ゴルフ保険(ゴルファー保険)はクラブ破損を補償する?保険金額などを解説
ゴルフのプレー中にはクラブが折れてしまうなどゴルフ用品が破損するケースがあります。とりわけゴルフクラブは、グリップとヘッドをつなぐシャフトが折れたり曲がったりしやすいとされている部分であり、壊れてしまうことの多いものです。
ゴルフ保険(ゴルファー保険)では、クラブが破損した場合に修理費用や購入費用を補償する「ゴルフ用品補償」が含まれていたり、特約で付帯できたりする場合があります。ゴルフ用品補償があれば、お気に入りのクラブを破損してしまった場合でも費用負担が軽減できる可能性があります。
この記事では、ゴルフ保険の補償のひとつであるゴルフ用品補償の概要や補償される保険金額、クラブが破損したときの保険請求手続きの方法について解説します。注意点も解説しているため、ぜひ参考にしてください。
クラブ破損などを補償する「ゴルフ用品補償」とは?
ゴルフのプレー中にクラブが破損・曲損した場合やゴルフ用品(クラブ・バッグ・被服類など)が盗難にあった場合などにはゴルフ保険の「ゴルフ用品補償」で損害補償が受けられます。ゴルフ用品補償の呼称は、携行品損害特約やゴルフ用品損害特約など保険会社によって異なります。
ゴルフ用品補償は、ゴルフ場やゴルフ練習場の敷地内など、プレーする場所も保険適用されるかどうかの判断の目安となります。たとえば、ゴルフ場でプレー中に誤ってゴルフクラブを折ってしまった、ゴルフ練習場でゴルフバッグが盗難にあったなどのケースが補償の対象です。
保険会社によって違いはありますが、対象となる損害を被った場合、ゴルフ用品保険金額を上限に修理費用や購入費用の補償が受けられます。
なお、ゴルフ保険の契約者や被保険者が故意、または重大な過失を起こして被った損害は、補償の対象外となるため注意しましょう。そのほか、ゴルフボールのみの盗難やゴルフ用品の自然消耗、性質による変色や変質、紛失や置き忘れによる損害も補償の対象外です。
ゴルフ保険の詳細について知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
ゴルフ保険で補償されるクラブ破損の保険金額は?
ゴルフ保険のゴルフ用品補償で補償される金額は、「時価額」が基準です。
時価額とは、破損したクラブと同等の商品を新規で購入する金額から消耗分を差し引いた金額です。修理が可能な場合は、時価額と修理費を比較して低い金額が限度となるケースもあります。
たとえば、時価額が3万円のクラブが破損したケースで考えてみましょう。クラブが2万円で修理可能な場合は、時価額(3万円)よりも低い金額の修理費(2万円)が補償対象となります。
また、クラブが修理できなかったり、盗難されたりした場合は、クラブの買い替えが必要となるため、ゴルフクラブの時価額3万円が補償される場合があります。
ただし、保険で支払われる金額は、保険期間を通じてゴルフ用品保険金額が限度となる点に注意しましょう。たとえば、ゴルフ用品保険金額が20万円の場合、一度10万円の補償を受けると、その保険期間内ではのこりの10万円が上限になります。
またゴルフ用品補償は、保険によって自己負担額が設定されている場合があります。自己負担額とは損害額のうち、保険契約者が負担する金額です。自己負担額が1万円に設定されたゴルフ保険で、損害額が10万円であった場合、支払われる保険金は9万円になります。
なお、ゴルフ用品補償の保険金額は保険会社やプランで異なります。ゴルフ保険に加入する際は、ご自身の希望する補償が受けられる保険金額であるかどうかを事前に確認しましょう。
クラブが破損したときの保険請求手続き
ゴルフ用品補償の保険金を受け取るためには、保険請求手続きが必要です。クラブが破損したときは、次の手順で手続きしましょう。
【保険請求手続きの手順】
- ① 保険会社へ連絡する
- ② 必要書類を準備する
- ③ 請求内容を確認して保険金を受け取る
各手順の詳しい内容を紹介します。
①保険会社へ連絡する
保険請求手続きは、保険会社に設けられた窓口でおこないます。一般的に各保険会社は、電話やウェブサイトなどで保険請求手続きを受付ています。
