猫かぜってどういう意味?原因や症状を解説

猫かぜってどういう意味?原因や症状を解説
公開日:2023年11月27日

「子猫のときにくしゃみがひどくて『猫かぜ』をひいていることがあって...」など、子猫のときによく聞くイメージがある「猫かぜ」ですが、成猫になっても症状が出ることがあります。混合ワクチンの接種にもかかわってくるものですので、猫の飼い主さんは「猫かぜ」がどんなものなのかしっかり把握しておきましょう!

「猫かぜ」って何?

「猫かぜ」って何?

くしゃみや鼻水、目脂(めやに)の症状が出ている猫に対して「いわゆる猫かぜですね」と聞くことがあると思いますが、どんな病気がご存知でしょうか?

くしゃみや鼻水は想像がつくと思います。目脂(めやに)の増量や結膜炎もよく聞く症状です。その他に、口内炎や舌潰瘍など口の中の症状もみうけられます。

猫かぜの状態によっては発熱したり、食欲が落ちたりする猫もいます。とくに子猫の場合は肺炎になって命を落とす場合も多いので、かかりつけである動物病院の先生の指示にしたがってしっかりと治療しましょう。

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猫かぜの原因

猫かぜの原因

これから、猫かぜの原因となるウイルスや細菌についてお話ししますが、組み合わさって感染していることもあり、「この猫の猫かぜの原因はこのウイルスです」と特定することは難しいことが多いです。

猫ヘルペスウイルス(猫伝染性鼻気管炎)

猫ヘルペスウイルス(猫伝染性鼻気管炎)は、くしゃみや鼻水、流涙、結膜炎の原因になります。また、他の猫のくしゃみなどから感染します。ヘルペスウイルスは、感染後に神経細胞の中へ隠れることができるため、回復後も猫がストレスを受けたときや体調を崩したときにじわじわと症状をぶり返す場合があります。

猫カリシウイルス

猫カリシウイルスは、ウイルスの型が複数あるためさまざまな症状の原因といわれています。涙や鼻水が出たり、結膜炎になったりする他に、舌・くちびる・口の中が赤くなったり潰瘍を作ったりすることもあります。

子猫の場合はとくに肺炎になりやすく、亡くなってしまうことも多いです。長い間、持続感染するため、回復後も他の猫への感染源になる可能性があります。ヘルペスウイルスと同様にくしゃみなどから感染します。

猫クラミジア

猫クラミジアは、結膜炎がおもな症状です。くしゃみや鼻水が出る、まぶたが腫れる、目脂が黄色~黄緑色の膿(うみ)の塊になって目が開かなくなることも多いです。目を開けられないままでいると、まぶたと眼球が癒着することもあるため、早めの対処が必要です。

2次感染

上記のようなウイルスや細菌に感染し、炎症が起きて弱っているところにさらに他の細菌が感染することで症状が悪化していきます。猫ヘルペスウイルスや猫カリシウイルスといったウイルス性の感染症であるのに、抗生物質の効果が出るのはこのためです。

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治療する際に気をつけること

まず動物病院を受診しましょう。軽症にみえても、その段階の症状をかかりつけの先生に診てもらうことが大切です。

猫かぜの診断がついて、点眼薬や内服薬などの処方があったときは、いつまで実施するのかしっかり指示を受けて、その指示を守りましょう。飼い主さんの自己判断で辞めたり再開したりを繰り返すことのないようにしましょう。

薬を使用して異変があればそれもしっかりと報告して、今後の方針を相談することも飼い主さんの重要な役割です。治療に効果がみられない場合は、猫かぜ以外の疾患も再度考える必要がありますので、経過をしっかり記録しながら、かかりつけの先生と相談しましょう。

人間のかぜ薬利用は禁忌

「かぜをひいているようだから」と、人用の市販薬を愛猫にも飲ませる飼い主さんがまれにいらっしゃいます。大変危険ですので、絶対に使用しないでください。

人のかぜ薬の中にはアセトアミノフェンという解熱鎮痛効果のある成分が含まれていることが多いです。このアセトアミノフェンは猫に中毒症状を起こしてしまいます。

飼い主さんご自身が利用する場合でも、猫の口に絶対に入らないように気をつけましょう。また、猫は毛づくろいをするため、直接口をつけずとも猫の身体に付着することがあれば、毛づくろいの際に口に入る可能性があることも考えて薬はかぜ薬に限らずしっかりと片付けましょう。

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生涯のおつきあいになることも

生涯のおつきあいになることも

「かぜ」と聞くと一時的なものであるイメージがあるかもしれません。しかし、猫がちょっと疲れてしまって体調が少し悪いようなときや、ストレスを感じたときに再度症状が出てくることがあるので、猫かぜ症状とは生涯つきあうこともあります。

「治ったと思ったのに......」と感じてしまうこともありますが、ていねいにケアをしてあげましょう。

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ワクチン接種をしましょう

猫クラミジアが含まれているのは5種混合ワクチンのみですが、その他の猫ヘルペスウイルスと猫カリシウイルスは3種混合ワクチンにも含まれています。ワクチン接種によってしっかりと抗体をつけてあげることで、愛猫を感染症から守りましょう。

室内で過ごす猫には3種混合ワクチンの接種が一般的です。5種混合ワクチンになると含まれる種類が増える分、副反応のリスクが高くなります。

ワクチンの接種頻度については、猫かぜがひどい同居猫がいる場合やホテルを利用することがあるなど、猫かぜへの感染のリスクが高い場合は1年に1回。1匹で飼育していてホテル利用もないなど感染リスクが低い場合は3年に1回など、生活環境によって異なってきます。

かかりつけの先生とよく相談しながら接種頻度を決めましょう。必要に応じて血液検査で感染を防ぐことのできる量の抗体価があるかどうかを調べることもできます。

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まとめ

猫かぜについて、イメージをしていただくことはできたでしょうか。治療中も治療終了後も少しでも疑問に思ったことはかかりつけの先生と相談しながら、愛猫の症状にあわせた治療をしっかり実施できるように、飼い主さんのケアと観察が大切です。

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ライター情報

獣医師笹尾ささお美香みか(旧姓:濵口)

濵口 美香
所属
猫の診療室モモ 勤務医
略歴
1988年 鹿児島県に生まれる 牛舎と鶏舎がご近所で動物に囲まれて育つ
1991年~2007年 長崎に引っ越し 猫との生活を始める
2007年~2013年 麻布大学獣医学部獣医学科卒 在学中ツシマヤマネコの普及啓発活動に取り組む
2013年~2016年 千葉県の犬猫動物病院にて勤務
2016年 動物保険会社へ転職 動物病院での診察業務・ペットショップの子犬子猫の往診・イベントでの健康相談業務・動物看護専門学校での講師を務める
2017年 子育てに専念
2018年~現在 品川区の猫の診療室モモにて勤務
2022年~Luna spay clinic 開業
資格
獣医師免許、JSFM CATvocate認定プログラム修了

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(掲載開始日:2023年11月27日)
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