火災保険請求(申請)の方法を詳しく解説!必要な書類や注意点の紹介も

火災保険請求(申請)の方法を詳しく解説!必要な書類や注意点の紹介も
公開日:2023年5月15日

火災などにより損害が生じた場合、加入している火災保険の補償対象であれば保険金を受け取ることができます。しかし、待っているだけでは補償は受けられません。適切に請求手続きをおこない、受理されることで保険金を受け取ることができます。
この記事では、どのように火災保険の保険金請求手続きをするのか、具体的に解説します。請求時の必要書類や入手先、注意するポイントについても紹介します。

火災保険請求(申請)とは?

火災や風災などにより住宅や家財に損害が生じたときには、火災保険から保険金が支払われます。ただし、加入している内容によって、補償範囲が異なるため注意が必要です。

たとえば、火災だけでなく床上浸水などの水災や落下物、水漏れなどによる損害に対しても契約内容次第では補償を受けられます。加入している火災保険の保険証券などを確認し、補償を受けられる事由に該当するときは適切に保険請求の手続きを進めていきましょう。

火災保険の請求(申請)サポートをおこなう代行業者

火災保険の請求手続きの方法は後述しますが、準備する書類も多く、慣れていないと手間や時間がかかることもあります。近年、火災保険請求のサポートをおこなう代行業者も多く、なかには利用を検討している方もいるかもしれません。

しかし、代行業者にサポートを依頼するときは、業者を適切に見極めることが大切です。実際、保険金の3割を報酬として請求する代行業者に、外壁などの修理で火災保険の請求のサポートを依頼したところ、高額な報酬を代行業者に支払ったことで残ったお金では修理できなかったというトラブルもありました。インターネット広告などの情報だけで判断して、代行業者を利用しないようにしましょう。

火災保険の保険金を受け取るときは、まずはご自身で保険会社に連絡し、保険金の請求手続きをおこなうことをおすすめします。書類の準備などが難しいと感じるときは保険会社に直接相談しましょう。

各保険会社では、利用者がスムーズに保険金を受け取るためのサポートを実施しています。トラブルを未然に防ぐためにも、ご自身で請求手続きをするようにしましょう。

火災保険請求(申請)の対象条件

火災保険に加入している場合、以下の被害に対して保険金を請求できることがあります。総合的に補償するタイプ(住宅総合保険)はこちらの被害全て 保険金を請求できますが、ベーシックな補償のタイプ(住宅火災保険)など、契約内容によっては請求できない被害もあるため注意が必要です。

火災保険の補償内容

住宅総合保険 住宅火災保険
火災
落雷
爆発や破裂
風災・雹(ひょう)災・雪災
一部、自己負担額が発生する場合もあり

一部、自己負担額が発生する場合もあり
水災
一部、自己負担額が発生する場合もあり
飛来物・落下物・自動車などによる衝突
給排水設備の事故などによる水漏れ
騒じょう等による暴行
盗難

出典:一般社団法人 日本損害保険協会「損害保険とは?」

ただし、以下のようなケースでは保険金を請求できません。請求手続きをおこなう前にご自身で補償範囲を確認するか、わからない場合は保険会社に問い合わせて確認しておきましょう。

  • 建物のみを保険対象としているときの家財の被害
  • 補償限度額を超える高額な貴金属等※1の損害
  • 経年劣化による損害
  • 自然発熱による損害※2

※11個または1組の再取得価額が30万円超の貴金属・宝石・書画・骨董・彫刻物・その他の美術品。ただし、明記物件として申告している場合には、補償対象となることがあります。

※2自然発熱とは、人が熱を加えていない状況から発熱・発火してしまうこと。油が空気に触れて酸化したり、発酵したりすることで発生する場合があります。

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ご自身で火災保険を請求(申請)する方法・手順や流れ

火災保険に加入していても、保険金を自動的に受け取ることはできません。各保険会社によって異なりますが、火災などで損害を受けたときは以下の手順を参考に保険金を請求しましょう。

  • 保険会社へ連絡をする
  • 工事見積書・報告書・被害写真などを用意する
  • 必要書類を保険会社へ提出する
  • 保険会社による審査対応
  • 結果の通知・承認