そのため、プレー中にクラブを破損した場合は、ウェブサイトや契約時に受け取ったパンフレットなどで連絡先を確認し、事故受付用のフリーダイヤルや受付フォームから保険会社に連絡しましょう。代理店を通じて加入している場合は、代理店の担当者に連絡する方法もあります。
②必要書類を準備する
保険会社では事故の受付後に調査をおこなうため、担当者のガイダンスにしたがって必要書類を準備します。おもな必要書類は次のとおりです。
【保険請求手続きに必要なおもな書類】
- 各保険会社所定の保険金請求書
- クラブ購入時の領収書
- 修理見積もり書
- 破損したクラブの写真
- 事故証明書
- 住民票、印鑑証明書 など
クラブ購入時の領収書や修理見積もり書は、保険金の支払い額を算出するときに必要な書類です。
破損したクラブの写真や事故証明書は、事故が実際に発生したことを証明します。事故証明書は、クラブを破損したゴルフ場やゴルフ練習場で発行してもらいましょう。
また、保険の対象となる方は、保険金の受取人であることを確認するために、住民票や印鑑証明書なども必要です。住民票や印鑑証明書はお住まいの地域の役所で発行してもらいましょう。
③請求内容を確認して保険金を受け取る
保険会社によって異なりますが、保険会社は調査や確認が完了した後に支払う保険金を計算します。
その後、保険会社から保険金に関する説明がされるため、保険金の請求内容や金額に間違いがないかを確認しましょう。保険会社は契約者や被保険者の請求意思を確認後、保険金を指定の口座に振込みます。
ゴルフ保険でクラブ破損の補償を受けるときの注意点
ゴルフ用品補償に限ったことではありませんが、補償を受けるためには補償対象や条件などに注意が必要です。以下では、クラブが破損した場合にゴルフ用品補償を受けるときの注意点を解説します。
クラブが破損した場所によっては補償の対象外となる
ゴルフ用品補償は、どこでクラブを破損しても補償の対象となるわけではありません。商品により異なりますが、補償の対象となるのは、原則としてゴルフ場やゴルフ練習場の敷地内です。
保険会社や商品により違いはありますが、自宅の庭や駐車場での練習中など、補償の対象外とみなされる場所でクラブを破損した場合には、保険金が支払われない点に注意しましょう。
破損の原因によっては保険金の支払いができないケースがある
クラブ破損の原因によっては、保険金が支払われないこともあります。おもなケースは次のとおりです。
【保険金が支払われないおもなケース】
- 保険契約者、被保険者、または保険金の受取人が故意または重大な過失で破損させた場合
- 被保険者と同居している親族が故意に破損させた場合
- クラブ自体の欠陥、自然な消耗や劣化などが原因で破損した場合
- 地震、噴火またはこれらを原因とする津波などの自然災害で破損した場合
同居している親族とは、契約者または被保険者の6親等以内の血族、配偶者、3親等以内の姻族を指します。上記のほか、クラブの平常使用で生じた細かな傷や歪みなどの損傷・汚損が発生しても保険金は支払われません。
破損補償の対象はクラブのみである
ゴルフ用品補償は、クラブ以外のゴルフ用品(ゴルフボールやゴルフ用に設計されたバッグ、衣服など)も対象です。
ただし、破損や曲損で補償が受けられるのは一般的にクラブのみであり、クラブ以外のゴルフ用品は盗難時のみ補償の対象となるケースもあります。その場合、ゴルフボールのみの盗難や、プレー中にゴルフウェアが破れても補償はされないため、注意しましょう。
また、保険会社によって異なりますが、ゴルフクラブをセットで購入した場合は折れたクラブ1本のみが補償され、全てのクラブが補償されるわけではない場合が多いでしょう。また、友人から借りたクラブや、ゴルフ用に設計されたものであっても、宝石・貴金属・財布・ハンドバッグなどは補償の対象外です。
補償が重複する可能性がある
ゴルフ保険に付帯する「ゴルファー賠償責任補償」や「ゴルフ用品補償」、「ホールインワン・アルバトロス費用補償」は、ほかの保険契約の補償内容と補償の重複が生じる可能性があります。
補償が重複しても、対象となる事故や損害であればどちらの契約からでも補償は受けられます。ただし、実際の損害額を超えた金額を受け取ることはできません。実際の損害額と保険金の限度額などによっては、いずれか一方の契約からは保険金が支払われないケースもあるため、注意が必要です。
クラブ破損の保険金を受け取るまでにはどのくらいかかる?
