世帯年収とは?家族構成別の平均や年収を増やす方法を解説

「世帯年収」とは、生計を共にする世帯構成員の合計年収のことです。近年は夫婦で共働きをする家庭も多いですが、共働きなのか片働きなのかによって、世帯年収も大きく変わります。ご自身の家庭の世帯年収が、一般的な世帯年収とくらべてどのくらい違いがあるのかについては気になる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、世帯年収の調べ方や家族構成別の平均年収について解説します。また、年収を増やす方法についても紹介しますので、今後の生活設計をおこなう際に参考にしてください。
世帯年収とは?

前述のとおり、世帯年収とは「生計を共にする世帯構成員の合計年収」のことです。生計を共にしているかどうかは、生活するためのお金が出ている財布が同じかどうかで判断します。一時的に別居している場合も同一世帯と考えます。
たとえば、同居していても生計を共にしていない人の年収は、世帯年収に含めません。たとえば、二世帯住宅で食費や水道光熱費などの生活費を別々に負担しているケースなどが当てはまります。
長期療養のためなどで施設へ入所して別れて暮らしている場合や、単身赴任で別居している場合は同一世帯とは考えません。一時的に別居している場合は、同一世帯として考えます。
また、同居していても生計を共にしていない人の年収は、世帯年収に含めません。たとえば、二世帯住宅で食費や水道光熱費などの生活費を別々に負担しているケースなどが当てはまります。
「年収」「所得」「手取り」の違い
世帯年収を増やすためには、まずはご自身の世帯年収を知る必要があります。まずは、「年収」とはなにかを理解するために、「所得」「手取り」などの混同しやすい言葉についても解説します。
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年収とは
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「年収」とは、年間を通して得ることができる総収入のことで、税金や社会保険料などが差し引かれる前の金額です。その定義は、会社員と自営業者で異なります。
- 自営業者の場合:1年間の売上金額
- 会社員の場合: 会社からの1年間の総支給額(給与・賞与・手当を含む)
自営業者の場合は、「売上金額」がそのまま年収となります。一方、会社などに勤務しており、給与や賞与などを受け取っている方の場合は、源泉徴収票の「支払金額」の欄に記載されている金額が年収となります。
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所得とは
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「所得」の定義についても、会社員と自営業者では異なります。
- 自営業者の場合:年収から必要経費(売上を得るために要した費用など)を差し引いた金額
- 会社員の場合:年収から給与所得控除を差し引いた金額
自営業者などの場合は、年収から必要経費(売上を得るために要した費用など)を差し引いた金額となります。
一方、会社などに勤務している方の場合は、給与収入金額に応じて「給与所得控除額」が定められています。源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」には、「支払金額」の欄に記載された金額(年収)から給与所得控除額が差し引かれた金額が記載されており、この金額が所得に相当します。
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手取りとは
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「手取り」とは、実際に手元に入ってくる金額で、給与から所得税や住民税、社会保険料などを差し引いて算出します。手取りは、そもそもの年収、所得税の税率や保険料率、扶養家族の有無などによって変わります。
なお、住民税額については源泉徴収票に記載されていないため、別途、住民税決定通知書で確認しましょう。
世帯年収の確認方法
前述のとおり、世帯年収とは世帯構成員の合計年収のことです。共働きの夫婦の場合には、「夫の年収+妻の年収」で計算します。片働きの場合には、夫または妻のいずれかの年収となります。なお、子どもがアルバイトなどで収入を得た場合には、その金額も合わせて計算する必要があります。
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会社員の場合
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会社員の方が年収の額を確認する方法には、「源泉徴収票」で確認する場合と、「給与明細」を確認する場合があります。源泉徴収票の場合には、支払い金額欄に記載されている額が年収です。給与明細で確認する場合には、毎月の給与を確認し、年間の総支給金額を計算します(賞与や手当なども含める)。
【源泉徴収票の確認ポイント】
- 年収:「支払金額」
- 所得:「支払金額」-「給与所得控除額」(必要経費)
- 手取り:「支払金額」-「源泉徴収税額」-「社会保険料」-「住民税額」
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自営業者の場合
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自営業者の方が年収を知るためには、確定申告書で確認する方法があります。毎年おこなう確定申告書の「収入金額等」の欄に記載されている金額を確認します。
【世帯主の年代別】世帯年収の平均とは?

