ゴールデンレトリバーの特徴とは?なりやすい病気についても解説

ゴールデンレトリバーの特徴とは?なりやすい病気についても解説
公開日:2023年12月12日

ゴールデンレトリバーは賢く友好的な犬種で作業能力が高く、現在も盲導犬や介助犬、災害救助犬などの使役犬として活躍しています。
この記事では、ゴールデンレトリバーの特徴と、なりやすい病気について詳しく解説します。

ゴールデンレトリバーはどんな犬?

ゴールデンレトリバーはどんな犬?

ゴールデンレトリバーの性格

ゴールデンレトリバーは一般的には社交性と協調性に優れた温厚で優しい性格の犬種ですが、他の犬や人が苦手なタイプや繊細で神経質なタイプもいます。

非常に活動的な犬種で、とくに幼犬期にはやんちゃで活発です。しかし、高い学習能力を備えているため、基本的なしつけをおこなった上で日々しっかり運動や遊びなどのコミュニケーションをとり続けることで最良の伴侶になれる犬種です。

ゴールデンレトリバーのルーツ

レトリバーとは「retrieve(レトリーブ):回収する、取り戻す」する犬のことで、ゴールデンレトリバーは、水陸両用の鳥猟犬を求めて作られたといわれています。
正確なルーツは不明ですが、黄色の毛色を持つウェービーコーテッドレトリバーと絶滅種となったツイードスパニエルの交配によって作られた子犬が祖先であると考えられています。

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ゴールデンレトリバーの身体的特徴

ゴールデンレトリバーの身体的特徴

被毛はダブルコート(オーバーコートと保温や保湿の役割をするアンダーコート)で、胸や前脚、尾などにやや長めの飾り毛があり、抜け毛が比較的多い犬種です。

獲物を傷つけずにくわえて運ぶことができる「ソフトマウス」と呼ばれる口も特徴的で、体重は25kg~34kg、体高は51㎝~61㎝の大型犬です。大型犬で力が強く、かなりの運動量が必要です。日々のお散歩だけでなく、広い場所でのボール遊びやフリスビーなど、一緒に思い切り遊ぶことをおすすめします。

また、人と共に何か行動をすることが好きな犬種なので、ドッグスポーツやダンスなどを一緒に楽しむことができるのもゴールデンレトリバーの特徴のひとつです。

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ゴールデンレトリバーがなりやすい病気

ゴールデンレトリバーがなりやすい病気

ゴールデンレトリバーが他の犬種と比較してなりやすい病気は、血管肉腫などの悪性腫瘍、股関節形成不全や耳血腫、皮膚疾患です。

腫瘍

腫瘍は、正常な細胞が変異することが原因で起こります。

腫瘍には良性と悪性があり、悪性腫瘍は増殖スピードが早く、異常な細胞が周りに広がる、別の臓器に移るなど生命に重大な影響を与えます。

ゴールデンレトリバーに多い血管肉腫は悪性腫瘍です。また、他犬種に比較して良性よりも悪性の腫瘍の方が多く、血管肉腫の他にもその他のリンパ組織・造血組織の腫瘍や肝臓・脾臓・胆嚢の腫瘍等さまざまな場所に腫瘍ができやすい犬種です。

血管肉腫

血管肉腫は、血管内皮細胞に由来する腫瘍で進行が早く転移率が高いことで知られる悪性腫瘍です。

血管がある場所すべてに発生する可能性がありますが、とくに発生しやすい場所は脾臓・心臓・肝臓など血管の多い臓器で、腫瘍が脾臓などの臓器内で破裂して出血して死に至るケースもあります。
血液の流れにそって転移しやすく、治療は、基本的には外科手術と抗がん剤などの化学療法を併用しておこないます。
術後の再発率が非常に高く、予後不良の場合が非常に多い腫瘍です。

耳血腫

耳血腫は、耳介(耳たぶ)内にある血管が破れ、皮膚と耳介軟骨の内側に血液や漿液が貯まる疾病です。
耳介の内側がぷっくり膨らむため、耳を頻繁に掻く、頭を振るなどの症状がみられます。

外耳炎などに伴い、耳を掻く、頭を激しく振るなどの耳介への外的な刺激がおもな原因ですが、外耳炎だけではなく、自己免疫疾患やアレルギー疾患などにより耳血腫になりやすい犬もいます。耳血腫は、放置すると耳介が萎縮して変形するため治療が必要です。

治療は、耳介に針を刺して溜まっている液体を抜きステロイド等を投与する方法、内服薬の投薬が一般的ですが、外科治療をおこなう場合もあります。

股関節形成不全

股関節形成不全は、股関節を形成する寛骨の関節窩が浅い、大腿骨の骨頭が平たいなどの原因で、骨盤の骨と後肢の骨がかみ合わなくなる疾患です。

股関節形成不全は、発育障害のひとつで初期症状は生後4ヵ月~12ヵ月齢でみられることが多く、遺伝的な要因が大きいといわれています。

治療は、痛みの緩和による対症療法やリハビリ、体重管理などの内科療法が一般的ですが、年齢と病状によっては外科手術をおこなうケースもあります。

皮膚疾患

皮膚疾患の原因は感染症、アレルギー疾患、内分泌疾患、腫瘍などさまざまで、犬の皮膚疾患で最も多いのは膿皮症です。膿皮症は、皮膚の常在菌であるブドウ球菌など、細菌の感染によって皮膚炎を起こす病気です。皮膚疾患は、原因がはっきりわかる場合は、原因に対して抗菌剤や食事、シャンプー療法等で治療をおこなうことで改善がみられます。

しかし、ひとつの原因ではなくさまざまな原因が重複して症状として現れるケース、アトピー性皮膚炎の様に体質的な原因や内分泌疾患が原因の場合も多く、長期にわたって治療が必要な場合も少なくありません。慢性化して完治しないケースも多く、さらにある程度歳を重ねた犬では皮膚腫瘍のケースもあるので注意が必要です。

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まとめ

ゴールデンレトリバーはドッグスポーツなども一緒に楽しめる犬

ゴールデンレトリバーの祖先は、水陸両用の鳥猟犬として活躍していました。

皮膚疾患や歳を重ねてからの腫瘍等が気になる犬種ですが、その賢さと活動的な性格を活かしてアジリティなどのドッグスポーツなども一緒に楽しめる飼い主に従順な犬種です。

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ライター情報

獣医師大熊おおくま真穂まほ

大熊 真穂

動物病院で臨床獣医師として勤務しながら、専門知識や経験を活かして各種メディアや個人サイトでライターとして情報を発信しています。ライフワークは「ペットと飼い主様がより元気で幸せに過ごすお手伝いをする」ことです。

ドリトルけいのいぬねこ健康相談室

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(掲載開始日:2023年12月12日)
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