ゴルフ保険(ゴルファー保険)とは?補償内容や加入方法、注意点を解説
開放感のある自然の中でプレーするゴルフは、高齢になっても続けられるなど、幅広い年齢の方に親しまれるスポーツです。せっかくゴルフを楽しむなら、安心できる環境でおこないたいものです。
ゴルフ保険(ゴルファー保険)は、プレー中のリスクやもしもの事故に備えられる保険です。この記事では、ゴルフ保険の概要や補償内容、加入方法、注意点を解説します。1日単位で申込めるゴルフ保険や保険期間による違いも紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
ゴルフ保険(ゴルファー保険)とは?
ゴルフ保険(ゴルファー保険と呼ぶ保険商品もありますが、この記事ではゴルフ保険とします)は、ゴルフプレー中の賠償責任やご自身のケガ、ゴルフ用品の損害、ホールインワン・アルバトロス達成時の費用などが補償される保険です。
プレー中や練習中の事故、クラブハウス内での転倒などによりご自身がケガをした場合や、他人にケガを負わせてしまった場合など、ゴルフに関するさまざまな補償が保険によって受けられます。
ホールインワン・アルバトロス費用特約やゴルフ用品補償特約などをセットできる商品もあり、安心してゴルフをしたい方におすすめの保険です。
ゴルフ保険(ゴルファー保険)のおもな補償内容
ゴルフ保険の補償内容は保険会社により違いがありますが、おもな補償内容は以下のとおりです。
【ゴルフ保険のおもな補償内容】
- ① ご自身のケガの補償(傷害補償)
- ② 賠償責任の補償
- ③ ゴルフ用品の損害補償
- ④ ホールインワン・アルバトロス達成時費⽤の補償
- ⑤ ゴルフ用品以外の携行品損害補償
各補償内容の詳細を詳しくみていきましょう。
①ご自身のケガの補償(傷害補償)
傷害補償は、ゴルフ場などにおけるご自身のケガや熱中症などに対する補償です。具体的には、次の補償が受けられます。
ゴルフ保険の傷害補償の内容
死亡・後遺障害 |
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入院 |
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手術 |
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通院 |
|
たとえば、ゴルフ場でプレー中に他人が打ったボールがあたってケガをした場合や、ゴルフ練習場で練習している最中に転倒してケガをした場合などに、保険金が支払われます。
なお、被保険者の頚部症候群(むち打ち症)や腰痛、そのほかの症状で医師による他覚的所見のないものは補償対象外となるケースがあります。熱中症(⽇射または熱射による⾝体の障害)が補償される保険もありますが、「熱中症特約」を付帯することで補償される保険もあります。
②賠償責任の補償
賠償責任の補償は、ゴルフのプレー中や練習中、指導中などの事故で、他人にケガを負わせたり、他人の財物を壊したりして、法律上の損害賠償責任を負った場合に保険金が支払われるものです。
ゴルフ場で打ったボールがほかのプレーヤーにあたってケガをさせたり、自宅の庭での練習中に誤って隣家のガラスを割ったりした場合などに役立ちます。
ただし、被保険者の故意による損害賠償責任や同居の親族に対する損害賠償責任のほか、ゴルフカートなど他人から借りたり預かったりしたものを壊した場合の損害賠償責任は、保険会社によっては補償されないことがあります。
また、保険会社が代理で相手方と交渉をおこなう「示談交渉サービス」が付帯する商品も提供されています。別途、特約の契約が必要な商品もあるため、示談交渉サービスを希望する方は補償内容を確認しましょう。
③ゴルフ用品の損害補償
ゴルフ用品の損害補償は、ゴルフ場の敷地内でクラブの破損や曲損事故が起きたり、ゴルフ用品が盗難にあったりした場合に受けられる補償です。
たとえば、プレー中にシャンク(ミスショット)をしてゴルフクラブが破損したり、ゴルフ場でゴルフバッグが盗まれたりした場合などに保険金が支払われます。
