生命保険、こんなことも知っておこう生命保険でお金を借りられる?
<契約者貸付は解約返戻金がある保険で利用できる>
契約者貸付とは、加入している保険の解約返戻金の一定範囲内でお金を借りることができる制度です。貸付を受けている間も、保障は変わりなく継続します。利用できるのは終身保険、養老保険、個人年金保険など、解約返戻金がある保険を契約している場合です。また、逓増定期保険や長期平準定期保険なども、解約返戻金が貯まっていれば利用できます。
<いくら借りられる?利息は?>
契約者貸付で借りることができる金額は、加入時期や保険種類によって異なります。概ね解約返戻金の50%から90%の範囲内で、1,000円あるいは1万円以上で1,000円単位などと決められています。
貸付金には利息がかかります。利率は、保険会社や加入した時期、保険の種類などにより決められています。一般的に、予定利率(※)の高い時に加入したものは貸付利率は高くなります。例えばある保険会社では1994年4月1日以前の契約では年5.75%、1999年4月2日以降の契約では3.00%の利率になっています。
※予定利率:保険料を算出する時には、資産運用で見込める収益を予定して、その収益の分だけ保険料を割引きますが、その際に使う利率のことを言います。
<返済方法は一括返済、一部返済など自由度が高い>
貸付金の返済は、自由度が高く、全額を一括返済、利息額だけを返済のほか、返済できる時に一部返済することもできます。保険期間が終了するまで返済しないことも可能ですが、未返済額がある状態で満期を迎えたり、死亡保険金が支払われることになった場合には、満期保険金や死亡保険金から未返済の貸付金元金と利息が差し引かれます。
<契約者貸付の申し込み方法>
契約者貸付の一般的な申込みの流れは下図の通りですが、契約者貸付を受けるには保険会社へ所定の書類を提出する必要があります。申込書が保険会社に到着してから数日から1週間程度で、指定の銀行に貸付金が振り込まれます。また、保険会社のカードを持っていると、提携金融機関のATMやインターネットの専用ページから貸付を申し込むこともでき、この場合は最短で翌日には貸付金が振り込まれます。
- 契約者貸付の申込方法(一般的な例)
-
証券番号の用意
(保険証券)申込書類の
取寄せ・記入保険会社へ
申込書類を発送手続き完了・貸付金の振込
(返済用振込用紙受取)
<契約者貸付の使い方と注意点>
契約者貸付は、一時的に生活費を補填したい、急にまとまった資金が必要になったなどの場合に、保険を解約せずに、保障を継続しながら資金準備できるのがメリットです。銀行からお金を借りる時のように審査も必要なく、比較的短期間で借りることができます。ただし、契約して間もないと解約返戻金が少なく、貸付が受けられないこともあるので、まずはいくらまで貸付を受けることができるか確認しましょう。
また、貸付金と利息の合計が解約返戻金の額を超えてしまった場合には、保険会社の指定期日までに元利金を返済しないと保険契約が無くなってしまうこともあります。契約が継続していても、未返済額があると受取る給付金や保険金が減ってしまい、保険に加入した当初の目的には不足してしまう可能性もあるでしょう。
契約者貸付は簡単な手続きでお金を借りられる仕組みですが、このようなデメリットもあります。返済が遅れれば利息も増えてしまいますので、契約者貸付はあくまでも一時的利用とし、返済計画も立てたうえで利用すると良いでしょう。
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