総務省統計局の「家計調査(2023年度)」のデータから世帯主の年代別世帯年収を紹介します。
総世帯の平均年収
世帯主の年齢 | 29歳以下 | 30~39歳 | 40~49歳 | 50~59歳 | 60~69歳 | 70歳以上 |
---|---|---|---|---|---|---|
世帯年収 | 435.8万円 | 608.2万円 | 725.7万円 | 734.5万円 | 526.3万円 | 435.6万円 |
「家計調査 家計収支編 総世帯 詳細結果表(表4)」(政府統計の総合窓口(e-Stat))をもとに楽天インシュアランスプランニング株式会社にて作成
※ 上記の表は1ヵ月の平均実収入を12倍して紹介
上記のデータによれば、総世帯では、世帯主が50代のときに世帯年収がもっとも大きくなる傾向にあります。60歳以降は定年退職による減収などもあるため、できれば60代になる前に老後資金を準備しておきたいものです。
また、世帯の中にふたり以上の働き手がいる場合は、世帯年収も増える傾向にあります。夫婦共働きなどの世帯構成員のふたり以上が勤労している世帯については、以下をご覧ください。
勤労者がふたり以上の世帯の平均年収
世帯主の年齢 | 29歳以下 | 30~39歳 | 40~49歳 | 50~59歳 | 60~69歳 | 70歳以上 |
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世帯年収 | 604.8万円 | 693.2万円 | 790.8万円 | 828.6万円 | 592.8万円 | 507.4万円 |
「家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表(表3-2)」(政府統計の総合窓口(e-Stat))をもとに楽天インシュアランスプランニング株式会社にて作成
※ 上記の表は1ヵ月の平均実収入を12倍して紹介
勤労者がひとりで暮らす単身勤労世帯の平均世帯年収は、以下のとおりです。男性・女性共に35~59歳のほうが34歳以下よりも高い年収を得ていることがわかります。
勤労者がひとりの世帯の平均年収
単身勤労世帯 | 世帯主34歳以下 | 世帯主35~59歳 |
---|---|---|
全体 | 405.8万円 | 494.8万円 |
世帯主が男性 | 424.4万円 | 538.2万円 |
世帯主が女性 | 379.3万円 | 418.4万円 |
「家計調査 家計収支編 単身世帯 詳細結果表(表2)」(政府統計の総合窓口(e-Stat))をもとに楽天インシュアランスプランニング株式会社にて作成
※ 上記の表は1ヵ月の平均実収入を12倍して紹介
【家族構成別】世帯年収の平均とは?

