知っておきたい生命保険の種類逓増定期保険
<保険金額が5倍に増える定期保険>
逓増定期保険は、保険金額が次第に増えていく(逓増する)定期保険で、死亡・高度障害状態(※)になった場合に保険金を受け取れます。保険料は保険期間満了まで一定ですが、将来に向けて保険金額が逓増していくため、通常の定期保険よりも高くなります。
保険金額の増え方は、保険会社によって異なります。保険期間は、契約時の保険金額のまま逓増しない「前期」と、保険金額が逓増する「後期」に分けられます。前期は3年から20年までの間で決められた年数を選び、後期には10%・30%・50%などの割合で保険金額が逓増していく仕組みです。その他、「前期」「後期」を分けずに、契約当初から5%・10%など一定割合で逓増していくものもあります。いずれの場合も増加する保険金額は、契約時の保険金額(基本保険金額)の5倍が限度です。例えば、基本保険金額を1億円で契約すると、保険金額は最高でも5億円までとなります。
また、解約返戻金があるのも特徴です。通常の保険期間が短い定期保険は、途中で解約した場合の解約返戻金は無いかあってもわずかな金額ですが、逓増定期保険は年数が経過するに従い解約返戻金が増えます。ただし、保険期間満了時には解約返戻金はゼロになります。
※高度障害とは、「両目の視力を完全に失う」「両腕あるいは両足を失う」など、保険会社が約款で定めた障害状態を言います。身体障害者福祉法で定められた身体障害等級とは異なります。
<主に法人契約で経営者の死亡保障に利用される>
逓増定期保険は、個人の死亡保障よりも、主に会社の経営者・役員の死亡保障や退職金作りとして利用されています。
会社の業績が順調に伸びていけば、万が一のときの経営者への保障や、会社を継続するために必要な資金も増えていくので、死亡時の保険金額が増えていく逓増定期保険が適しています。また、経営者の勇退時や役員の退職時に解約返戻金のピークを合わせて契約することで、解約返戻金を退職金としても利用できます。
会社が契約者(法人契約と言います)、役員を被保険者として契約して要件を満たせば、払い込んだ保険料の2分の1など一定割合を経費処理できるため、利益を圧縮することによる節税効果もあります。
- 逓増定期保険のイメージ図
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