ペキニーズの特徴とは?必要な運動やかかりやすい病気についても解説

ペキニーズの特徴とは?必要な運動やかかりやすい病気についても解説
公開日:2023年11月8日

犬の種類のひとつである「ペキニーズ」。あまり聞きなれない犬種かもしれませんが、その独特の魅力と注意すべき点について今回はお話していきたいと思います。とくに、ペギニーズの性格、必要となる運動、かかりやすい病気などについてわかりやすく解説。食事や健康管理のポイントについてもご紹介しますので、ペギニーズをこれから飼いたいと考えている方も、すでに飼っている方もぜひチェックしてください。

ペキニーズの特徴とは?

ペキニーズの特徴とは?

ペギニーズの歴史

ペキニーズは中国を原産とする犬種で、祖先はチベタン・スパニエルと考えられており、このペキニーズにラサ・アプソをかけたものがシーズーであるといわれています。パグの祖先だろうということが最近の研究でわかってきたそうです。

ペギニーズの外見と風貌

ペギニーズの外見と風貌
ペギニーズは毛色のバリエーションが豊富。とくに白色が人気。

ふさふさの被毛と独特の姿

分厚いアンダーコートとロングコートを持つために非常に毛量が豊富でふわふわ。顔部分には毛がかかってこないなど特徴的な見た目で、手足が短くゆらゆらふわふわと浮いたような歩き方をします。

体重は5㎏を超えないくらいで、歩き方の原因にもなっている短く太い足が特徴的で、後ろ足は結構しゅっとしています。

カラーバリエーションの魅力

ホワイト、ブラック、フォーンなどの毛色が知られており、とくに白色が人気です。芸能人の方にも人気でブログなどで紹介されることもあります。

ペギニーズの性格と気質

ペギニーズの性格と気質
べたべた構われるのが苦手なペギニーズだが飼い主にはそっと寄り添う

誇り高くも愛情深い性格

「猫」と称される性格をしています。攻撃的ではないが簡単には引かず、べたべたと構われるのは嫌いだが、そっと寄り添う情の深さを持っています。

プライドが高いために、しつけが難しい面があるといわれています、しかし、頭がよいのでマナー的なものは自然と身につけており、高貴な雰囲気と振る舞いをする犬種のイメージがあります(もちろん、例外はいます)。

家族との絆と社交性

飼い主への忠誠はしっかりと持っているために関係を築くことはできます。しかし、がんこでマイペースな一面もあるために相手を尊重した関係づくりが大事です。

また、犬同士の関係性においては、ペギニーズはあまり社交性がなく、自分からはグイグイいかないことが多いです。反対に、他の犬からあまりグイグイ来られると引かない強さもあるので注意。「王子さま、お姫さまと思って接するのがいい」と飼い主さんには話します。

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ペギニーズに必要な運動とトレーニングは?

ペギニーズに必要な運動とトレーニングは?

運動量の調節と適切な暑さ対策

ペギニーズはそこまで運動量が必要な犬種ではないために、室内飼育でも穏やかに過ごして生活することが可能です。反対に過度な運動は暑さに弱い面もあるので気をつけましょう。とくに熱中症は注意が必要で、暑いより寒いほうが得意なのでとくに注意しましょう。

基本的なトレーニング遊びのアプローチ

相手の興味をうまく引き出しつつ、飽きたり興味を失ったりしたら無理をしないような対応が大事。気まぐれで、気高さがありまさに猫のような性格です。

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ペギニーズが注意するべき病気や疾患は?

ペギニーズが注意するべき病気や疾患は?

呼吸器系の病気や疾患

ペギニーズなど、鼻先の短い短頭主の犬は、呼吸器に問題を抱えているケースがあります。具体的には以下のような点に注意が必要です。

短頭種症候群の影響

鼻先の短い短頭種なために、鼻腔が狭い、喉の奥が狭いなどの問題を抱えている場合があり、その重症度によっては外科的な処置が必要なことがあります。

暑さに弱い

犬種的にも短頭種でもあるからというのもあり、暑さには弱いです。環境をきちんと涼しく整える、暑い場所に行かない、過度な運動を避けるなど、熱中症には十分に注意してください。

目の健康リスク

ペギニーズは目のリスクの高い犬種ですが、具体的には以下のような点に注意が必要です。

眼窩脱臼や角膜疾患のリスク

短頭種の特徴として鼻先と目が近く、目のリスクが高いです。なにかに激突して眼球が脱出、脱臼してしまうことが他の犬種よりも起きやすいと考えられており、同様に眼球を傷つけやすく、角膜損傷などのリスクも高いです。目の周りにも豊富に毛が存在するので、結膜炎や乾性角膜炎などの疾患も気をつけましょう。