支払われる保険金は、保険期間を通じて、ゴルフ用品の損害補償における保険金額が限度になります。
ただし、契約者や被保険者の故意または重大な過失で生じた損害、ゴルフ用品の自然消耗は補償の対象外とされていることがあります。また、ゴルフボールのみが盗難された場合やゴルフ用品の置き忘れ・紛失による損害も一般的には補償されないため注意しましょう。
④ホールインワン・アルバトロス達成時費⽤の補償
ホールインワン・アルバトロス費⽤の補償は、ホールインワンまたはアルバトロス達成時のお祝いなどで実際に支払った費用(記念品購入や祝賀会、記念植樹、キャディへの祝儀などでかかった費用など)が保険金として支払われるものです。おもに、ホールインワンやアルバトロス達成で記念品を購入した際の費用や、祝賀会を開催して友人を招いた場合の費用などが保険金として支払われます。
ホールインワンとは、各ホールの第1打が直接カップインすること、アルバトロスとは各ホールの基準打数よりも3つ少ない打数でホールにカップインすることを指します。
補償対象となるホールインワン・アルバトロスには、一般的に9ホール以上を有するゴルフ場で、パー35以上の9ホールを正規にラウンドする中で達成された場合などの条件が商品ごとに設定されています。
なお、以下の場合は通常、補償されません。
【ホールインワン・アルバトロスで補償されないケース】
- 9ホール未満のゴルフ場や海外のゴルフ場で達成した場合
- ゴルフ場の経営者が所有する、または従業員が働いているゴルフ場で達成した場合
- 記念品として貨幣・紙幣、有価証券、商品券などの物品、切手、プリペイドカードを購入した場合
また、保険金の請求には、ホールインワンまたはアルバトロスの達成・目撃を証明する「保険会社所定の証明書」の提出が求められることがあります。
そのため、ホールインワンまたはアルバトロスの目撃者(同伴競技者、およびキャディなどの同伴競技者以外の第三者)がいない場合や、ホールインワンまたはアルバトロスの達成・目撃を客観的に証明できない場合には、原則として補償を受けられません。
⑤ゴルフ用品以外の携行品損害補償
ゴルフ保険のなかには、ゴルフ中以外でも次のような日常生活で起こったアクシデントに対する損害補償をカバーしているものもあります。補償内容は保険ごとに異なるため、どういったケースで補償を受けられるのかを確認してから契約しましょう。
【ゴルフ保険でカバーできる日常生活の損害補償一例】
- スノーボードの最中に他人とぶつかり、ケガをさせてしまった
- ショッピング中にお店のものを壊してしまった
- マンションで、階下の部屋を水浸しにしてしまった
- 旅行中にカバンを盗まれた
- カメラをうっかり落としてしまい、破損した
1日単位で加入できる1日ゴルフ保険(ゴルファー保険)もある!
ゴルフ保険のなかには、保険期間が1年単位の保険と1日単位の保険があります。
1日ゴルフ保険は、保険期間を1日単位で設定できるゴルフ保険です。補償範囲は1年単位の保険に比べてもそれほど遜色はありませんが、商品によっては、補償内容や補償金額の上限額、示談交渉サービスの有無などに違いがあるため注意しましょう。
1日単位のゴルフ保険であれば、「日帰りのゴルフの場合は保険期間1日の契約をする」「2泊3日のゴルフ旅行の場合は保険期間2~3日の契約をする」など、利用にあわせたゴルフ保険への加入が可能です。
保険料も1日単位での支払いとなるため、日帰りでゴルフをする場合は保険料をおさえやすくなります。
1日あたりの保険料は、シンプルな補償内容の商品・プランなら100円台から、補償内容が十分に備わった商品・プランでも1,000円程度で加入できるため、合理的な保険料で補償を確保できます。
ゴルフをする頻度が高い方は1年単位の保険、プレーする頻度が低い方は1日単位の保険に加入するなど、ご自身のスタイルにあわせて選択すると良いでしょう。
なお、プレー当日のみ加入できる1日ゴルフ保険についてより詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
出発当日に加入できるゴルフ保険(ゴルファー保険)もある!
