老後資金の平均額はいくら?必要な生活費の目安や備え方を解説

厚生労働省のデータによると、2007年生まれの半数以上は、107歳より長生きすると推測されています。そんな「人生100年時代」を迎えた今、リタイア後に向けて、老後資金の心配をされている方も多いのではないでしょうか。
長い老後生活を前提に、ゆとりのある生活資金を準備するには、現役のうちから時間をかけて計画的に進めていくことが大切です。しかし、老後資金がどれくらい必要なのか、具体的な目安を知っている方は意外と少ないかもしれません。
この記事では、老後の生活費の目安や受け取る年金額などをもとに、必要な老後資金の考え方や準備する方法をわかりやすく紹介します。
老後資金はいくらあると安心?独身と夫婦で違いはある?

老後資金を考える際には、「老後」が何歳から始まるのかという基準を知る必要があります。しかし、将来のことを具体的に予測するのは誰にとっても難しいかもしれません。
(公財)生命保険文化センターによると、調査対象者のうち34%ほどが「65歳」から老後資金として準備したお金を使い始めると考えているようです※1。個人の状況や考え方によって老後が始まるタイミングは異なりますが、「65歳」は老後資金を考える際のひとつの目安となるでしょう。
また、厚生労働省の「令和5年(2023年)簡易生命表」によると、日本人の平均寿命は男性81.09歳、女性87.14歳です。しかし、65歳時点の平均余命※2は男性19.52歳、女性24.38歳となっているため、65歳の方は平均して男性84.52歳、女性89.38歳まで生きることを意味します※3。
寿命には個人差がありますが、65歳からの老後資金を考える際には、平均してその先20年前後の生活を想定しておく必要があります。
それでは、実際にどのくらいの老後資金が必要なのか、生活費の平均額や年金の受給額などをもとに確認しましょう。
※1 (公財)生命保険文化センター「リスクに備えるための生活設計」
※2 平均余命とは、ある年齢の人が平均してあと何年生きられるかを示す年数のことで、平均寿命とは0歳時点での平均余命のこと。
※3 「『令和5年簡易生命表の概況』1主な年齢の平均余命」(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life23/dl/life23-02.pdf)
65歳以上の世帯に必要とされる生活費の目安
総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)」によると、65歳以上の夫婦ふたり暮らし(無職世帯)の生活費は、1ヵ月あたり平均28万2,497円です。
65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の家計収支
(生活費)28万2,497円 | ||
---|---|---|
(非消費支出) 3万1,538円 |
(消費支出) 25万959円 食料、住居、光熱・水道、家具・家事用品、被服および履物、保健医療、交通・通信、教育、教養娯楽、そのほかの消費支出 |
|
(実収入) 24万4,580円 公的年金などの社会保障給付、そのほか |
3万7,916円不足 |
「家計調査年報(家計収支編)2023年(令和5年)平均結果の概要」(総務省)
(https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/pdf/fies_gaikyo2023.pdf)をもとに楽天インシュアランスプランニング株式会社にて作成
また、同じデータによると、65歳以上のひとり暮らし(無職世帯)の生活費は、1ヵ月あたり平均15万7,673円です※4。
65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の家計収支
生活費 15万7,673円 | ||
---|---|---|
(非消費支出) 1万2,243円 |
(消費支出) 14万5,430円 食料、住居、光熱・水道、家具・家事用品、被服および履物、保健医療、交通・通信、教育、教養娯楽、そのほかの消費支出 |
|
(実収入) 12万6,905円 公的年金などの社会保障給付、そのほか |
3万768円不足 |
「家計調査年報(家計収支編)2023年(令和5年)平均結果の概要」(総務省)
(https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/pdf/fies_gaikyo2023.pdf)をもとに楽天インシュアランスプランニング株式会社にて作成
生活費には食費や住居費、水道光熱費、医療費、通信費、衣服費、娯楽費などが含まれていますが、老後資金としてはほかに、税金や社会保険料などの支出も反映させる必要があります。税金や社会保険料などの1ヵ月あたりの支出は、夫婦ふたり暮らしで3万1,538円、ひとり暮らしで1万2,243円です※4。
ただし、上記の平均額はあくまで目安であり、実際の生活費にはそれぞれのライフスタイルの違いを考慮しなければなりません。たとえば、定期的に外食や旅行を楽しみたいなら、平均額以上の老後資金が必要になるでしょう。
※4 参考:「家計調査年報(家計収支編)2023年(令和5年)平均結果の概要」(総務省)
(https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/pdf/fies_gaikyo2023.pdf)
65歳以上の世帯のおもな収入は公的年金
仕事をリタイアしたあとに始まる老後生活では、公的年金の給付金がおもな収入源となります。
総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)」によると、ふたり暮らしでもひとり暮らしでも、65歳以上の無職世帯では、収入の約9割が公的年金の給付金です。2023年時点で1ヵ月あたりの給付金額は、夫婦ふたり暮らしで平均21万8,441円、ひとり暮らしで平均11万8,230円となっています。
65歳以上の世帯の公的年金の給付金の目安
夫婦ふたり暮らし(無職世帯) | ひとり暮らし(無職世帯) |
---|---|
約21.8万円/月 | 約11.8万円/月 |
ただし、公的年金の受給額は、国民年金か厚生年金かによって、平均額を大きく下回る可能性もあります。
日本年金機構によると、2024年4月以降、夫婦ふたりの標準的な厚生年金の給付金額は23万483円ですが、国民年金(満額)のみの場合、ひとり6万8,000円です。自営業などで国民年金のみに加入している方は、注意が必要です※5。
いずれにせよ、老後資金を公的年金だけに頼ろうとすると、前述のとおり、夫婦世帯で毎月4万円、独身世帯で毎月3万円の生活費が不足すると考えられます。そのため、生活費の不足は資産運用や個人年金、預貯金または就労で賄う必要があります。貯蓄額が十分でない場合、生活に支障が出る恐れもあるため、早めの対策が重要です。
※5 参考:日本年金機構「令和6年4月分からの年金額等について」