保険金の支払い時期は通常、必要な書類を提出してから30日以内です。ただし、保険会社の調査に時間がかかる場合は、30日を超えるケースも存在し、保険金の支払いが遅くなる場合は、事前に保険会社から通知が来ることがあります。例として、次のケースがあげられます。
【支払いまでの期間が30日を超えるおもなケース】
- 警察や消防などの公的機関に照会する場合
- 医療機関や検査機関などの専門機関に照会する場合
- 災害救助法が適用された地域で調査する場合
- 国外で調査が必要な場合
なお、保険金請求は、保険金請求権の行使が可能になった時点から3年を経過すると時効になります。早期に損害を補うためにも、保険請求手続きはクラブの破損後、速やかにおこないましょう。
ゴルフ保険選びには比較サイトの活用がおすすめ
ゴルフクラブはときに数万円以上となる高額な商品があるだけでなく、プレー中や練習中に破損しやすいアイテムです。不慮の事故に備えてゴルフ保険に加入すると、クラブが破損したときの負担を軽減できる場合があります。
ただし、ゴルフ保険は商品によって補償内容や保険料が異なります。加入の際は複数の商品を比較・検討し、ご自身のプレー環境に適した保険に加入すると良いでしょう。
複数のゴルフ保険を見比べるときは比較サイトが便利です。比較サイトを利用すれば、ご自身の希望の条件で複数のゴルフ保険の保険期間や補償内容を比較できます。納得できるゴルフ保険選びの際には、ぜひ比較サイトをご活用ください。
まとめ
ゴルフ用品補償が付帯しているゴルフ保険に加入すると、クラブが破損した際の損害も補償対象となります。補償される金額は時価額が基準となり、ゴルフ用品補償の保険金額内で補償を受けられます。そのため、万が一クラブが破損した場合にもご自身の負担額をおさえることができます。
ただし、クラブ破損の補償を受けるときは、クラブが破損した場所や原因によっては補償の対象外となることがあります。また、ほかの保険契約の補償と重複する可能性にも注意が必要です。
クラブが破損したときは、速やかに保険会社に連絡して、必要な書類を提出しましょう。
- ゴルフ保険
-
ゴルフ保険の無料見積・比較
詳しく見る
監修者情報
ファイナンシャルプランナー竹国弘城
RAPPORT Consulting Office (ラポール・コンサルティング・オフィス)代表。名古屋大学工学部機械・航空工学科卒業。証券会社、生損保代理店での勤務を経て、ファイナンシャルプランナーとして独立。お金に関する相談や記事の執筆・監修を通じ、自身のお金の問題について自ら考え、行動できるようになってもらうための活動を行う。ミニマリストでもあり、ミニマリズムとマネープランニングを融合したシンプルで豊かな暮らしを提案している。趣味はサウナ(サウナ・スパプロフェッショナル)。
- 資格情報
- 1級ファイナンシャルプランニング技能士、日本FP協会会員(CFP®)
※CFP®、CERTIFIED FINANCIAL PLANNER®、およびサーティファイド ファイナンシャル プランナー®は、米国外においてはFinancial Planning Standards Board Ltd.(FPSB)の登録商標で、FPSBとのライセンス契約の下に、日本国内においてはNPO法人日本FP協会が商標の使用を認めています。
- ※このページの内容は、一般的な情報を掲載したものであり、個別の保険商品の補償/保障内容とは関係がありません。ご契約中の保険商品の補償/保障内容につきましては、ご契約中の保険会社にお問い合わせください。
- ※税制上・社会保険制度の取扱いは、このページの掲載開始日時点の税制・社会保険制度にもとづくもので、全ての情報を網羅するものではありません。将来的に税制の変更により計算方法・税率などが、また、社会保険制度が変わる場合もありますのでご注意ください。なお、個別の税務取扱いについては所轄の税務署または税理士などに、社会保険制度の個別の取扱いについては年金事務所または社会保険労務士などにご確認のうえ、ご自身の責任においてご判断ください。
(掲載開始日:2024年11月13日)
2410542-2510