ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの特徴とは?なりやすい病気についても解説

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの特徴とは?なりやすい病気についても解説
公開日:2024年1月23日

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは日本に限らず世界で愛されている犬種です。大きな瞳に短めの足と胴長な体型、天真爛漫な性格など、ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの歴史や特徴、飼育する際の注意事項などを解説します。

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの歴史

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの歴史

ウェルシュ・コーギーとひとくくりにされている犬には紀元前から歴史のあるカーディガン種とペンブローク種の2つがあります。日本でも人気があり、よくみかけるのはウェルシュ・コーギー・ペンブロークです。

ウェールズのペンブロークシャーにいたことからその名前がつきましたが、1107年にイギリスのヘンリー1世がウェールズ南西部に連れてきたとされています。
元々は牛追いの牧畜犬として使役されていましたが、ヘンリー2世のペットとなってからは、繁殖化によって改良が進み、今のペンブロークに近い形になったようです。

一方のカーディガン種はペンブロークと同じく、牧畜犬として働いてきましたが、ペンブロークと異なり断尾の習慣がないため尻尾があるのが普通とされてきました。体格はペンブロークより大きく、黒やブリンドルなどの柄も認められています。また、歴史も長く、紀元前1200年頃に中央アジアのケルト人がヨーロッパを経由してイギリスに渡った際に連れて来た犬とされています。

ペンブロークと同じくウェールズのカーディガンシャー地方で飼われていたものが、1933年にジョージ6世がペットとして飼っていたことから世間に広く知られるようになりました。

1934年、ペンブローク・コーギーとカーディガン・コーギーは別々の犬種としてイングリッシュ・ケンネル・クラブに認められました。アメリカン・ケンネル・クラブも同じ年に、この2つの犬種を別個の犬種として認定しました。

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ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの特徴

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの特徴

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークはイギリス原産の牧畜犬種です。大きさは体高が約20~30cm、肩幅は25 kg ~30cm、体重は雌で9 kg ~11kg、雄で10 kg ~12kgほどです。

身体的特徴として足は短く胴は長いですが、筋肉質な太ももを持ち機敏な動きが特徴です。尾は短いのが望ましく、ショーに出るような犬では2インチ(約5cm)を超えるようだと断尾されることもあります。毛色はレッド、セーブル、フォーン、ブラック・アンド・タンがあり、脚や胸、首の白斑はあってもなくても良いとされています。

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの寿命

なお、平均的な寿命は12.5歳と一般的な犬種よりも短いため、定期的な健康診断は重要です。

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ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの性格

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの性格

遊び好きで明るく社交的なため、初めて会う人や他の犬とも仲良くできます。

利発で物覚えもよく、好奇心も旺盛のため訓練をすればよく反応してくれますが、元は牧畜犬であったため、吠えて牛や羊などの家畜を追い立てていたこともあり、鋭い感覚と「大型犬」のような吠え声を持ちます。
吠え癖や噛み癖がついてしまわないように注意し、子犬時代にしっかりと信頼関係を築き、しつけることがとても重要です。

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ウェルシュ・コーギー・ペンブロークのなりやすい病気

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークのなりやすい病気

ウェルシュ・コーギーは変性性脊髄症(Degenerative Myelopathy:DM)、フォンヴィレブランド病(vWD)という遺伝病の発症が多いことが知られています。

変性性脊髄症(DM)

変性性脊髄症(DM)は8歳頃に後ろ足の麻痺から症状がはじまり、数年をかけて進行し、最終的には呼吸器にまで麻痺が及んで死に至る遺伝病です。

現在、有効な治療法はなく、発症したら筋肉の維持や体重管理などをしながら、緩和的なケアをしていくしかありません。変性性脊髄症(DM)を引き起こす遺伝子変異(の少なくとも一部)は明らかとなっていて、コーギーは世界的に、その変異を保有する割合が高いことが知られています。事前に遺伝子変異の有無を確認し、しっかりと繁殖計画を立てていくことも重要とされています。

フォンヴィレブランド病(vWD)

フォンヴィレブランド病(vWD)は一次止血が障害されることによって引き起こされる遺伝性の止血異常です。簡単にいうと、ケガをした際や手術の際に血が止まりにくい病気です。貧血になったり、出血が予想される手術をしたりする際には輸血が必要になることもあります。

その他

その他、ウェルシュ・コーギーが他犬種よりもかかりやすい疾患として、変形性脊椎症、椎間板ヘルニア、口腔内外傷、関節炎、前十字靭帯損傷、爪の外傷、脂肪腫、膀胱炎、尿石症などがあげられます。

反対に他犬種よりもかかりにくい疾患として胆泥症、マラセチア性外耳炎、発咳、てんかん、気管支炎などがあげられます。

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ウェルシュ・コーギー・ペンブロークのお世話で気をつけること

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークのお世話で気をつけること

被毛

ペンブロークの被毛は厚く、耐候性に優れたダブルコートです。柔らかくて軽いアンダーコートが粗いアウターコートに覆われているため、日常的にかなりの量の抜け毛があり、春の終わりから初夏にかけてはさらに多くなる傾向にあります。ブラッシングをこまめに実施してあげることが大切です。

運動

牛やその他の家畜を放牧するために開発された、強くて運動能力の高い小型犬で、体を動かすことが大好きです。長時間の散歩やゆっくりとしたジョギングが得意なため、毎日の運動時間を確保してあげる必要があります。

しつけ

他の犬種と同様に早期の社会化と子犬しつけ教室がおすすめです。生後7週間から4ヵ月の間にさまざまな人、場所、状況に触れさせることで、子犬の順応性が高くなり、行儀の良い成犬に成長するのに役立ちます。エネルギッシュで意欲的なため、ご褒美を基本としたポジティブなトレーニングが効果的です。

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まとめ

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークのことはよくわかりましたか?
これからワンちゃんを迎えようとしている方はぜひ、ペンブロークとの生活を考えてみてください。また、すでにペンブロークと過ごしている方はどんなことに気をつければいいかを知って、今まで以上に愛情をいっぱい注いであげてください。

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ライター情報

獣医師小林こばやしたくみ

小林 巧
所属
Sho Animal Clinic(しょう動物病院)
略歴
1989年 静岡県浜松市に生まれる
2008年 宮崎大学 農学部獣医学科に入学
2014年 獣医師国家資格取得
2014年 東京都内の動物病院に勤務
2018年 埼玉県内の動物病院に勤務
2022年 Sho Animal Clinic に勤務
所属学会
獣医麻酔外科学会、日本獣医がん学会
資格
獣医師免許

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(掲載開始日:2024年1月23日)
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