FP竹国先生からの
ワンポイントアドバイス
独身の方の場合、病気や介護などに備える資金として、65歳時点で500万円〜1,000万円程度の貯蓄を確保しておきたいところです。病気や介護などに備えるには、医療保険や介護保険などに加入する方法もあります。
また、生活費の不足を補うための貯蓄も必要です。ただし、必要な貯蓄額は個人差が大きく一概にはいえません。普段の生活費は収入の範囲内に収め、なるべく貯蓄に頼らない生活を目指しましょう。
働けるうちは無理のない範囲で働き、年金以外の収入源を確保することも大切です。働くことは社会とのつながりを保つことにもつながります。
いくら必要?老後資金シミュレーションで確認

前述のとおり、老後資金を公的年金だけに頼ると、毎月の生活費に3~4万円ほどの不足が生じ、貯蓄を切り崩して暮らすことになる可能性があります。
とはいえ、家計調査のデータはあくまで目安です。実際に必要となる老後資金は、公的年金の受給額や貯蓄額、ライフスタイルや生活水準、健康状態などによって家庭ごとに異なります。
また、人によっては、退職金や保険金の受け取り、家のリフォーム、病気や介護などの要因で収支が大きく変動し、老後資金に影響を与える場合もあるでしょう。
そのため、老後資金を考える際には、できるだけ具体的にご自身の状況や希望する生活を考慮し、いくら必要かを試算することが大切です。
ここでは、一人ひとり異なる状況を反映して必要な老後資金を算出するために、金融庁「ライフプランシミュレーター」を活用した具体的なシミュレーション例を紹介します※6。
夫婦ふたりの老後資金の場合
夫婦ふたり世帯(子ども1人)で、現在は夫が30歳の会社員、妻が28歳のパートで、65歳から公的年金を受給した場合についてシミュレーションしてみました。

夫(30歳)・妻(28歳)夫婦ふたり世帯の場合
【シミュレーションの条件】
- 本人:会社員、年収500万円(退職金1,500万円、64歳まで勤務)
- 配偶者:パート勤務、年収120万円(パート勤務、退職金なし、64歳まで勤務)
- 子ども:1人(現時点で2歳、国公立進学)
- 住居費:年間120万円(うち60歳で完済予定の住宅ローンは月額8万円)
- 毎月の生活費:25万円
- そのほかの支出:10年おきに車の購入(200万円)、1年おきに旅行費用(30万円)、10年おきに家の修繕費(150万円)
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シミュレーションの結果
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子どもの教育費にお金はかかるものの、夫が64歳まで、妻も64歳まで働くこともあり、現役のうちは順調に貯蓄ができるでしょう。子どもが独立する50歳頃から貯蓄が増え始め、退職金を受け取ったあと4,577万円と貯蓄がピークに達します。
老後は公的年金291万円の収入が支えとなりますが、貯蓄は少しずつ目減りしていき、85歳時点で貯蓄は445万円まで減少します。夫妻とも90歳の時点では、貯蓄が439万円不足する結果となりました。
インフレが進む、子どもの進学先が私立になるなど、事情が変わればさらに貯蓄が減る恐れもあります。貯蓄を維持するには、現役のうちから不要な支出をおさえる、妻が正社員になる、60歳以降も働けるうちは働くなどして収入を増やす工夫が必要になるでしょう。
単身者の老後資金の場合
30歳会社員独身で、65歳から公的年金を受給した場合についてシミュレーションしてみました。