「今日のゴルフのためにゴルフ保険に加入したい」という方には、ゴルフ場へ出発する当日にネットの手続きで加入できるゴルフ保険が便利です。加入手続きが完了した時刻から保険期間が開始するものもあるため、急な予定にも対応できます。
ただし、全てのゴルフ保険が当日加入に対応しているわけではありません。ゴルフ保険のなかには、保険期間の開始が申込み日や決済完了日後すぐの場合もあれば、申込み日や決済完了日の翌日などに設定されている商品もあるため、事前に確認しましょう。
保険期間1年間と1日のゴルフ保険を比較
保険期間が1年単位と1日単位のゴルフ保険には、いくつかの点で違いがあります。
たとえば、1年単位のゴルフ保険では示談交渉サービスついていたり、被保険者以外(配偶者や親族)も補償範囲になっていたりする場合がありますが、1日単位のゴルフ保険だと示談サービスがついていない、被保険者のみ補償という場合があります。
また、保険期間が1日のゴルフ保険は、1年間のゴルフ保険と比べると1日あたりの保険料は高くなります。しかし、ゴルフは年に数回程度しかしない方の場合、1日あたり数百円で加入できる1日ゴルフ保険のほうが保険料をおさえやすいでしょう。
一方、月に数回など頻繁にゴルフをする方は、1年単位のゴルフ保険に加入したほうが保険料をおさえられる可能性があります。
1年単位のゴルフ保険と1日単位のゴルフ保険の選択は、希望する補償内容やご自身のプレー状況、日数を考慮して判断しましょう。
ゴルフ保険(ゴルファー保険)の加入方法
ゴルフ保険はインターネットや保険代理店、コンビニエンスストア、スマートフォンなどから加入できます。詳しい加入手順は保険会社によって異なりますが、インターネットで加入する場合の一例は次のとおりです。
【ゴルフ保険への加入手順】
- 1. 申込むゴルフ保険のプランを選択する
- 2. 必要な情報を確認する
- 3. 契約内容や重要事項説明を確認する
- 4. 支払い方法を入力する
申込みに必要な情報は、契約する方の氏名や住所などです。商品によっては、アカウントの登録が必要な場合があります。
ゴルフ保険の保険料の支払い方法
ゴルフ保険の支払い方法は、加入する商品によって異なります。一例は次のとおりです。
【ゴルフ保険の支払い方法】
- クレジットカード
- 口座振替
- 払込み票
- 請求書
- ポイント払い
- キャリア決済
- 電子マネー
- コンビニ払い
ご自宅で手続きをおこないたい場合には、クレジットカードやポイントで支払えるゴルフ保険が便利でおすすめです。なお、コンビニエンスストアのマルチコピー機や専門の機械で手続きする場合は、申込み券をレジで手渡して支払いをおこないます。
ゴルフ保険(ゴルファー保険)の注意点
最後に、ゴルフ保険に加入する際の注意点を解説します。事前に把握すべき点を知り、納得できるゴルフ保険を選択しましょう。
【ゴルフ保険に加入する際の注意点】
- ① 補償の重複に注意する
- ② 加入可能な年齢を確認する
- ③ 補償対象に注意する
- ④ 示談交渉サービスの有無を確認する
- ⑤ 適切な補償期間を選ぶ
注意点① 補償の重複に注意する
補償の重複とは、複数の保険に入っている場合に補償内容が重なっており、重複して加入している状態のことです。
損害保険では同じ対象に対して複数の保険からそれぞれ補償を受けることはできず、重複している保険契約がある場合には、支払われる保険金はそれぞれの契約のうち最も高い保険金額が限度となります。不要な保険料の支払いにつながってしまうため、契約内容を決める際には、ご自身が加入している保険についても見直して、重複がないようにすることが大切です。
ゴルフ保険の補償が重複する可能性がある保険特約の例
ゴルフ保険の補償 | 保険契約の例 |
---|---|
ご自身のケガの補償(傷害補償) |
|
ゴルフ保険の賠償責任補償 |
|
ゴルフ用品補償 |
|
ホールインワン・アルバトロス達成時費⽤の補償 | ―※ |
※ホールインワンやアルバトロスを達成した場合の補償はゴルフ保険でしか受けられません。
注意点② 加入可能な年齢を確認する
ゴルフ保険は年齢を問わない商品のほか、満18歳以上69歳以下など加入可能な年齢に制限を設けている場合があります。ご自身が加入できる年齢であるか、事前に確認しましょう。
また、20歳未満の方が加入する場合、親権者の同意を求める保険会社もあるため注意が必要です。
注意点③ 補償対象に注意する
ゴルフ保険の補償が適用される対象は、保険会社やプランによって異なります。
保険会社によっては、本人だけでなく配偶者や同居の親族などを対象者として指定し、まとめて契約できるゴルフ保険も提供しています。
補償対象の違いは、被保険者の範囲だけではありません。補償対象となる場所やものにも違いがあります。