それぞれの手順をわかりやすく解説します。

①保険会社へ連絡をする

火災保険で補償される事故が起きたときは、すぐに保険会社に電話で連絡しましょう。その際、契約者の氏名や保険証券番号、事故が発生した日時や場所、原因、状況、損害の程度、届出官公署名・担当官名、修理業者名・電話番号などを尋ねられます。

スムーズに答えられるように、手もとに保険証券と事故の状況を整理したメモなどを準備してから電話しましょう。また、保険会社によってはインターネットから保険金請求の手続きができることもあります。

②工事見積書・報告書・被害写真などを用意する

保険会社に連絡した後は、電話やインターネットで報告した内容を証明する書類を準備します。たとえば、被害の程度がわかる写真や工事見積書などの提出を求められます。提出を求められる書類については、後で詳しく解説します。

お電話やインターネットから問い合わせをすると、必要書類等の案内があるため、気になる点があればそのときに確認しましょう。

③必要書類を保険会社へ提出する

必要書類を保険会社に提出します。保険会社ごとに必要とされる書類やフォームが異なるため、間違いがないか確認しましょう。

また、提出漏れや書類の不備があると保険金の支払いが遅れる原因になります。

④保険会社による審査対応

提出した書類などをもとに、保険会社が審査を実施します。また、現場鑑定人による現地調査が実施されることもあります。審査や調査の結果によって保険金の給付可否や保険金額などが決まります。

被害程度などをより詳細に知るために、追加書類の提出を要求されることもあります。その際は、できる限り迅速に対応しましょう。

⑤結果の通知・承認

保険金の給付可否、保険金額などが契約者に通知されます。結果に納得した場合は承認し、保険金受け取りの手続きをおこないましょう。保険会社による質権者への確認後、受給が可能になります。なお、受け取るための手続きについても、結果と一緒に通知されることがあります。

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火災保険請求(申請)の必要書類

保険金申請の際には、一般的に以下の書類の提出を求められます。

  • 保険金請求書
  • 事故状況説明書
  • 被害状況がわかる写真
  • 工事見積書
  • 損害証明書・罹災証明書
  • 建物登記簿謄本 (登記事項証明書)
  • 印鑑証明書

必要な書類は保険会社や損害の原因などによって異なる場合があります。保険会社へ事故発生の連絡をする際に確認しておきましょう。

保険金請求書

保険金請求書とは、保険金請求の意思を示す書類です。保険会社によってフォームが決まっているため、保険会社に連絡して送付してもらうか、ウェブサイトからダウンロードしましょう。

保険金請求書には、保険金の振込先口座情報や、ほかの保険への加入有無についても記載する欄があることが一般的です。正確かつ正直に記入しましょう。

事故状況説明書

事故状況説明書とは、事故の内容や被害の程度を説明するための書類です。これも保険金請求書と同じく、保険会社によってフォームが決まっています。保険会社に連絡して送付してもらうか、ウェブサイトからダウンロードしましょう。また、記入する内容について不明点があるときは、保険会社に直接問い合わせましょう。

被害状況がわかる写真

被害状況や建物の全体がわかる写真なども求められます。屋根のうえなどの高所、写真撮影が難しい場所などについては、修理業者などの専門家に撮影してもらいましょう。

また、被害状況がよくわかるように、被災した後、修理や片付けの前に写真を撮っておくことも重要です。

工事見積書

修理業者に修繕見積書を作成してもらい、保険会社に提出します。修理内容や部品材料の数量・単価などの内訳が確認できる詳細な見積書を準備しましょう。

損害証明書・罹災証明書

損害証明書とは、家財や備品などの損害額を示す書類です。保険会社によってフォームが異なるため、送付してもらうか、ダウンロードしておきましょう。

なお、火災のときは消防署、水災のときは市区町村が発行する罹災証明書も必要になります。罹災証明書とは、火災以外の自然災害による家屋の倒壊などの被害にあったときに、災害対策基本法にもとづき市区町村が発行する証明書のことです。

建物登記簿謄本(登記事項証明書)

火災保険の対象が建物かつ全損になったときなどは、建物登記簿謄本の提出も求められることがあります。なお、建物登記簿謄本は、建物の所有者や所在地の確認に用いる書類であり法務局で発行します。