単身世帯(30歳)の場合
【シミュレーションの条件】
- 本人:会社員、年収500万円(退職金:1,500万円、64歳まで勤務)
- 配偶者・子ども:なし
- 住居費:100万円(賃貸)
- 毎月の生活費:20万円
- そのほかの支出:1年おきに旅行費用(30万円)
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シミュレーションの結果
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64歳までの現役時代はゆとりある生活を続けられるものの、退職後の収入は公的年金196万円に頼ることになり、貯蓄3,205万円を切り崩す生活が始まります。もし住居費や生活費が現役時代のまま変わらなければ、80歳時点で貯蓄は100万円まで減少し、その後はマイナスに転じると予測されます。
独身だからといって、給料を全て使い切ってしまうような生活は避けるべきです。老後を迎えてから急に生活水準を下げるのはなかなか難しいものです。また、急な病気や介護などでまとまった出費が生じることもあり、その場合、貯蓄が底をつく時期が早まるかもしれません。
老後のために今の生活を犠牲にするのは本末転倒ですが、現役のうちに老後に備える貯蓄・投資をしておくことが大切です。今回のケースでは、たとえば30歳から支出を月1万円減らし貯蓄に回すことで、貯蓄がマイナスになる時期を86歳まで遅らせることができます。
※6 参考:「ライフプランシミュレーター」(金融庁)
(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/lifeplan-simulator/)を用いて楽天インシュアランスプランニング株式会社にてシミュレーションを作成
老後資金2,000万円問題

2019年、金融審議会が発表した「公的年金以外に老後資金として2,000万円の準備が必要」とする報告書により、いわゆる「老後資金2,000万円問題」として話題になりました。
この報告書の発表から数年経ちましたが、この「2,000万円」は老後資金を考えるきっかけや目標金額の目安として、今も注目されています※7。
同報告書では、高齢夫婦世帯(夫65歳、妻60歳以上の無職世帯)の収入が20万9,198円、支出が26万3,718円であることから、毎月約5.5万円の赤字が生じるとされています。この赤字額をもとに、老後生活が30年続いた場合の不足額として約2,000万円が算出されました※7。
ただし、貯蓄額や家計の状況、ライフスタイルは一人ひとり異なるため、誰でも一律に2,000万円が必要というわけではありません。
昨今、日本でも物価が上昇に転じており、これから老後を迎える方は、生活により多くのお金がかかる可能性があります。このままインフレが続けば、老後資金は「2,000万円」どころか「4,000万円」が必要との試算も出されています。
不測の事態に備えて、老後資金は「生活費」「ライフイベント資金」「備えるお金」の3つに分けたうえで、ゆとりを持って準備しておきましょう。
※7 参考:「金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」」(金融庁)(https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20190603/01.pdf)
老後資金を準備する方法