たとえば、ゴルフ場でプレー中のみ補償される場合や練習中、指導中も含まれる場合、クラブハウスなどゴルフ場敷地内での食事・休憩・入浴中まで含まれる場合などがあげられます。
また、ゴルフ用品損害補償の場合、破損または曲損はゴルフクラブのみが対象となり、ゴルフクラブ以外のゴルフ用品は盗難被害のみが対象となる場合があります。
ゴルフ保険に加入する際には、各保険の補償対象を比較・検討して選びましょう。
注意点④ 示談交渉サービスの有無を確認する
ゴルフ保険の個人賠償責任補償のなかには、国内で発生した事故などの対象となる事故について、保険会社が相手方と交渉する「示談交渉サービス」が付帯している場合があります。
示談交渉サービスは、「ゴルフ場でのプレー中に他人にケガを負わせてしまったが、ケガをさせてしまった相手とどのように賠償についての話を進めたら良いかわからない」というような場合に役立つサービスです。
もしもの事故の際に交渉のサポートを受けたい方は、示談交渉サービスを利用できる商品に加入しましょう。
注意点⑤ 適切な補償期間を選ぶ
先述のとおり、ゴルフ保険のなかには1年単位と1日単位で加入できる保険が提供されています。
ゴルフが趣味の方や接待などでゴルフを頻繁にする方は1年単位での契約、付き合いで年に数回程度しかゴルフをしない方は1日単位で加入できる保険を選ぶなど、ご自身にあった補償期間を選びましょう。
ゴルフ保険(ゴルファー保険)選びには比較サイトがおすすめ
安心してゴルフをしたい方にとって、ゴルフ中の万が一の事故や他人にケガを負わせる可能性など、さまざまなリスクに備えられるゴルフ保険は心強い存在です。一方、ゴルフ保険は保険会社やプランによって保険料や補償範囲、補償内容などに違いがあります。
ご自身に合ったゴルフ保険を探したい方には、比較サイトの活用がおすすめです。たとえば、「楽天保険の比較(ゴルフ保険)」を活用すると、ご自身のプレーする期間などの条件により、複数の商品やプランの補償内容を比較・検討できます。
保険料の比較にも役立つため、もしもの事故に備えつつ保険料をおさえたい方におすすめです。
まとめ
ゴルフ保険に加入すると、ゴルフ中の事故に起因するご自身のケガや他人への賠償責任、ゴルフ用品の損害などに対する補償が受けられます。保険期間が1年単位の商品だけでなく、1日単位で加入できる商品もあるため、ご自身のプレースタイルにあわせて選択すると良いでしょう。
また、ゴルフ保険に加入する際は、補償内容や補償対象の違い、補償の重複に注意が必要です。複数のゴルフ保険を比べられる比較サイトなどを利用して、ご自身の納得できるゴルフ保険に加入しましょう。
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監修者情報
ファイナンシャルプランナー竹国弘城
RAPPORT Consulting Office (ラポール・コンサルティング・オフィス)代表。名古屋大学工学部機械・航空工学科卒業。証券会社、生損保代理店での勤務を経て、ファイナンシャルプランナーとして独立。お金に関する相談や記事の執筆・監修を通じ、自身のお金の問題について自ら考え、行動できるようになってもらうための活動を行う。ミニマリストでもあり、ミニマリズムとマネープランニングを融合したシンプルで豊かな暮らしを提案している。趣味はサウナ(サウナ・スパプロフェッショナル)。
- 資格情報
- 1級ファイナンシャルプランニング技能士、日本FP協会会員(CFP®)
※CFP®、CERTIFIED FINANCIAL PLANNER®、およびサーティファイド ファイナンシャル プランナー®は、米国外においてはFinancial Planning Standards Board Ltd.(FPSB)の登録商標で、FPSBとのライセンス契約の下に、日本国内においてはNPO法人日本FP協会が商標の使用を認めています。
- ※このページの内容は、一般的な情報を掲載したものであり、個別の保険商品の補償/保障内容とは関係がありません。ご契約中の保険商品の補償/保障内容につきましては、ご契約中の保険会社にお問い合わせください。
- ※税制上・社会保険制度の取扱いは、このページの掲載開始日時点の税制・社会保険制度にもとづくもので、全ての情報を網羅するものではありません。将来的に税制の変更により計算方法・税率などが、また、社会保険制度が変わる場合もありますのでご注意ください。なお、個別の税務取扱いについては所轄の税務署または税理士などに、社会保険制度の個別の取扱いについては年金事務所または社会保険労務士などにご確認のうえ、ご自身の責任においてご判断ください。
(掲載開始日:2024年11月13日)
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