印鑑証明書

保険金請求人の本人確認のために提出します。保険金請求書の押印欄には、印鑑証明書と同じ印(実印)を押印します。

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ご自身で火災保険請求(申請)をする際の注意点

ご自身で火災保険請求(申請)をする際の注意点

ご自身で火災保険請求をするときは、保険会社の現場鑑定人に事故日や事故原因をしっかりと伝えることが大切です。また、次の2点にも注意して請求手続きを進めていきましょう。

  • 被害に遭ったら早く請求(申請)する
  • 書類に不備がないようにする

それぞれの注意点について、わかりやすく解説します。

被害に遭ったら早く請求(申請)する

被害に遭ったときは、早く請求することが大切です。時間が経過すると、火災などの災害による被害なのか、経年劣化なのか区別しにくくなり、経年劣化と判断されると保険金を受け取ることができなくなることがあります。

また、時間や被害状況の判別が難しいときには、保険金の支払いまでに時間を要してしまいます。被災後、落ち着き次第すぐに被害状況の証拠となる写真を撮影し、できる限り早く保険会社に請求手続きをおこないましょう。

書類に不備がないようにする

書類に不備があると、保険会社が審査を進めることができず、保険金受給までに時間がかかってしまいます。できるだけスムーズに保険金を受け取るためにも、不備がないように確認してから請求するようにしましょう。

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火災保険請求(申請)の支払い対象外と判断された場合の対処法

保険金の請求をしたものの、支払い対象外と判断された場合や、保険金額が減額された場合は、保険会社の相談窓口に相談しましょう。状況によっては、再審査を実施してもらえる可能性があります。

再審査を実施するときは、追加書類の提出を求められることがあります。正しい書類を提出し、再審査がスムーズに進むようにしましょう。

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まとめ

保険金請求の手続きや必要な書類は、保険会社や損害の原因によって異なることがあります。不明点があるときは保険会社に問い合わせて、適切に手続きを進めていくことが大切です。

また、書類が適切でないときや入力内容に誤りや漏れがあるときは、書類のやり取りだけでも時間がかかってしまいます。一度で手続きを済ませるためにも、保険会社に確認しながら進めていきましょう。

なお、これから火災保険に加入する、あるいは別の保険会社に変更したい、という方は比較サイトで検討するとよいでしょう。複数の保険商品から、保険料や保障内容を比較して、ご自身にあった保険を選ぶことがます。

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なお、ご自身で調べたもののよくわからない、という場合には保険アドバイザーに相談することもできます。

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監修者情報

ファイナンシャルプランナー竹国たけくに弘城ひろき

竹国 弘城

RAPPORT Consulting Office (ラポール・コンサルティング・オフィス)代表。名古屋大学工学部機械・航空工学科卒業。証券会社、生損保代理店での勤務を経て、ファイナンシャルプランナーとして独立。お金に関する相談や記事の執筆・監修を通じ、自身のお金の問題について自ら考え、行動できるようになってもらうための活動を行う。ミニマリストでもあり、ミニマリズムとマネープランニングを融合したシンプルで豊かな暮らしを提案している。趣味はサウナ(サウナ・スパプロフェッショナル)。

資格情報
1級ファイナンシャルプランニング技能士、日本FP協会会員(CFP®)
HP
https://www.rapportco.com

CFP®、CERTIFIED FINANCIAL PLANNER®、およびサーティファイド ファイナンシャル プランナー®は、米国外においてはFinancial Planning Standards Board Ltd.(FPSB)の登録商標で、FPSBとのライセンス契約の下に、日本国内においてはNPO法人日本FP協会が商標の使用を認めています。

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  • このページの内容は、一般的な情報を掲載したものであり、個別の保険商品の補償/保障内容とは関係がありません。ご契約中の保険商品の補償/保障内容につきましては、ご契約中の保険会社にお問い合わせください。
  • 税制上・社会保険制度の取扱いは、このページの掲載開始日時点の税制・社会保険制度にもとづくもので、全ての情報を網羅するものではありません。将来的に税制の変更により計算方法・税率などが、また、社会保険制度が変わる場合もありますのでご注意ください。なお、個別の税務取扱いについては所轄の税務署または税理士などに、社会保険制度の個別の取扱いについては年金事務所または社会保険労務士などにご確認のうえ、ご自身の責任においてご判断ください。

(掲載開始日:2023年5月15日)
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