犬の目やにが気になる!白い粘りの原因や対処法を紹介

飼い主に目やにをとってもらっている犬
公開日:2025年6月11日

犬の目に、ゼリー状や糸状などの白く粘り気のある目やにが付いていることがあります。目やにはアレルギーやドライアイ、新陳代謝が原因で生じることもあり、必ずしも病気とは判断できません。

この記事では、犬の目やにをそのまま放置しても大丈夫なケース、放置してはいけないケースの見分け方を紹介します。また、考えられる病気、対処法についても解説するので、ぜひ参考にしてください。

白い粘りは放置しても良い目やに?見分け方を解説

飼い主になでられている犬

犬の目やにとは、目に入ったゴミや老廃物が涙で固まったもののことです。通常は白色ですが、白以外の色をした目やにや、片目だけに付いている場合もあります。

以下では、動物病院を受診すべき目やにと、心配しなくて良い目やにのおおよその見分け方を紹介します。ただし、心配しなくて良いと思われる目やにでも、不安に感じる場合は動物病院に相談しましょう。

動物病院を受診すべき目やに

次のような目やにがみられるときは、動物病院の受診をおすすめします。

【目やにで動物病院を受診したほうがよいケース】

  • 目やにの量が増えている
  • 目やにの色がいつもと違う
  • 目やにが黄色もしくは緑色
  • 目やにから嫌なにおいがする
  • 目やにに血液が混ざっている
  • 目やにがネバネバしている
  • 目やにが固い
  • 目に充血がみられる
  • 涙の量が増えた
  • 目を痛そうにしている

犬の目やにが黄色い、もしくは緑色の場合は、細菌感染や炎症などの可能性があります。上記で紹介した状態の目やにが生じた場合は、犬の目の病気が考えられるため、動物病院の受診を検討してください。

心配しなくて良い目やに

白や茶色、黒、グレーの目やにが出ているときや、量が少ないときは、新陳代謝による正常な目やにと考えられます。

また、目やにを確認する際には、黒目や白目に変色や濁りがないかも確認してください。犬の目が白い、濁りがあるなどの異常がみられるときや不安なときは、動物病院を受診しましょう。

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犬の目やにの原因とは?

目やにがでている犬

犬の目やには次のような原因から生じます。

【犬の目やにの原因】

  • アレルギー
  • ドライアイ(乾性角結膜炎)
  • 眼瞼内反症、外反症(逆さまつげ)
  • 白内障
  • 角膜炎、角膜潰瘍
  • 結膜炎

病気由来の場合は、早めに動物病院を受診することが大切です。以下で、それぞれの原因を解説します。

アレルギー

食べ物やハウスダスト、ノミ、ダニ、花粉などによってアレルギー症状が生じている可能性があります。

アレルギー症状から結膜炎を引き起こすこともあるため、病院を受診して早めにアレルギーの原因を特定し、対処しましょう。

ドライアイ(乾性角結膜炎)

ドライアイとは、涙の分泌量が減少し、角膜が乾燥する症状です。膿状で粘りのある目やにが出やすくなるだけでなく、角膜損傷や感染症のおそれもあります。

とくに、チワワ、フレンチブルドッグ、パグ、アメリカンコッカースパニエルなどの犬種は、乾性角結膜炎に罹患しやすいため注意が必要です。

眼瞼内反症、外反症(逆さまつげ)

眼瞼内反症はまぶたが内側に、外反症はまぶたが外側にめくれた状態になることです。まつ毛やほこりなどが目に入りやすくなり、目やにの原因となる可能性もあります。

先天性眼瞼内反症や先天性外反症は遺伝性で、とくに、アメリカンコッカースパニエルやゴールデンレトリバー、チャウチャウ、ブルドッグ、ラブラドールレトリバーなどに、生まれつきよくみられる症状です。

また、事故や病気などでまぶたがめくれ、後天的に眼瞼内反症や外反症になるケースもあります。

白内障

白内障によって目やにが出ているケースもあります。なお、通常白内障だけでは目やには出ません。目やにがみられた場合には合併症を起こしている可能性があるため早めに動物病院を受診しましょう。

また、目やにが出ると老廃物が目の周りに溜まりやすくなり、清潔さを保つのが難しくなってしまいます。気になる場合は動物病院で相談し、目薬などを処方してもらうのもひとつの方法です。

角膜炎、角膜潰瘍

角膜炎とは、角膜に炎症が生じた状態です。放置すると角膜炎の症状が進行し、角膜に傷がついて角膜潰瘍に転じる恐れがあります。

また、角膜炎に罹患すると、眼球周辺に黄色や緑色の目やにが増えるだけでなく、まぶしそうに眼を閉じる、白目が赤くなる、黒目が濁るといった症状がみられることもあります。

目をしょぼしょぼさせる、白目の充血、涙や目やにの増加などの症状がみられる場合には、角膜潰瘍が疑われるため、早めに動物病院を受診してください。

結膜炎

結膜炎とは、まぶたの内側にある結膜に炎症が生じた状態のことです。感染性と非感染性のケースがあり、ほこりが目に入るなどのアレルギー反応によって生じるケースがあります。

目やにが増えたときは、結膜炎による症状のおそれもあるため、早めに動物病院に行き相談しましょう。

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自宅でできる犬の目やにケア方法とは?

