ペット保険の更新(継続)とは?更新を拒否されることもある?

ペット保険の更新(継続)とは?更新を拒否されることもある?
公開日:2023年3月16日

ペットの病気やケガを補償するペット保険に加入している場合、1年ごとに更新(継続)の手続きをおこなうことが一般的です。ただし、必ず更新(継続)できるとは限りません。契約している内容をそのまま更新(継続)したくても、ペットの健康状態などによって契約条件が変わるケースや、そもそも更新(継続)ができないケースもあります。
この記事では、ペット保険の更新(継続)ができないケースや、更新(継続)時の注意点についてわかりやすく解説します。

ペット保険の更新(継続)とは?

ペット保険は、一生涯契約を更新(継続)できる「終身型」の商品が一般的です。「更新(継続)」とは、保険期間の満了を迎えたとき、更新(継続)前と同一の条件で契約することです。

「人間の終身保険」の場合は、契約後一生涯にわたり保障は継続されますが、1年ごとに契約の更新(継続)手続きは必要ありません。一方、「ペットの終身保険」の場合は、契約後は年齢制限なく補償が一生涯続くものの、基本的には1年ごとに更新(継続)手続きが必要となります。

人間の終身保険とペットの終身保険の違い

人間の終身保険とペットの終身保険の違い

ペット保険は1年ごとに自動更新(継続)されることが多い

ペット保険は、保険期間満了時に特段の手続きをしなくても、契約が自動的に更新(継続)されるケースが一般的です(特約を付けている場合に契約が自動更新されるケースもあります)。たとえば、保険期間1年のペット保険に加入している場合には、契約者(飼い主)側から解約を申し出ない限り、同内容で1年ごとに自動的に更新(継続)されます。

なお、多くのペット保険ではペットの年齢が上がるにつれて毎年保険料も高くなります。ただし、犬や猫の病気やケガのリスクがもっとも低い年齢が2歳頃であることから、2歳頃の保険料は安く設定されており、2歳以降からは保険料が高くなる傾向があります。

契約内容の変更があれば決められた期間に連絡が必要

前述のとおり、ペット保険は保険期間満了日を迎えると、更新前と同じ契約内容で自動的に更新(継続)されますので、もしもペット保険の補償内容(プラン)の変更を希望する場合は、保険会社に連絡しておく必要があります。「保険期間満了日の1ヵ月前まで」など、各保険会社が定める期間内に保険会社に伝える必要があり、その期間を過ぎてしまうと、補償内容(プラン)の変更は次回更新のタイミングとなってしまいますのでご注意ください。

なお、保険の解約は、保険期間満了日に限らずどのタイミングでも可能です。

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ペット保険は更新(継続)できないこともある?

ペット保険は、解約を申し出ない限り基本的には1年ごとに自動更新(継続)される前提ですが、契約が更新(継続)できない場合もあります。

ペット保険の更新(継続)時には一般的に保険会社による審査がおこなわれます。更新(継続)の条件は各保険会社により異なりますが、審査の結果「リスクが高い」と判断された場合には、契約条件の変更が求められる場合や、更新(継続)ができない場合 があります。

具体的には、更新(継続)時には以下3つのケースのいずれかになります。

  • これまでの契約内容で更新(継続)
  • 条件付きで更新(継続)
  • 更新(継続)できない

それぞれのケースを詳しくみていきましょう。

①これまでの契約内容で更新(継続)

まずは、契約しているペット保険について、これまでと同じ内容で契約が更新(継続)できるケースです。更新(継続)時に審査が行われるかどうかは保険会社によって異なりますので、保険会社に問い合わせをしたり、約款や重要事項説明書などで確認したりするとよいでしょう。

なお、更新(継続)できる場合は、保険期間満了の2〜3ヵ月前までに保険期間満了にともなう更新のお知らせ書類が送付されます。 契約内容に変更がなければ、とくに手続きは不要です。審査の結果、更新ができない場合には、その旨が通知されます。