家族構成によっても年収は変わります。総務省統計局の「家計調査報告(2023年)」によると、勤労者世帯全体では、社会保障給付やほかの世帯員の収入などを含めた世帯全体の年間平均収入は626.8万円でした。
なお、平均有業人員は1.52人、世帯主の年収は485.0万円です。
【勤労者世帯全体】世帯収入と世帯主の年収
世帯区分 | 社会保障給付などを含めた世帯全体の年間収入 | 世帯主の年収 |
---|---|---|
全体 | 626.8万円 | 485.0万円 |
単身世帯 | 429.5万円 | 399.0万円 |
二人以上世帯 | 729.8万円 | 530.2万円 |
「家計調査報告 [家計収支編] 2023年(令和5年)平均結果の概要」(総務省統計局)P16(実収入の項目別対前年増減率の推移(勤労者世帯))(https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/pdf/fies_gaikyo2023.pdf)をもとに楽天インシュアランスプランニング株式会社にて作成
※ 上記の表は1ヵ月の平均実収入を12倍して紹介
上記は、勤労者世帯全体の年間収入ですが、ご自身の家族構成と同じケースの年収の場合には、いくらくらいになるのでしょうか。以下の家族構成別の平均年収について、それぞれ解説します。
【家族構成】
- ① 単身世帯
- ② 2人以上世帯
- ③ 65歳以上の高齢者無職世帯
- ④ 夫婦と未婚の子ども(高校生まで)世帯
- ⑤ 母子世帯
- ⑥ 父子世帯
① 単身世帯の平均年収
単身勤労者世帯では、社会保障給付などを含めた世帯全体の年間収入は429.5万円、世帯主の年収は399.0万円です。勤務先の給与以外にも、月に2.5万円程度は社会保障給付や副業などから収入を得ていると考えられます。
② 2人以上世帯の平均年収
勤労者が2人以上いる世帯では、社会保障給付やほかの世帯員の収入などを含めた世帯全体の年間収入は729.8万円、世帯主の年収は530.2万円です。
世帯主が勤務先から受け取る給与以外にも、配偶者やほかの世帯員の収入や社会保障給付などで月に16.6万円程度の収入を得ています。
③ 65歳以上の高齢者無職世帯の平均年収
65歳以上の高齢者が世帯主で、世帯内に勤労者がいない場合の平均年収は、夫婦のみの2人暮らし無職世帯の場合で年収293.5万円、単身無職世帯の年収は152.3万円です。
夫婦2人世帯では、支出が収入を1ヵ月あたり約3.8万円ほど上回り、単身世帯では支出が収入を1ヵ月あたり約3.1万円ほど上回っています。
【高齢者無職世帯】平均年収・支出
世帯区分 | 平均年収 | 1ヵ月あたりの平均収入 | 1ヵ月あたりの平均支出 |
---|---|---|---|
夫婦のみ二人暮らし世帯 | 293.5万円 | 244,580円 | 282,497円 |
単身世帯 | 152.3万円 | 126,905円 | 157,673円 |
「家計調査報告 [家計収支編] 2023年(令和5年)平均結果の概要」P19(表2 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)及び 65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の家計収支 -2023年-)(総務省統計局)(https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/pdf/fies_gaikyo2023.pdf)をもとに楽天インシュアランスプランニング株式会社にて作成
④ 夫婦と未婚の子ども(高校生まで)世帯の平均年収
共働き夫婦と高校生以下の未婚の子が1人いる世帯の平均年収は856.2万円で、2人いる場合の平均年収は839.1万円です。
【共働き夫婦と未婚の子どもの世帯】平均年収
家族構成 | 平均年収 |
---|---|
共働き夫婦+高校生以下の未婚の子1人 | 856.2万円 |
共働き夫婦+高校生以下の未婚の子2人 | 839.1万円 |
「家計調査報告 [家計収支編] 2023年(令和5年)平均結果の概要」(第3-11表 妻の就業状態,世帯類型別1世帯当たり1か月間の収入と支出)(政府統計の総合窓口(e-Stat))をもとに楽天インシュアランスプランニング株式会社にて作成
⑤ 母子世帯(母親と未婚の18歳までの子ども)の平均年収
厚生労働省が発表した「令和3年度 全国ひとり親世帯調査」によると、母親と未婚の18歳までの子どもが暮らす母子世帯の平均年収は373万円でした。子どもの状況別に見ると、小学校入学前がもっとも世帯年収が多く、次に高校生のときに多くなります。
【母子世帯】平均年収
末子の状況 | 総数 | 小学校入学前 | 小学生 | 中学生 | 高校生 |
---|---|---|---|---|---|
平均世帯年収 | 373万円 | 428万円 | 354万円 | 357万円 | 371万円 |
「令和3年度 全国ひとり親世帯等調査の結果を公表します」(厚生労働省)(https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/f1dc19f2-79dc-49bf-a774-21607026a21d/9ff012a5/20230725_councils_shingikai_hinkon_hitorioya_6TseCaln_05.pdf)をもとに楽天インシュアランスプランニング株式会社にて作成
⑥ 父子世帯(父親と未婚の18歳までの子ども)の平均年収
厚生労働省の「令和3年度 全国ひとり親世帯調査」によると、父親と未婚の18歳までの子どもが暮らす父子世帯の平均年収は、母子世帯よりも233万円多く606万円です。また、子どもが高校生のときに平均世帯年収がもっとも多く、656万円でした。
【父子世帯】平均年収
末子の状況 | 総数 | 小学校入学前 | 小学生 | 中学生 | 高校生 |
---|---|---|---|---|---|
平均世帯年収 | 606万円 | 616万円 | 568万円 | 572万円 | 656万円 |
「令和3年度 全国ひとり親世帯等調査の結果を公表します」(厚生労働省)(https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/f1dc19f2-79dc-49bf-a774-21607026a21d/9ff012a5/20230725_councils_shingikai_hinkon_hitorioya_6TseCaln_05.pdf)をもとに楽天インシュアランスプランニング株式会社にて作成
世帯所得の分布とは?