飼い主に目のまわりの汚れを拭かれている犬

愛犬が目やにで不快そうにしているときは、ケアをして原因を取り除いてあげましょう。

以下では、無理のない範囲で飼い主さんができるケア方法を紹介します。また、動物病院から目薬が処方されている場合は適切に点眼をし、必要に応じてケアも実施してください。

ガーゼやコットンで目やにを拭き取る

柔らかい布やガーゼなどで優しく目やにを拭き取ります。犬が嫌がって取らせてくれない場合は、無理に引っ張らないようにしてください。ふいに犬が動いた際などに眼球を傷つける恐れがあります。

布やガーゼは湿らせて使うと、目やにがふやけて柔らかくなり、取りやすくなるでしょう。また、目やにがついていなくても、外出先から帰った際などに目の周りを濡れた布で優しく拭き取るようにしてください。こまめに拭くことで、ほこりが目に入り込むのを防げます。

犬の目やにの取り方や拭き方は、子犬からシニア犬(老犬)まで同じ方法で問題ありません。ただし、子犬やシニア犬は、目元をふき取る際に嫌がり暴れることがあるため、無理にふき取ることは避けてください。

目の周りの毛を短く切る

目の周りの毛が入ると、目やにが出やすくなる場合があります。長毛種はこまめにトリミングを実施し、毛が目に入らないようにしてください。

犬の生活環境を見直す

アレルギーによって、目やにが出ている可能性もあります。愛犬の周りにアレルギーの原因がないか確認してみましょう。

また、犬の周辺環境を清潔に保つことや、こまめに爪を切ること、栄養バランスの取れた食事なども愛犬の健康を保つうえで重要です。

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目やにが出ている犬にしてはいけない対応とは?

2本の目薬

以下で、目やにが出ているときにしてはいけない対応を紹介します。気になる様子が見られるときは、早めに動物病院を受診し、相談してください。

人間用の目薬を使用する

目薬は、動物病院で処方してもらった犬用のものだけを使用しましょう。人間用や市販の目薬を使うと、症状を悪化させるだけでなく、別の病気を誘発する可能性があります。

清潔ではない手や布で無理やり目やにを取る

目やにを取るときは、まずは飼い主さんの手を丁寧に洗い、清潔な布を使うようにしてください。清潔ではない手や布で目やにを取ると、目に雑菌が入って炎症が起きたり症状が悪化したりする場合もあります。

また、目やにを無理やり引っ張ると、眼球を傷つける恐れがあるため、目やにが取れないときは動物病院に相談してください。かゆみや不快感から犬が目を引っかきそうなしぐさをみせるときは、エリザベスカラーを装着するのもひとつの方法です。

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こまめな観察で犬が快適に暮らせるようにサポートしよう

目薬を差してもらっている犬

目やにの原因によっては、かゆみや不快感が生じる恐れも考えられます。愛犬が快適に生活するためにも、早期に原因を突き止め、目薬などで適切に処置をすることが大切です。

また、犬の目のトラブルを防ぐためには、目の清潔を保つことや栄養バランスが考えられた食事も重要なポイントです。愛犬をこまめに観察してケアを実施したり、栄養バランスのとれた食事を与えたり、定期的に動物病院に連れて行って健康診断を受けたりすることでサポートしていきましょう。

なお、治療が長引くときや入院・手術の際には高額な費用がかかるかもしれません。動物病院の診療費が気になる場合は、ペット保険への加入がおすすめです。ペット保険に加入しておくことで、診療費の負担が軽減される場合があります。

どのペット保険にするか迷ったときは、比較サイトを利用してみましょう。保険の比較サイトなら、複数のペット保険の情報を一覧で見比べることができるので、愛犬に適した保険を効率良く探すことができます。


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まとめ

パソコンを操作する飼い主の隣に座る犬

犬の目やには、アレルギーや加齢、病気などさまざまな原因で生じます。愛犬の目を守るためにも、こまめに観察して丁寧なケアを心がけましょう。また、不安な場合は動物病院へ相談に行くこともおすすめです。

なお、ペット保険に加入すると、診療費の負担を軽減しやすくなります。治療が長引くときや入院・手術が必要になるときは、想定以上の費用がかかるかもしれません。ペット保険に加入し、いざというときに備えておきましょう。ペット保険選びの際は、比較サイトを利用してご自身に合う保険を選んでください。

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監修者情報

丸田まるた香緒里かおり

丸田香緒里

Animal Life Partner院長、往診獣医師協会代表。獣医師。日本大学卒業。動物病院勤務後「人も動物も幸せな生活が送れるためのサポート」をモットーにAnimal Life Partner設立。獣医中医師、ペット栄養管理士など様々な資格を生かし、病院での診療のほか、シニアケアや飼い主の心のケアにより力を入れた往診診療をおこなう。
著書:「犬のいる暮らし 一生パートナーでいるために知っておきたいこと」(池田書店)

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  • このページの内容は、一般的な情報を掲載したものであり、個別の保険商品の補償/保障内容とは関係がありません。ご契約中の保険商品の補償/保障内容につきましては、ご契約中の保険会社にお問い合わせください。
  • 税制上・社会保険制度の取扱いは、このページの掲載開始日時点の税制・社会保険制度にもとづくもので、全ての情報を網羅するものではありません。将来的に税制の変更により計算方法・税率などが、また、社会保険制度が変わる場合もありますのでご注意ください。なお、個別の税務取扱いについては所轄の税務署または税理士などに、社会保険制度の個別の取扱いについては年金事務所または社会保険労務士などにご確認のうえ、ご自身の責任においてご判断ください。

(掲載開始日:2025年6月11日)
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