老後生活によって収入が減っても生活費の不足を補えるように、現役のうちから老後資金の準備を始めておきましょう。
老後資金を準備する方法は、大きく2種類に分かれます。
【老後資金を準備する方法】
- 貯蓄:元本保証のある預貯金で安全・確実にお金を貯めていく方法
- 投資:リスクをともなう商品に資金を投じて、お金を増やしていく方法
上記を踏まえて、老後資金を準備するのにおすすめの方法を4つ紹介します。
①家計を見直して資産を増やす
総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編) 2023年(令和5年)平均結果の概要(二人以上の世帯)」によると、世帯主が65歳以上の2人世帯の貯蓄額は、金融資産を含めた貯蓄保有世帯の平均2,462万円、中央値で1,604万円となります※8。
2人以上の世帯で世帯主が65歳以上の場合、貯蓄額が2,500万円以上の世帯が全体の34.1%を占める一方で、貯蓄額が300万円未満の世帯も全体の15.1%を占めており、十分な貯蓄がないまま老後を迎えている世帯も少なくありません※8。
老後の生活費を支えるのは、収入のほとんどを占める公的年金で、不足分を退職金や現役時代に蓄えた資産(貯蓄)で補います。このうち、ご自身の努力や工夫で増やしやすいのが資産(貯蓄)です。
資産を増やす方法には、普通預金や定期預金などでお金を貯める方法と、株式や投資信託、保険、不動産などに投資してお金を増やす方法があります。
資産を効率よく増やすには、貯蓄や投資に回せる元手を増やす必要があるため、まずは、住居費や水道光熱費、通信費、保険料、サブスクリプションサービスの利用料など、決まって出ていく固定費から家計を見直すことが必要です。
さらに、数年以内に確実に必要な資金は元本保証のある預貯金を基本に、当面使う予定のないお金は金融商品などに投資して運用することで、老後に必要な資産を積み重ねることができるでしょう。
※8 参考:「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2023年(令和5年)平均結果-(二人以上の世帯)」(総務省統計局)(https://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/pdf/2023_gai.pdf)
②iDeCoやNISAを活用する
投資による資産形成は元本保証がないため、元本割れのリスクがありますが、運用成績によっては大きなリターンを得られる可能性があります。
なかでも、iDeCo(個人型確定拠出年金制度)やNISA(少額投資非課税制度)は、非課税による恩恵を受けながら、効率良く老後資金を準備するのに役立つ制度です。
とくに、NISAは2024年から新制度がスタートし注目を集めています。新NISAでは非課税保有期間が無期限となり、非課税で投資できる枠の上限が1,800万円まで拡大しました。実際に新制度に移行してから、NISA口座の数が大きく増えています。
NISAとiDeCoの違いと特徴
NISA(2024年~) | iDeCo | |||
---|---|---|---|---|
つみたて投資枠 | 成長投資枠 | |||
対象年齢 | 18歳以上 | 原則20~65歳未満 | ||
年間投資枠 | 120万円 | 240万円 | 14.4~81.6万円 | |
非課税保有限度額 | 1,800万円(総枠) (うち成長投資枠は1,200万円まで) |
制限なし | ||
対象商品 | 長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託 | 上場株式・投資信託など | 投資信託・保険・預貯金など | |
税制メリット | 積立時 | ー | 全額所得控除の対象 | |
運用時 | 運用益は非課税 | 運用益は非課税 | ||
受取時 | 上場株式の配当金等は非課税(株式数比例配分方式を選択している場合) | 退職所得控除・公的年金等控除の対象 | ||
引出制限 | 制限なし | 原則60歳到達まで引出不可 |
● 上記のNISAは2024年1月から開始した制度の概要で、2024年12月時点のものです。
● 国民年金の第2号被保険者、第1号・第3号被保険者で国民年金に任意加入している方、海外居住で国民年金に任意加入している方は65歳未満まで加入できます。
● 会社員や自営業、パート、専業主婦(夫)などの職業、加入中の年金制度により上限金額が異なります。
● 複数の条件を満たしたときに限り、iDeCoの解約をもってそれまでの掛金を脱退一時金として受け取ることができますが、あくまで例外的なケースです。
●「NISAを知る」(金融庁)(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/know/index.html)
「iDeCo公式サイト」(国民年金基金連合会)(https://www.ideco-koushiki.jp/)
「iDeCoとNISA」(https://www.mhlw.go.jp/content/001147967.pdf)をもとに楽天インシュアランスプランニング株式会社にて作成
老後資金に焦点をしぼった資産形成ならiDeCo、「ご自身で運用商品を選びたい」、「いざというときは自由に引き出したい」という方はNISAというように、それぞれのしくみを理解したうえで上手に活用しましょう。
③個人年金保険に加入する
預貯金をコツコツ続けるのが苦手、投資のリスクが心配という方には、個人年金保険への加入もおすすめです。個人年金保険とは、保険料として毎月一定額を積み立てると、将来に年金(あるいはまとまった一時金)として受け取ることができる保険です。
なお、年金の受け取り期間は保険会社によって異なります。保険商品のため、病気やケガ、死亡など不測の事態にも備えられる点がメリットです。
個人年金保険は資産形成に特化した保険商品であり、年金受け取り開始前に被保険者が亡くなった場合、それまでに払込んだ保険料相当額が死亡保険金として支払われる商品が一般的です。
さらに払込んだ保険料は所得控除(生命保険料控除)の対象となり、確定申告や年末調整をおこなうことで控除を受けられます。
(公財)生命保険文化センターの調査によると、2022年時点で5人に1人は個人年金保険に加入しているとのデータがあり、多くの方が老後資金を形成する手段として利用していることが伺えます※9。
④終身保険に加入する
死亡保障を確保しながら、リスクをおさえて預貯金よりも効率的に資産形成を図る手段として、保険商品のひとつである終身保険も活用されています。
終身保険とは、その名のとおり、死亡保障が一生涯続く保険です。保険加入中に被保険者に万が一のことがあった場合、のこされた家族に保険金が支払われます。
なかには、生存中に定期的に生存給付金を受け取ることができる商品もあります。さらに途中で保険を解約した場合には解約返戻金が支払われることが一般的で、生前に老後資金などとして利用することも可能です。
終身保険には、以下の2つのタイプがあります。
- 定額タイプ:将来受け取る保険金額があらかじめ決まっている定額タイプ
- 変額タイプ:運用成績に応じて将来受け取る保険金額が変わる変額タイプ
変額タイプは、払込んだ保険料の一部を投資信託などで運用し、その運用成績によって保険金額や解約返戻金額が変動します。運用が好調であれば受け取り額を増やせますが、運用が不調の場合、解約返戻金額が払込んだ保険料相当額を下回るリスクがあります。
なお、死亡保険金額には、運用成果に関係なく保障が設けられている商品が一般的です。
まとめ