②条件付きで更新

更新(継続)時の審査の結果、条件付きで更新(継続)が可能になるケースもあります。条件としては、特定の疾病や部位を補償対象外(不担保)とする「特定疾病不担保」や「特定部位不担保」などがあります。また、条件付きでの更新(継続)となりやすいのは、保険金の請求が多い場合や慢性疾患を患った場合などです。

③更新(継続)できない

更新(継続)時の審査の結果、更新(継続)ができないケースもあります。更新(継続)ができるかどうかの最終的な判断は保険会社がおこない、その判断基準は保険会社により異なりますが、一般的にどのような場合に更新(継続)ができない可能性があり得るのでしょうか。以下で詳しくみていきましょう。

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ペット保険の更新(継続)ができない理由とは?

更新(継続)ができるかどうかについて、具体的には保険会社の判断となりますが、一般的にはペットの健康状態が悪化している場合や、告知義務違反があった場合などに更新(継続)できないとすることが多いでしょう。更新(継続)ができないおもなケースは、以下のとおりです。

  • 慢性疾患を患った場合
  • 保険金の限度額を使い切った場合
  • 更新時の審査に通らなかった場合

それぞれのケースについて詳しくみていきましょう。

①慢性疾患を患った場合

ペット保険の対象になっているペットが、慢性疾患を患った場合には、更新(継続)が難しくなる可能性があります。慢性疾患とは、完治が難しく治療に長期間を要する疾患の総称です。慢性疾患の例としてはアトピー性皮膚炎、慢性腎臓病、糖尿病などが挙げられます。

慢性疾患は長期にわたって継続的な治療が必要になるケースが多く、治療費もかさみがちなため、一部の保険会社ではその疾患を補償対象から外すことが条件となったり、更新(継続)自体を認めないケースがあったりします。

慢性疾患の例

慢性疾患の例

②保険金の限度額に達してしまった場合

ペット保険には、補償される金額の上限である「補償限度額」が設定されています。1日(1回)あたりの補償の上限が定められているタイプと、年間で支払う保険金の上限金額が定められているタイプの商品があります。

年間で支払う保険金の上限金額が定められているタイプの商品は、1回あたりの治療費や治療回数を気にしなくてよい点が特徴ですが、補償限度額に達すると、保険期間中でも保険契約は終了(失効)する場合があります。契約が失効すると補償はなくなり、次年度以降の更新もできないことがありますので、注意しましょう。

③更新(継続)時の審査に通らなかった場合

ペット保険の更新(継続)時には、保険会社によって審査がおこなわれることが一般的です。

審査で確認されるおもなポイントには、更新前の保険期間中に患った疾病の種類や程度、保険金の請求状況などがあります。審査の結果、リスクが高いと判断されると、契約条件の変更を求められたり、更新(継続)ができなかったりするケースがあります。

たとえば、保険期間中に再発や慢性化しやすい病気を患った場合、将来病気を患うリスクが高まったとみなされて、更新(継続)できないことがあります。ただし、該当の疾患を補償対象外とすれば、契約を更新(継続)できる場合もあります。

その他にも、保険料の支払いが滞っている場合や加入時に告知義務違反があった場合、ペットが更新可能年齢の上限に達した場合なども審査に通らないケースがあります。告知義務違反とは、ペット保険加入時に申告する「ペットの健康状態」や「過去に罹患した傷病歴」などを正しく申告しないことです。

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ペット保険の更新(継続)ができない場合はどうする?

万が一、ペットが慢性疾患などを患うなどしてしまった場合には、契約しているペット保険で更新(継続)ができなくなる可能性もあります。更新(継続)の可否について不安に感じる場合には、まずは保険会社に確認をするとよいでしょう。カスタマーセンターなど、問い合わせを受け付けている窓口があります。

もしも審査の結果、契約しているペット保険では更新(継続)ができない、と判断された場合には、別のペット保険に乗り換えるなどの対応が必要になります。

乗り換える場合は早めに検討する

ペット保険には、新規で加入できる年齢に上限が設けられていることが一般的です。加入の上限年齢はペットの種類や保険会社、加入するプランによって異なり、犬の場合はおおむね7〜12歳です。

