ペット保険は掛け持ちが可能?メリットと注意点、おすすめの組み合わせも紹介

ペット保険は掛け持ちが可能?メリットと注意点、おすすめの組み合わせも紹介
公開日:2023年2月7日

愛犬や愛猫など、大切なペットが病気やケガをしたときに備えて加入するペット保険。実は、同じペットに対して、複数のペット保険に加入することが可能です。これを「掛け持ち」といい、ひとつの保険に加入している場合と比べ、治療費の負担の軽減などができる場合があります。この記事では、ペット保険の掛け持ちのメリットやデメリット、注意点などをわかりやすく解説します。また、おすすめの保険の組み合わせについてもご紹介します。ペット保険にこれから加入している方も、現在すでに加入している方も、ぜひ参考にしてください。

ペット保険の掛け持ち(複数契約)とは?

ペット保険では、複数の保険に契約する、いわゆる「掛け持ち」が可能です。掛け持ちは、「ペット保険の補償範囲を幅広くしたい」「保険で治療費の全額をカバーしたい」などの場合に利用できます。具体的なペット保険の掛け持ちの利用例としては、以下があります。

  • 同じ保険会社で、複数の異なるペット保険へ加入する
  • 同じ保険会社で、1頭のペットに対して同一商品を重複契約する
  • 別々の保険会社で、異なるペット保険へ加入する

ただし、同じ保険会社のペット保険へ複数加入できるかどうかは、保険会社がそれを認めている場合のみ可能となります。そして、別々の保険会社でペット保険に加入する場合は、両方の保険会社で掛け持ちを認めていることが条件になります。

保険会社や保険商品によっては掛け持ちを認めていない商品もあるため、あらかじめ契約条件を確認しましょう。

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ペット保険を掛け持ちするメリットは?

ペット保険に掛け持ちで加入するメリットについて、具体的なメリットとしては以下があげられます。

  • 治療費の自己負担を軽減できる
  • 補償範囲が幅広くなる

それぞれについて、詳しくみていきましょう。

①治療費の自己負担を軽減できる

ペット保険では、ペットの治療費のうちどのくらいの割合が保険金として支払われるかについては、加入するときに選択したプランの補償割合により定められています。たとえば、補償割合が「50%」「70%」などに設定されている場合には、治療費の50%、あるいは70%が保険金として支払われます。

しかし、補償内容の一部または全部が重複している同種の保険を、複数契約している場合には、いずれの保険契約においても補償を受けることができます。仮に50%の補償割合のプランに2つ入っていたとすれば、それぞれの保険から50%の補償を受けることができるため、治療費が保険金で全額カバーできることもあり得ます。

したがって、複数の保険商品を掛け持ちで加入することによって、ひとつの保険商品に加入しているときに比べて治療費の自己負担額を抑えることができる可能性があります。

ただし、ペット保険は基本的には実際の損害額を上限として保険金が支払われるため、複数の保険に加入していても保険金が実際の治療費(実損額の100%)を超えることはありません。

②補償範囲が幅広くなる

ペット保険には、大きく分けて2つの種類があります。ひとつは通院・入院・手術の全てを補償する「フルカバー型」。もうひとつは、通院補償がなく、入院や手術のみ補償する「入院・手術特化型」です(それぞれのタイプの呼び方は、保険会社によって異なります)。

ペット保険の2つのタイプ

ペット保険のタイプ 特徴 保険料
フルカバー型 通院・入院・手術など、動物病院での診療費を幅広く補償するタイプ。 入院・手術特化型に比べて、保険料は高め。
入院・手術特化型
  • 入院と手術、入院のみ、手術のみ、など入院や手術だけに限定して補償するタイプ。
  • 手術をしたときに受け取る保険金の上限はフルカバータイプより手厚い場合がある。
通院補償がないため、フルカバー型より保険料は低め。

たとえば、「フルカバー型」のペット保険に加入していたとしましょう。「フルカバー型」では基本的に手術も補償対象に含まれていますが、高額な費用がかかる手術が必要になったとき、補償金額が足りないケースもあります。そのような場合には、手術の保険金の上限が「フルカバー型」より手厚い「入院・手術特化型」にも加入しておくことで、補償範囲を広げることができます。

このように、異なる保険商品を組み合わせて掛け持ちをすることで、さまざまなリスクに対して広く補償を受けやすくできるのです。また、多くの治療の選択肢から最適な治療法を選択することもできるようになります。

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ペット保険を掛け持ちするデメリットや注意点は?

ペット保険に掛け持ちで加入するデメリット・注意点は、以下のとおりです。

  • ひとつの保険に加入する場合と比べて保険料が高くなる
  • 治療費の100%を超える補償はされない

①ひとつの保険に加入する場合と比べて保険料が高くなる

複数の保険に加入するため、ひとつの保険に加入するよりも保険料が高くなります。ペット保険はいわゆる「掛け捨て型」の保険商品が多いため、ペットに対する保険金支払事由(入院や手術など)が発生しなければ、支払った保険料は戻ってきません。

「負担した保険料に見合った補償を必ず受けたい」とお考えの方にとってはデメリットといえるかもしれません。

②治療費の100%を超えた補償はされない

前述のとおり、ペット保険を掛け持ちしていても、治療費の100%を超えて補償されることはありません。

たとえば、ペットの治療費として10万円かかったとします。加入しているペット保険の保険商品A・Bいずれも補償割合が70%だった場合、保険商品A・Bから7万円ずつ、合計14万円支払われるとお考えの方もいらっしゃるかもしれません。しかし、ペット保険は実際の損害額を上限として保険金が支払われるため、複数の保険に加入していても保険金が実損額以上となることはありません。

したがって、補償されるのは請求された治療費の10万円となり、AとBの保険契約をあわせても支払われるのは合計10万円までとなります。

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ペット保険を掛け持ちできないケースとは?