老後資金を考える際には、老後の主たる収入となる公的年金の受給額、退職金、貯蓄がどれくらいになるのか、おおまかな目安を把握することから始めましょう。その上で生活費や不測の事態に備えるべき金額を設定し、現役のうちから少しずつ貯蓄を進めることが大切です。
会社員と自営業、夫婦ふたり暮らしとひとり暮らし、持ち家と賃貸の違いなどにより、老後の収支は人によってさまざまです。ご自身の状況や希望するライフスタイルにあわせて、できるだけ具体的に資金のシミュレーションをしておくと安心です。
また、老後資金を貯蓄で備える方法には、預貯金、iDeCoやNISAなどの投資、個人年金保険や終身保険への加入などがあります。家計に無理のない範囲で、リスクやリターンを考慮しながら、いくつかの方法を組み合わせると良いでしょう。
監修者情報
ファイナンシャルプランナー竹国弘城

RAPPORT Consulting Office (ラポール・コンサルティング・オフィス)代表。名古屋大学工学部機械・航空工学科卒業。証券会社、生損保代理店での勤務を経て、ファイナンシャルプランナーとして独立。お金に関する相談や記事の執筆・監修を通じ、自身のお金の問題について自ら考え、行動できるようになってもらうための活動を行う。ミニマリストでもあり、ミニマリズムとマネープランニングを融合したシンプルで豊かな暮らしを提案している。趣味はサウナ(サウナ・スパプロフェッショナル)。
- 資格情報
- 1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP®(日本FP協会認定)
※CFP®、CERTIFIED FINANCIAL PLANNER®、およびサーティファイド ファイナンシャル プランナー®は、米国外においてはFinancial Planning Standards Board Ltd.(FPSB)の登録商標で、FPSBとのライセンス契約の下に、日本国内においてはNPO法人日本FP協会が商標の使用を認めています。
- ※このページの内容は、一般的な情報を掲載したものであり、個別の保険商品の補償/保障内容とは関係がありません。ご契約中の保険商品の補償/保障内容につきましては、ご契約中の保険会社にお問い合わせください。
- ※税制上・社会保険制度の取扱いは、このページの掲載開始日時点の税制・社会保険制度にもとづくもので、全ての情報を網羅するものではありません。将来的に税制の変更により計算方法・税率などが、また、社会保険制度が変わる場合もありますのでご注意ください。なお、個別の税務取扱いについては所轄の税務署または税理士などに、社会保険制度の個別の取扱いについては年金事務所または社会保険労務士などにご確認のうえ、ご自身の責任においてご判断ください。
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(掲載開始日:2025年3月17日)
2501065-2602
楽天インシュアランスプランニング株式会社 金融商品仲介業者 関東財務局長(金仲)第1049号