子猫を飼うときにとくに気をつけてあげたいこととは?

子猫を飼うときにとくに気をつけてあげたいこととは?
公開日:2024年1月23日

元気いっぱいに動き回る子猫ですが、すぐに体調を崩しやすいのも事実。体調を崩したときの症状、誤食対策、ワクチン接種など、これから子猫をお迎えする場合にはどんなことに気をつけてあげたらよいのかをわかりやすく解説します!

子猫は体調を崩しやすい!

診察を受ける子猫

子猫は体調を崩しやすく、成猫と比べて悪化も早いことが多いです。受診するか悩ましいことも多いと思いますが、異変に気づいたらまず動物病院に相談しましょう。

嘔吐や下痢

吐いたり、便が柔らかくなったりの原因はさまざまです。
動物病院受診の際は1日何回どんなものをどんなタイミングで吐いたのか、下痢したのか、などの詳細を伝えましょう。あわせて、吐物や便をラップに包んだり、プラスチックカップに入れたりしてなるべく水分が吸い取られない状態で持っていきましょう。

子猫は温度や湿度などの環境変化や、食事内容の変化など、ちょっとしたことでも消化器症状がみられやすいです。家の中の環境を丁寧に整えておくことも大切です。

食欲不振

育ち盛りの子猫さんは食べることが好きな子が多いです。食べるスピードが遅かったり、食べる量が少ないように感じたりするときは早めに受診しましょう。いつもと比べて食欲がない場合はもちろんですが、もともと食が細いなという場合も何か原因があることもあるため受診しましょう。

具体的にどんなものを1日何回、1回どのくらい(何g)与えているのか、かかりつけ医に伝えましょう。パッケージを持参するとカロリー数なども記載されているので便利です。

毎日の体重について記録があると、より変化に気づきやすいです。ご自宅での体重測定を子猫のうちから習慣づけておきましょう。ベビースケーラーでの測定ですと誤差が小さいのでおすすめです。

体調が悪いときに、あわてて食事内容を変更することがないように、元気なうちから食事内容と量を相談しておくと安心です。

発熱

日頃から、お腹や腋下などを触っていつもより熱くなっていないか確認しましょう。猫の平熱は37.5℃~39℃くらいなので人より温かいですが、いつもより熱がありそう、いつもより大人しいかもしれないという場合は、受診しましょう。

目脂(めやに)やくしゃみをはじめとした、いわゆる猫風邪は子猫の場合は肺炎になり発熱することも多いです。安易に様子見せず、早い段階で受診しましょう。

低体温

子猫の場合はまだ体温調整が上手くできずに低体温になってしまうことがあります。温度湿度管理は丁寧におこない、設定温度を過信せずに愛猫の様子を確認しましょう。

万が一、子猫の体温が低いような場合はタオルでくるんで保温しながら母猫に舐めてもらうのをイメージして全身をさすりつつ、受診しましょう。
成猫になっても季節を問わず、ペット用カーペットや毛布など温まることができる場所を設置しておくことが大切です。

低血糖

3ヵ月未満の小さな子猫の場合、食事が3~4時間あいたり、食事が上手くできていなかったり、下痢や嘔吐をしている際に低血糖になることがあります。ぐったりしてしまうので、すぐに受診しましょう。事前に電話で連絡を入れたり、受付でぐったりしていたりすることを伝えましょう。

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誤食の対策はしっかり!

ご飯を食べる子猫

生後4ヵ月ごろから歯が生え変わるため口の中が気になってガジガジと噛みたくなる時期です。また、好奇心旺盛で何にでも興味を持つのが子猫。目に入るものはとにかく触って噛んでみることが多いです。人の赤ちゃんと生活するイメージで徹底的に片付けましょう。

紐、コード、ボール、ビニール袋などに気をつけることは基本ですが、床滑り防止にと敷きがちなジョイントマットも猫は噛んでちぎって飲み込むことが多いため使用は避けましょう。

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ワクチン接種で免疫を獲得させる

注射を打たれる子猫

体調を崩しやすい子猫はワクチン接種のスケジュールを組むのもなかなか難しいときもありますが、かかりつけ医に相談しながらしっかり接種しましょう。

「1回打っていれば大丈夫」「小さい子猫に何度もワクチン接種するのはかわいそう」と考えてしまう飼い主さんもいらっしゃいますが、子猫の場合は母猫からもらった移行抗体がワクチン接種の際に働き、子猫自身の抗体をつくる機会にならずに免疫が獲得できていないことがあります。このため、複数回の接種が必要になります。

2ヵ月齢以降から1回目を接種可能で、4ヵ月齢までは3~4週間おきに接種。生後半年または1歳のときに追加接種をする流れが基本です。体調や生活環境に合わせて、獣医師としっかり相談しましょう。

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糞便検査と駆虫薬の利用を

おトイレをする子猫

子猫の成長に伴って、お腹の虫も一緒に成長していきます。お迎えする際に検査済みの子でも、あとから寄生虫などが検出されることがあります。糞便検査は何度でも実施することをおすすめします。

ノミ・マダニ・フィラリアをはじめとする寄生虫に対する駆虫薬の定期的利用は飼い主さんが愛猫を守ってあげるためにできる、大切な予防です。薬の種類や利用シーズンの相談をしながら、動物病院処方の薬を使用しましょう。

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まとめ

日頃からよく観察する

飼い主さんからしたら「ちょっとしたこと」と思われがちなことで体調を崩しやすい猫。とくに子猫は本当にすぐ体調が崩れます。日頃からよく観察するとともに、子猫のうち元気なうちから定期的に動物病院に行って、動物病院という環境に慣れておくことは大切です。

体調が悪くなった際に、「知らないところ」「嫌なところ」と愛猫が動物病院を怖がってしまうと、診察や治療にも影響があります。食事の相談や駆虫薬の相談などで日頃から受診し、おやつをもらったり全身チェックをしてもらったりして、病院やスタッフのことを大好きになってもらえるように過ごしておくと、体調不良の際に治療に専念しやすくなります。

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ライター情報

獣医師笹尾ささお美香みか(旧姓:濵口)

濵口 美香
所属
猫の診療室モモ 勤務医
略歴
1988年 鹿児島県に生まれる 牛舎と鶏舎がご近所で動物に囲まれて育つ
1991年~2007年 長崎に引っ越し 猫との生活を始める
2007年~2013年 麻布大学獣医学部獣医学科卒 在学中ツシマヤマネコの普及啓発活動に取り組む
2013年~2016年 千葉県の犬猫動物病院にて勤務
2016年 動物保険会社へ転職 動物病院での診察業務・ペットショップの子犬子猫の往診・イベントでの健康相談業務・動物看護専門学校での講師を務める
2017年 子育てに専念
2018年~現在 品川区の猫の診療室モモにて勤務
2022年~Luna spay clinic 開業
資格
獣医師免許、JSFM CATvocate認定プログラム修了

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(掲載開始日:2024年1月23日)
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