ペット保険の掛け持ちができない場合もあります。保険会社によっては重複した契約を認めていない場合があります。契約に違反して掛け持ちをすると、保険金の支払いが行われません。また、補償が重複する場合は、どちらか一方の保険契約からは重複部分の保険金が支払われないため注意しましょう。

ペット保険の掛け持ちを検討している方は、ご自身が加入されているペット保険やこれから加入を検討している保険商品の契約内容をあらかじめ確認しておきましょう。

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掛け持ちのおすすめの組み合わせ・選び方は?

掛け持ちのおすすめの組み合わせ・選び方は?

ペット保険を掛け持ちする場合には、組み合わせが大切です。前述のとおり、ペット保険には大きく分けて通院・入院・手術の全てを補償する「フルカバー型」の保険商品、入院・手術に特化した「入院・手術特化型」の保険商品があります。

ペット保険の補償内容を手厚くしたいという場合には、これらを組み合わせることにより対応することができますが、具体的な掛け持ちの一例として、以下のケースを紹介します。

保険料は抑えつつ補償を手厚くしたい場合

さまざまなリスクに備えたいが保険料はできるだけ抑えたい、という場合には「フルカバー型」と「入院・手術特化型」の2つの保険を掛け持ちするのがよいでしょう。

フルカバー型+入院・手術特化型

「フルカバー型」は通院・入院・手術など広く補償しますが、高額な手術やそれにともなう入院などに関しては「入院・手術特化型」のほうが手厚い場合もあります。また、一般的に「入院・手術特化型」は「フルカバー型」に比べて保険料が安い傾向にあるため、「フルカバー型」+「入院・手術特化型」の2つの保険を掛け持ちすることによって、保険料をある程度抑えながら、通院・入院・手術にも広く、さらに必要な補償をより手厚く備えることが可能です。あらゆる場面に対応できるうえに、組み合わせによっては100%の補償を受けられる可能性もあります。

フルカバー型+フルカバー型

「フルカバー型」+「フルカバー型」で掛け持ちする方法もありますが、重複する補償が多くなるため、掛け持ちを最大限に活用することが難しい可能性があります。

罹患しやすい病気やケガの補償を充実させたい場合

ペットは、それぞれの種類によって罹患しやすい病気やケガがあります。

たとえば、小型犬は骨折や関節系のケガをしやすいため、入院や手術に特化した補償を充実させるとよいでしょう。飼っているペットが罹患しやすい病気やケガなどをリサーチしたうえで、掛け持ち商品を選ぶのもおすすめです。

比較サイトで複数のペット保険の補償を比べよう

各保険会社のウェブサイトや比較サイトを利用すれば、補償内容や保険料、対応しているサービスなどを確認することができます。とくに比較サイトを活用すると、複数のペット保険の情報を一覧で比べることができるので、大切なペットに必要な補償を選びやすいでしょう。

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まとめ

この記事では、ペット保険の掛け持ちについて解説しました。ペット保険は保険商品によって複数契約ができないものもありますが、多くの商品では掛け持ちが可能です。大切なペットが病気やケガをしたとき、経済的な負担を気にすることなく補償を手厚くでき、治療の選択肢が広がる点が、掛け持ちのメリットです。

「フルカバー型」+「入院・手術特化型」などの組み合わせで掛け持ちすることで、補償の重複を避けつつ100%に近い補償を受けることができる可能性があります。ぜひ参考になさってください。

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監修者情報

ファイナンシャルプランナー田仲たなか幹生みきお

田仲 幹生

外資系生命保険会社にて営業、その後税理士事務所に勤務しながらファイナンシャルプランナー資格を勉強し、CFP®と1級FP技能士を取得。その後、自身のFPとしての知識と投資・資産運用の経験を活かし独立、㈱あせっとびるだーずを設立し現在に至る。法人として株式投資や不動産投資をおこないつつ、ファイナンシャルプランナーとしての相談業務や投資と資産運用を教えるマネースクールなどを運営する。

資格情報
日本FP協会会員(CFP®)、1級FP技能士、宅地建物取引
HP
https://fpoffice.okane-iroha.com/

CFP®、CERTIFIED FINANCIAL PLANNER®、およびサーティファイド ファイナンシャル プランナー®は、米国外においてはFinancial Planning Standards Board Ltd.(FPSB)の登録商標で、FPSBとのライセンス契約の下に、日本国内においてはNPO法人日本FP協会が商標の使用を認めています。

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  • このページの内容は、一般的な情報を掲載したものであり、個別の保険商品の補償/保障内容とは関係がありません。ご契約中の保険商品の補償/保障内容につきましては、ご契約中の保険会社にお問い合わせください。
  • 税制上・社会保険制度の取扱いは、このページの掲載開始日時点の税制・社会保険制度にもとづくもので、全ての情報を網羅するものではありません。将来的に税制の変更により計算方法・税率などが、また、社会保険制度が変わる場合もありますのでご注意ください。なお、個別の税務取扱いについては所轄の税務署または税理士などに、社会保険制度の個別の取扱いについては年金事務所または社会保険労務士などにご確認のうえ、ご自身の責任においてご判断ください。

(掲載開始日:2023年2月7日)
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