所得は世帯間で差が大きく、平均値だけでは実態を把握しにくい面があります。そこで、100万円単位でどの所得層の世帯が多いのかを紹介します。
非勤労世帯も含む全世帯の平均年間所得は524.2万円です。所得別にみると100万~300万円の世帯が多く、全体の約3割を占めます。また、年間所得が400万円以下の世帯が全体の約半数を占める一方、1,000万円超の世帯は11.6%もあり、所得の二極化がみられます。
世帯所得の分布

「2023(令和5)年国民生活基礎調査の概況 各種世帯の所得等の状況 2 所得の分布状況」(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa23/dl/03.pdf)をもとに楽天インシュアランスプランニング株式会社にて作成
どの世帯所得層が多いかは、中央値によって把握できます。以下で、平均値と中央値の違いについて解説します。
世帯所得の平均値と中央値
平均値とは、データの合計を個数で割った値です。一方、中央値とは、データを大きい順もしくは小さい順に並べたときに真ん中にくる値を指します。
厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」によれば、非勤労世帯も含む全世帯の平均年間所得は524.2万円です。しかし、実際には平均所得以下の世帯が62.2%と過半数を占めており、一部の高所得世帯が平均値を引き上げていることがわかります。
また、年間所得の中央値(所得が少ない順に並べたときに中央にあたる世帯の所得)は405万円であるため、実際には所得が405万円前後の世帯がボリュームゾーンであると考えられます。
平均値から全体像、中央値から実情を把握することで、年収・所得の理解がより深まるため、年収や所得を確認するときは、平均値だけでなく中央値も把握しておくことが大切です。
世帯年収を増やす方法とは?

働き方や世帯の種類によっては、世帯年収が低くなる可能性があります。必要となる程度の収入を得ることができていない場合、お子さまがいる家庭ではお子さまの進学の選択肢が狭まったり、老後資金を準備しにくくなったりすることがあるかもしれません。
このような将来に対する不安を軽減するためにも、年収を増やすことは重要です。今から始められる年収を増やす方法として、以下があげられます。
【今から始められる年収を増やす方法】
- 働く人を増やす
- 1人あたりの収入を増やす
- 支出を減らす
- 所得控除額を増やす
- 資産運用を始める
それぞれについて、詳しくみていきましょう。
働く人を増やす
働き手が増えれば収入も多くなるため、同じ世帯で働く人を増やすことは世帯収入を増やす方法のひとつです。
ただし、年収が増えることで、かえって手取りが減る場合があります。これを「年収の壁」といい、一定の年収を超えることで税金や社会保険料の負担が増え、実質的な手取りが下がるという事態が発生します。
年収の壁は以下の3つがあげられます。
【年収の壁】
- 税金に関わる壁(100万円の壁・103万円の壁)
- 社会保険に関わる壁(106万円の壁・130万円の壁)
- 配偶者控除(配偶者特別控除)に関わる壁(150万円の壁・201万円の壁)
(上記の内容は2025年1月現在の情報に基づきます)
年収が100万円を超えると(自治体によって金額基準は多少異なる)収入に対して住民税が、103万円を超えると収入に対して所得税がかかります。また、扶養控除の対象から外れ、扶養者(親など)の税負担が増えます。
また、年収が106万円を超えると、勤務先によっては健康保険や厚生年金保険の加入義務が発生し、130万円を超えると配偶者や親の社会保険の扶養から外れ、ご自身で社会保険料を支払わなければならなくなります。
さらに、年収が150万円を超えると配偶者特別控除が満額(38万円)で適用されなくなり、配偶者の手取りに影響(減少)し、201万円を超えると配偶者特別控除の対象外となります。
そのため、共働きのメリットとデメリットを把握しておくことも大切です。たとえば、働き手が2人になることで家計に余裕ができる点はメリットといえます。
しかし、家事や育児に割ける時間が少なくなり、負担が大きくなる、子どもが病気にかかってしまったときの対応が難しくなるといった問題(デメリット)が生じやすくなります。
共働きのメリット・デメリット
メリット | デメリット |
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働きに出るのかどうかは、手取りの増加が見込めるか、家事や育児との両立が可能かなどを、世帯内でしっかりと話し合って判断するようにしましょう。
1人あたりの収入を増やす
副業や転職などで、1人あたりの収入を増やす方法もあります。
副業を検討している方は、まずは勤務先で副業が禁止されていないか、就業規則を確認しておきましょう。なお、副業を禁止していない場合でも、事前に届出が求められることもあります。
また、副業する際は、スケジュール管理と体調管理も大切です。本業に影響が生じないようにするのはもちろんのこと、家族やプライベートの時間も確保できるようにしましょう。
支出を減らす
一方で、収入を増やさなくても、支出をおさえることで家計に余裕が生まれることもあります。活用できていないサブスクリプションサービスはないか、通信費や光熱費、保険料は適切か、外食費や趣味・娯楽費にお金を使いすぎていないかなど、現在の支出に無駄がないかチェックしてみてください。
たとえば、生命保険(個人年金保険を含む)の1世帯あたりの平均年間保険料は37.1万円です。保障(補償)に過不足や重複はないか、他社に切り替えることで同様の保障(補償)をよりリーズナブルな保険料で確保できないかなどを確認してみましょう。
支出を正確に把握することで、家計の無駄を発見できるかもしれません。
所得控除額を増やす
適用を受けられるのに申告していない控除(所得控除・税額控除)がある場合、申告することで所得税や住民税を減額できることがあります。該当する控除がないかチェックしてみましょう。
たとえば、1年間に支払った医療費から、保険金などで補填される金額を差し引き、さらにその金額から10万円(所得の合計額が200万円未満の場合は所得の合計額の5%)を差し引いた金額が200万円以下であれば医療費控除の適用を受けられます。
【医療費控除額の計算式】
- (1年間に支払った医療費の総額-保険金などで補填される金額)-10万円(所得の合計額が200万円未満の場合は所得の合計額の5%)=医療費控除額
同一生計の家族の医療費を負担している場合は、まとめて控除を受けられるため、今一度確かめてみましょう。なお、医療費控除を利用する際は、確定申告を忘れずにおこないましょう。
また、ふるさと納税を利用することでも所得控除額を増やせます。ふるさと納税の金額(寄附金)から2,000円を除いた金額は、所得税と住民税の控除額に充当されます。
ただし、控除できる金額は家族構成や納税者本人の収入によって異なるため、総務省で公表している「全額控除されるふるさと納税額(年間上限)の目安」※をご参考にしてください。
※ 「全額控除されるふるさと納税額(年間上限)の目安」(総務省)
資産運用を始める
すでにある資産を運用して、資産を増やすことも検討してみましょう。
たとえば、NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)などの非課税制度を利用すれば、運用によって得た利益が非課税となるため、効率よく資産を増やせます。ただし、必ずしも資産が増えるとは限らないため、損をするリスクもあることを理解したうえで始めることが大切です。
まとめ

