ミニチュアピンシャーの特徴とは?なりやすい病気についても解説

ミニチュアピンシャーの特徴とは?なりやすい病気についても解説
公開日:2023年12月26日

ミニチュアピンシャーは、ドーベルマンピンシャーにも似た引き締まった体型と、精悍(せいかん)な顔立ちながらつぶらな瞳がかわいらしい犬で被毛のお手入れも簡単です。
この記事では、ミニチュアピンシャーの特徴となりやすい病気についてまとめました。

ミニチュアピンシャーはどんな犬?

ミニチュアピンシャーはどんな犬?

性格

ミニチュアピンシャーは、活発で明るくエネルギッシュで、自分よりも大きな相手に立ち向かう勇敢さを持っています。
警戒心が強く、最初はなかなか人に心を許さないため、番犬にも向いています。

また、気が強くプライドが高いので、極端に甘やかしたり一貫しない態度で接すると飼い主を下にみたりわがままに育つ可能性があります。
しかし、一度信頼されれば飼い主や家族に強い愛情を注ぎ、強い絆を結べる犬種です。
基本のしつけをしっかりおこない、気分によって態度やしつけのルールを変えないように心がけましょう。

ルーツ

ミニチュアピンシャーは、見た目がドーベルマンピンシャーに似ているため関係があると思われがちですが、実際は、ドイツでネズミを駆除する犬としてジャーマンピンシャーを小型化させて作出された犬種です。
その後、20世紀前半にアメリカで家庭犬として大ブレイクしました。
現在もアメリカでは人気の高い犬種です。

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ミニチュアピンシャーの身体的特徴

ミニチュアピンシャーの身体的特徴

ミニチュアピンシャーは小型犬の中でもトップクラスの瞬発力、スピード、すばしっこさを持つ活動的な犬種です。

被毛はスムースコートで短いため、抜け毛が比較的多いもののお手入れは簡単です。
体重は4㎏~6㎏、体高は25㎝~30㎝と小型犬ながら筋肉質な身体が示す通り、体を動かすことが大好きです。

運動不足が続くと肥満になりやすい上に、ストレスが溜まって攻撃的になる可能性があります。
日々のお散歩に加えて、ドッグランなどのフリースペースで自由に運動させストレスを発散させてあげましょう。
ただし、四肢が細く高いところから飛び降り降りると骨折の恐れがあるため、安全を確保して遊ばせる必要があります。

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ミニチュアピンシャーがなりやすい病気

ミニチュアピンシャーがなりやすい病気

ミニチュアピンシャーがなりやすい病気は、皮膚疾患と膝蓋骨脱臼、レッグ・カルベ・ぺルテス病などの関節疾患です。

【ミニチュアピンシャーがかかりやすいおもな病気】

  • 皮膚疾患
  • 関節疾患(膝蓋骨脱臼、レッグ・カルベ・ぺルテス病など)

以下で詳しくみていきましょう。

皮膚疾患

皮膚疾患の原因は、感染症、アレルギー疾患、内分泌疾患、腫瘍などさまざまです。
原因がはっきりわかる場合は、原因に対して抗菌剤や食事、シャンプー療法等で治療をおこなうことで改善がみられます。

しかし、ひとつの原因ではなくさまざまな原因が重複して症状として現れるケースやアトピー性皮膚炎のように体質的なことが原因である場合も多く、長期に渡って治療が必要な場合も少なくありません。
ミニチュアピンシャーは原因不明の脱毛や、遺伝性疾患の淡色被毛脱毛症、さらに皮膚糸状菌症が多くみられます。

淡色被毛脱毛症

カラーダイリューション脱毛症ともいわれ、ブルーやフォーンなどの淡色化した被毛をもつ犬に起こる遺伝性の皮膚疾患です。

皮膚の色を形成するメラニンの分布異常により毛が弱くなり折れやすくなるため、最初は淡色の毛の部分が脱毛しているかのようにみえますが、徐々に部分的な脱毛や完全な脱毛へと変化します。
また、脱毛に伴いフケがでる場合や毛穴にブツブツしたものができる場合もあります。

生後3ヵ月~3歳くらいまでの若い犬に発症し、ミニチュアピンシャーの他にドーベルマンピンシャーやイタリアングレーハウンドが好発犬種で、チワワやミニチュアダックスフンド、ヨークシャテリアなどにも発症します。

治療は、メラトニンや必須脂肪酸の投与をおこないますが、反応が悪いケースもあります。
膿皮症などの二次感染を防ぐために抗生剤やシャンプー療法等で皮膚の状態を良好に保つことも大切です。

関節疾患

膝蓋骨脱臼

膝蓋骨脱臼とは、本来は大腿骨の溝(滑車溝)におさまっているはずの膝蓋骨が脱臼する疾病で、遺伝的な要因が関わっています。

小型犬に多くみられ、内側に外れる「内方脱臼」と外側に外れる「外方脱臼」があり、脱臼の状態や外れやすさによって4つのグレードに分類されます。

膝蓋骨脱臼の症状は、スキップするような歩き方をする、後肢の跛行や挙上(足を上げる)、痛がるなどですが、脱臼の程度と症状が一致しないこともあります。

膝蓋骨脱臼の治療方法は、グレードと歩行の状態、痛みや跛行などの症状の有無、年齢や体重などを総合的に判断し内科的または外科的に治療をします。

内科治療は、運動制限や体重管理、必要に応じて鎮痛剤やサプリメントの投薬をおこないます。
外科的に手術が必要な場合は、痛みや跛行などの症状がひどい、グレードが進行している、グレードⅢ以上の場合、靭帯の断裂が疑われる場合などです。

レッグ・カルベ・ぺルテス病

大腿骨の骨頭(骨の先端)の血液の供給障害により発育障害が起こり、大腿骨頭が壊死する病気です。
若い小型犬に多く、通常は片側のみの大腿骨頭に発症しますが12%~17%の割合で両側に発症し、原因は遺伝性の要因が関与していると考えられています。

症状は軽度の跛行から体重をかけられないほど症状が重い場合もあり、1歳くらいまでの間に次第に悪化していきます。

治療は、大腿骨頭を切除する外科手術が一般的で、適切な時期に手術をおこなうことで正常な歩行が可能となります。

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まとめ

ミニチュアピンシャーは活動的でエネルギッシュ、勇敢な性格

ミニチュアピンシャーは、関節疾患や皮膚疾患が多い犬種で、活動的でエネルギッシュ、勇敢な性格で番犬にも向いています。
また、「レーピンシャー」(レー:小鹿のこと)という別名の通りつぶらな瞳が愛らしく、家族想いの愛情深い犬種です。

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ライター情報

獣医師大熊おおくま真穂まほ

大熊 真穂

動物病院で臨床獣医師として勤務しながら、専門知識や経験を活かして各種メディアや個人サイトでライターとして情報を発信しています。ライフワークは「ペットと飼い主様がより元気で幸せに過ごすお手伝いをする」ことです。

ドリトルけいのいぬねこ健康相談室

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(掲載開始日:2023年12月26日)
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