定期的な眼科検診の大切さ

病変を放置していると大きな病気につながってしまうので、異常があればすぐにかかりつけの動物病院へ受診する、そうでなくても定期的に健康チェックをしてもらってあげてください。

歯周病など歯のリスク

小型犬の歯の特徴として、顔が小さくあごが狭いために歯科トラブルが起きることがあります。歯の健康維持のためのケア方法として、小さい頃から歯磨きの習慣をつけて毎日歯磨きを行うことが何よりも効果があるといえます。

呼吸器の病気や疾患

短頭種であることで咽頭喉頭部の構造上の問題や、気管の弱い子がいます。呼吸器の問題はとくに命に直結することがあるために異常がある場合にはすぐに相談してください。

関節の病気や疾患

前肢と後肢のアンバランスさのつけが背骨にきてしまうことがあり、椎間板ヘルニアや変形性脊椎症など、腰の痛みにつながる病気になることが多いです。
日常の活動や歩く様子をよくみてあげて、初期の異常を見つけ早く治療に入ることが大事です。

皮膚の病気や疾患

毛が多いために皮膚の状況を把握しづらく、気がついたら皮膚炎だった、アレルギーだった、外耳炎になっていたなどが起こることがあります。かかりつけの動物病院で定期的な検診を受けて、日常のケアでブラッシングや耳のケアの時にそういった異常に気がついてあげてください。

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健康管理には予防が大切!定期的な健康チェックを

健康管理には予防が大切!定期的な健康チェックを

ペギニーズと長く健康に過ごすためには、病気の予防をしっかりとすることが大切です。具体的には、以下を行うとよいでしょう。

獣医連携し定期的な健康観察を

ペギニーズは、気位が高く、自分の体調が悪いことを隠してしまうこともあるため、飼い主が小さな変化にも気がついてあげる必要があります。不安な点があれば、早めに動物病院に相談していきましょう。

ワクチンなど予防接種を受ける

予防できる病気はしっかりと予防していきましょう。そして、ワクチンなどの予防接種のタイミングでしっかりと全身をみてもらうとよいでしょう。日常の疑問をなんでも聞けるようかかりつけの動物病院を作りましょう。普段から獣医師とのコミュニケーションをとっておけるようにすることが大切です。

珍しい犬種なので、まだわかっていないことも多いペギニーズですが、その点も踏まえて相性の良い獣医師と出会えるように病気になる前から予防などを通して準備をしていきましょう。

ご家庭でブラッシングや耳や爪のチェックを

毎日のブラッシングや定期的な耳・爪・歯のケアを行うことはペットの健康や病気の早期発見に大きく役立ちます。ペギニーズは被毛の管理が大変な犬種なので、毎日のブラッシングは必須といってもよほど。飼い主さんにとっては大変ではありますが、かわいいペットを常に美しくいさせてあげてください。

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正しい食事と栄養も大切!健康的な食事の選択を

正しい食事と栄養も大切!健康的な食事の選択を

適切な栄養バランスの取れた食事を適切な量与えることは、ペットの健康を守るために最も大事な点のひとつです。

ほわほわとした毛で体格が外からわかりにくいので、きちんと触れてあげたり、定期的に体重を測ったりすることで適切な体型の維持に努めてあげてください。

被毛が多く、どちらかといえば脂質の多い皮膚環境な犬種なので、そのあたりも踏まえて良質なタンパク質と必須脂肪酸やビタミンなどをあげましょう。場合によってはサプリメントなどで補って健康的な生活をめざすことも必要だと思います。

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まとめ

気高い性格と美しい外見を持ち、まるで家族の王様、王女様のように振る舞うペキニーズ。
そういった性格のために甘えてくれるときにはたまらないかわいさを感じられるでしょう。性根は優しいので、飼い主に寄り添って大切なパートナーになってくれます。

健康で長生きしてもらうためにも、日々のケアや、かかりつけの動物病院での定期的な健康診断や、良い関係づくりは非常に大事です。飼い主のみなさまが大切なペットとのすてきな時間を長く過ごせるよう心より祈っております。

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ライター情報

獣医師あずま一平いっぺい

東 一平
所属
株式会社 アイエス 代表取締役、アイエス動物病院 院長
経歴
1978年 千葉県に生まれる
1997年 麻布大学獣医学部獣医学科卒業
2003年 同大学卒業
2003年~2004年 アイエス動物病院に勤務
2004年~2005年 東京都内の動物病院に勤務
2005年 千葉県市川市のアイエス動物病院の院長に就任
現在もアイエス動物病院院長として日々診療にあたりながら、YouTubeやX(旧Twitter)、ブログなどで情報発信を続けています。
所属学会
日本小動物歯科研究会、日本獣医皮膚科学会、比較眼科学会、日本獣医麻酔外科学会所属

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(掲載開始日:2023年11月8日)
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