将来設計を考えるうえで、平均年収やご自身の世帯年収を把握しておくことは大切です。総務省のデータによれば、勤労者世帯全体の平均年収は626.8万円ですが、この金額には税金や社会保険料なども含まれているため、実際の手取りはさらに少なくなります。
年収が原因で将来に不安を感じている方は、世帯内で働く人を増やしたり、資産運用をしたりといった方法を検討してみてはいかがでしょうか。
監修者情報
ファイナンシャルプランナー竹国弘城

RAPPORT Consulting Office (ラポール・コンサルティング・オフィス)代表。名古屋大学工学部機械・航空工学科卒業。証券会社、生損保代理店での勤務を経て、ファイナンシャルプランナーとして独立。お金に関する相談や記事の執筆・監修を通じ、自身のお金の問題について自ら考え、行動できるようになってもらうための活動を行う。ミニマリストでもあり、ミニマリズムとマネープランニングを融合したシンプルで豊かな暮らしを提案している。趣味はサウナ(サウナ・スパプロフェッショナル)。
- 資格情報
- 1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP®(日本FP協会認定)
※CFP®、CERTIFIED FINANCIAL PLANNER®、およびサーティファイド ファイナンシャル プランナー®は、米国外においてはFinancial Planning Standards Board Ltd.(FPSB)の登録商標で、FPSBとのライセンス契約の下に、日本国内においてはNPO法人日本FP協会が商標の使用を認めています。
- ※このページの内容は、一般的な情報を掲載したものであり、個別の保険商品の補償/保障内容とは関係がありません。ご契約中の保険商品の補償/保障内容につきましては、ご契約中の保険会社にお問い合わせください。
- ※税制上・社会保険制度の取扱いは、このページの掲載開始日時点の税制・社会保険制度にもとづくもので、全ての情報を網羅するものではありません。将来的に税制の変更により計算方法・税率などが、また、社会保険制度が変わる場合もありますのでご注意ください。なお、個別の税務取扱いについては所轄の税務署または税理士などに、社会保険制度の個別の取扱いについては年金事務所または社会保険労務士などにご確認のうえ、ご自身の責任においてご判断ください。
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(掲載開始日:2025年3月17日)
2501066-2602
楽天インシュアランスプランニング株式会社 金融商品仲介業者 関東財務局長(金仲)第1049号