ペットの年齢が上がるほど、加入できる商品・プランの選択肢は限られてくるため、希望するペット保険に加入できなくなる可能性もあります。乗り換える場合には、できるだけ早いタイミングで検討するようにしましょう。

なお、ペット保険の乗り換えに関しては、年齢上限以外にも、既往歴によっては引き受けてもらえない場合や、現在治療中の病気があり乗り換え先のペット保険では補償対象外となる場合などもあるので注意が必要です。また、待機期間があるペット保険の場合、待機期間中は補償を受けることができませんのであらかじめ認識しておきましょう。

待機期間とは保険期間開始後、一定の期間で罹患した傷病などの補償が対象外になる期間のこと。

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ペット保険に加入する前にはここも確認しよう

ここまでお伝えしてきたとおり、ペット保険は、更新(継続)の際に、契約内容の変更を求められたり、更新(継続)ができなくなったりすることがあります。更新(継続)時にあわてることがないように、加入前には更新の条件などについてもよく確認しておきましょう。

また、はじめからペットが罹患しやすい病気を考慮してペット保険を選ぶことも大切です。犬や猫はそれぞれの種類によって罹患しやすい病気が異なります。たとえば、プードルやゴールデン・レトリバーなど耳のたれた犬は外耳炎に、チワワは水頭症になりやすいといわれています。ペットがかかりやすい病気のリスクに備えたいのであれば、万が一罹患しやすいとされている病気を患っても保険契約が更新(継続)できるかどうか確認しておくとよいでしょう。

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まとめ

ペット保険における「更新(継続)」とは、契約保険期間満了を迎えたときにあらためて同じ内容で契約することを指します。1年ごとに見直されるのが一般的です。

契約の更新(継続)時には、「これまでの契約内容で更新(継続)」「条件付きで更新」「更新(継続)できない」のいずれかのケースに該当することになります。万が一、保険加入中にペットが慢性疾患などを患った場合などは、患った病気は補償対象外とするなどの「条件付きで更新」あるいは「更新(継続)できない」ケースとなりますので注意が必要です。

なお、更新(継続)時の審査の有無や更新時の取扱いについては、保険会社に確認をしたり、約款や重要事項説明書などを確認したりするなどし、よく理解したうえでペット保険に加入するとよいでしょう。

監修者情報

ファイナンシャルプランナー竹国たけくに弘城ひろき

竹国 弘城

RAPPORT Consulting Office (ラポール・コンサルティング・オフィス)代表。名古屋大学工学部機械・航空工学科卒業。証券会社、生損保代理店での勤務を経て、ファイナンシャルプランナーとして独立。お金に関する相談や記事の執筆・監修を通じ、自身のお金の問題について自ら考え、行動できるようになってもらうための活動を行う。ミニマリストでもあり、ミニマリズムとマネープランニングを融合したシンプルで豊かな暮らしを提案している。趣味はサウナ(サウナ・スパプロフェッショナル)。

資格情報
1級ファイナンシャルプランニング技能士、日本FP協会会員(CFP®)
HP
https://www.rapportco.com

CFP®、CERTIFIED FINANCIAL PLANNER®、およびサーティファイド ファイナンシャル プランナー®は、米国外においてはFinancial Planning Standards Board Ltd.(FPSB)の登録商標で、FPSBとのライセンス契約の下に、日本国内においてはNPO法人日本FP協会が商標の使用を認めています。

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  • このページの内容は、一般的な情報を掲載したものであり、個別の保険商品の補償/保障内容とは関係がありません。ご契約中の保険商品の補償/保障内容につきましては、ご契約中の保険会社にお問い合わせください。
  • 税制上・社会保険制度の取扱いは、このページの掲載開始日時点の税制・社会保険制度にもとづくもので、全ての情報を網羅するものではありません。将来的に税制の変更により計算方法・税率などが、また、社会保険制度が変わる場合もありますのでご注意ください。なお、個別の税務取扱いについては所轄の税務署または税理士などに、社会保険制度の個別の取扱いについては年金事務所または社会保険労務士などにご確認のうえ、ご自身の責任においてご判断ください。

(掲載開始日:2023年3月16日)
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