パピヨンの特徴とは?なりやすい病気についても解説

パピヨンの特徴とは?なりやすい病気についても解説
公開日:2023年12月26日

パピヨンは、華奢な体つきですが、実はエネルギッシュで運動能力が高い犬種です。
一緒にスポーツやゲームを楽しみたい、小型犬で活発な犬と暮らしたいという飼い主さんにおすすめです。
この記事では、パピヨンの特徴となりやすい病気について詳しく解説します。

パピヨンはどんな犬?

パピヨンはどんな犬?

性格

パピヨンは利口で活発なので、訓練やしつけがしやすい犬種です。
その一方で、気が強くてプライドが高く、飼い主を独占したがる傾向があるため、甘やかさずに基本のしつけと社会化をおこなう必要があります。

また、音に敏感でちょっとした物音に対しても吠え続ける傾向があるため、無駄吠えを防ぐしつけも大切です。
ただし、厳しすぎるしつけはかえって逆効果になるので、できたことを褒めて長所を伸ばすしつけをおこないましょう。

ルーツ

パピヨンのルーツは諸説ありますが、16世紀のヨーロッパにいた小型のスパニエルが祖先だという説が有力で、その後イタリアで繁殖され各国に広がったとされています。

フランス宮廷では絶大な人気で、マリー・アントワネットの飼い犬としても有名です。
犬種名はフランス語の「蝶」から名付けられました。
なお、垂れ耳タイプはファーレン(フランス語で蛾の意味)と呼ばれています。

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パピヨンの身体的特徴

パピヨンの身体的特徴

パピヨンの被毛はシングルコートで、抜け毛が比較的少ない犬種です。
パピヨンの被毛はマルチーズのように長く伸びていくタイプではなくある程度のところまでしか伸びません。
フワフワした被毛はもつれにくく、お手入れは比較的簡単ですが、耳や胸、四肢、尾にある飾り毛という長めの毛は絡まりやすいのでブラッシングは必要です。

体重は4kg~6kg、体高は28㎝以下で、小型ながら運動能力が高くアジリティやフライボールのようなドッグスポーツも可能です。
しかし、とくに前肢の骨は非常に細く骨折しやすいため、階段や高いところからの飛び降りには注意しましょう。

賢く身体能力が高いため、普段のお散歩に加えて知的好奇心を満たす遊びを取り入れると、運動をしたときと同じくらい満足感を感じられるのでおすすめです。

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パピヨンがなりやすい病気

パピヨンがなりやすい病気

パピヨンがなりやすい病気は、関節疾患や泌尿器疾患、消化器疾患などです。

【パピヨンがなりやすいおもな病気】

  • 関節疾患
  • 泌尿器疾患
  • 消化器疾患

以下で詳しくみていきましょう。

関節疾患

膝蓋骨脱臼

膝蓋骨脱臼とは、本来は大腿骨の溝(滑車溝)におさまっているはずの膝蓋骨が脱臼する疾病で、遺伝的な要因が関わっています。

小型犬に多くみられ、内側に外れる「内方脱臼」と外側に外れる「外方脱臼」があり、脱臼の状態や外れやすさによって4つのグレードに分類されます。
膝蓋骨脱臼の症状は、スキップするような歩き方をする、後肢の跛行や挙上(足を上げる)、痛がるなどですが、脱臼の程度と症状が一致しないこともあります。

膝蓋骨脱臼の治療方法は、グレードと歩行の状態、痛みや跛行などの症状の有無、年齢や体重などを総合的に判断し内科的または外科的に治療をします。

内科治療は、運動制限や体重管理、必要に応じて鎮痛剤やサプリメントの投薬をおこないます。
外科的に手術が必要な場合は、痛みや跛行などの症状がひどい、グレードが進行している、グレードⅢ以上の場合、靭帯の断裂が疑われる場合などです。

泌尿器疾患

慢性腎臓病

慢性腎臓病とは、さまざまな原因により腎臓にダメージが加わることで徐々に腎臓の機能が失われていくことによって起こる疾患です。

症状は、水を飲む量が増えて薄い尿が多くでる、毛並みが悪くなる、口臭が強くなる、徐々に食欲や元気がなくなり、吐くことが増えるなどです。

慢性腎臓病は加齢、遺伝性疾患、腫瘍、偏った食事や心臓病など他の疾患が原因で、腎臓の中で血液をろ過して尿を作る細胞が徐々に壊れていく病気です。

腎機能が元通りに回復する見込みはないため、治療は残された腎臓の機能を維持して病気の進行を遅らせることが目的です。
具体的には、血圧を下げて腎臓の働きを助ける薬や経口吸着剤の投薬、腎臓病用の療法食による食事の改善、輸液療法で水分を補うなどの内科治療をおこないます。

膀胱結石

犬の膀胱結石のおもな症状は、頻尿、排尿困難、血尿です。
膀胱結石ができる原因は、遺伝や体質によるもの、ミネラル分が多い食事の過剰摂取、飲水量の不足、細菌感染、代謝障害などさまざまです。
命に関わる問題になるのは、膀胱にあった結石が、尿道に移動して閉塞を起こすケースです。

このように尿道閉塞などの緊急性がない場合は、抗生物質や消炎剤の投薬・食事療法等の内科治療をおこないます。緊急性がある場合や、すでに膀胱に結石が多数できてしまった場合には、結石を取り除くために外科治療をおこなうことが一般的です。

尿路結石の発生には複数の要因があると考えられているため、治療をおこなっても再発する場合があります。

消化器疾患

タンパク喪失性腸症

タンパク喪失性腸症は、さまざまな理由で血液中のタンパク質(おもにアルブミン)が腸管腔内に漏れ出す疾患です。
タンパク喪失性腸症の原因は、リンパ管拡張症、胃粘膜上皮の異常(炎症・潰瘍など)、消化管型リンパ腫、重度の炎症性腸疾患、食物不耐性などさまざまです。

よくみられる症状は慢性の下痢ですが、下痢がみられない場合もあり病状が進むと食欲や元気がなくなる、体重が減少する、腹水や胸水がみられるなどの症状がみられます。
治療は、原因によって異なりますが、腫瘍以外は食事療法と内科療法を中心におこないます。

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まとめ

パピヨンは一緒にスポーツなどを楽しみたい方におすすめの犬種

パピヨンは小型犬でありながら非常に活動的で、さらにその優雅な風貌からマリー・アントワネットをはじめ多くの貴婦人に愛されていた犬です。
膝蓋骨脱臼や泌尿器疾患等が気になる犬種ですが、一緒にスポーツやゲームを楽しみたい飼い主様におすすめの活発で賢い犬種です。

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ライター情報

獣医師大熊おおくま真穂まほ

大熊 真穂

動物病院で臨床獣医師として勤務しながら、専門知識や経験を活かして各種メディアや個人サイトでライターとして情報を発信しています。ライフワークは「ペットと飼い主様がより元気で幸せに過ごすお手伝いをする」ことです。

ドリトルけいのいぬねこ健康相談室

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(掲載開始日:2023年12月26日)
2311065-2411