グレーコリー症候群(捕捉好中球症候群)」があります。

コリー眼異常(コリーアイ)

眼の組織(脈絡膜の低形成・網膜内の過剰な血管新生など)の先天性疾患です。
視覚異常がなく無症状の場合、網膜剥離などで症状が進んで視覚障害が起こるケースなど個体によって差があります。
生後5~7週齢に眼検査をおこなうことで発見できるといわれていますが、その時期に検査をするのは現実的ではなく、遺伝子検査だけ判断できるとは限らないという理由からこの疾病のコントロールは難しいともいわれています。
無症状の場合は治療の必要はありませんが、部分的な網膜剥離の場合はレーザー治療が効果的です。

グレーコリー症候群(捕捉好中球症候群)

毛の色がグレーやシルバーの犬が発症しやすい血液疾患です。血液中の好中球が減少し、免疫力が著しく低下する病気です。
免疫力の低下により重篤な感染症にかかりやすくなるため、生後数週間以内か長くても2年~3年以内に死亡するケースがほとんどです。残念ながら、とくに有効な治療法はありません。

このページの目次へ

まとめ

ボーダーコリーは唯一無二のパートナーになれる犬種

ボーダーコリーのルーツは牧畜犬で、学習能力に優れ強い運動欲求を持っている犬種です。
活動的なため関節疾患や皮膚疾患と爪折れなどの外傷、歯折などの口腔内のケガが多く、遺伝性疾患も気になる犬種ですが、一緒に身体を動かしてさまざまなことを楽しめる唯一無二のパートナーになれる犬種です。

ペット保険
ペット保険

ペット保険の見積(無料)・比較

詳しく見る

このページの目次へ

ライター情報

獣医師大熊おおくま真穂まほ

大熊 真穂

動物病院で臨床獣医師として勤務しながら、専門知識や経験を活かして各種メディアや個人サイトでライターとして情報を発信しています。ライフワークは「ペットと飼い主様がより元気で幸せに過ごすお手伝いをする」ことです。

ドリトルけいのいぬねこ健康相談室

このページの目次へ

  • このページの内容は、一般的な情報を掲載したものであり、個別の保険商品の補償/保障内容とは関係がありません。ご契約中の保険商品の補償/保障内容につきましては、ご契約中の保険会社にお問い合わせください。
  • 税制上・社会保険制度の取扱いは、このページの掲載開始日時点の税制・社会保険制度にもとづくもので、全ての情報を網羅するものではありません。将来的に税制の変更により計算方法・税率などが、また、社会保険制度が変わる場合もありますのでご注意ください。なお、個別の税務取扱いについては所轄の税務署または税理士などに、社会保険制度の個別の取扱いについては年金事務所または社会保険労務士などにご確認のうえ、ご自身の責任においてご判断ください。

(掲載開始日:2023年12月7日)
2311738-2411