去勢手術・避妊手術はペット保険に適用される?手術の必要性や、費用の相場を解説します

去勢手術・避妊手術はペット保険に適用される?手術の必要性や、費用の相場を解説します
最新更新日:2023年7月11日

愛犬や愛猫の去勢手術・避妊手術をする際、「いくらくらい費用がかかるのか」「ペット保険から支払いは受けられるのか」と気になる方もいるでしょう。

この記事では、犬や猫の去勢手術・避妊手術がペット保険の補償の対象となるのか、手術でかかる費用の相場はいくらくらいなのかを確認しながらわかりやすく解説します。また、犬や猫の去勢手術・避妊手術に活用できる自治体の助成金制度などもご紹介します。

去勢手術・避妊手術は原則としてペット保険の対象外

犬や猫に去勢手術・避妊手術をした場合は、原則としてペット保険の補償対象外です。

ペット保険とは、ペットの病気やケガで治療が必要になった場合を対象とした保険であり、犬や猫に去勢手術・避妊手術をしても保険金の給付対象にはなりません。費用の相場は後述しますが、基本的に全額自己負担となります。

ただし、ほかの傷病があってその治療に関連して去勢手術・避妊手術をした場合は、保険金の給付対象になる場合があります。補償の対象や保険金額など、ペット保険の補償内容は保険会社によって異なります。ペット保険に加入する際は契約内容をよく確認するようにしてください。

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ペットの去勢手術・避妊手術は必要?メリット・デメリット(注意点)は?

ペットの去勢手術・避妊手術のメリットとしては、おもに以下の点があげられます。

  • 望まない繁殖を防ぐ
  • 病気を予防する

去勢手術・避妊手術をしておけば望まない繁殖を防ぐことができます。また、予期せぬ妊娠・出産によって体に負担がかかることを防ぐことにもつながります。

さらに、去勢手術・避妊手術をすることで、精巣や卵巣など生殖器官の病気の予防にもつながります。ペットが病気にかからずに済んで健康でいられる期間が長くなれば、結果的に長生きできる可能性が高くなります。

一方、去勢手術・避妊手術のデメリット(注意点)としては、おもに以下の点があげられます。

  • 手術の費用がかかる
  • 麻酔などによる手術自体のリスク
  • 太りやすくなる
  • まれに尿失禁がみられる
ペットの去勢手術・避妊手術は必要?メリット・デメリット(注意点)は?
去勢手術・避妊手術は、家族の一員であるペットが長く健康に暮らすためにとても大切なこと

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ペットの去勢手術・避妊手術にはいくらくらいの費用がかかる?

去勢手術・避妊手術は、原則としてペット保険の給付対象外であるため、手術費用の全額が自己負担となります。費用の目安として参考になるのが、以下の表です。犬や猫が去勢手術・避妊手術をした場合の費用を見ていきましょう。

犬の去勢手術・避妊手術の費用

犬の場合にかかる費用の中央値は以下の通りです。

犬の去勢手術・避妊手術にかかる費用の目安

区分 金額(中央値)
去勢 31,500円
避妊 45,100円

動物病院10社の費用をもとに中央値を算出。去勢手術や避妊手術にかかる費用は動物病院によって異なります。

オスの去勢手術は32,000円程度で、メスの避妊手術は46,000円程度です。ここに診察料や検査費用などがプラスされるケースが一般的です。

メスの避妊手術の方がオスの去勢手術よりも多くの費用がかかる傾向にあることがわかります。

猫の去勢手術・避妊手術の費用

猫の場合の去勢手術・避妊手術費用の中央値についても見てみましょう。

猫の去勢手術・避妊手術にかかる費用の目安

区分 金額(中央値)
去勢 17,050円
避妊 25,150円

動物病院10社の費用をもとに中央値を算出。去勢手術や避妊手術にかかる費用は動物病院によって異なります。

同じく、オスの去勢手術は18,000円程度、メスの避妊手術は26,000円程度です。犬と同様、ここに診察料や検査費用などがプラスされるケースが一般的です。

犬の場合と同様、猫の場合もメスの避妊手術の方がオスの去勢手術よりも多くの費用がかかる傾向にあります。

なお、ペットの種類や体型、動物病院によってかなり差がある点に注意しなければなりません。費用が10,000円程度ですむ場合もあれば、50,000円以上かかる場合もあります。実際にペットに去勢手術・避妊手術をする場合は、いくらかかるか動物病院に確認するとよいでしょう。

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自治体によってはペットの去勢手術・避妊手術に助成金が出る

自治体によっては、ペットの去勢手術・避妊手術に助成金が出る場合があります。

前述のとおり、去勢手術・避妊手術はペット保険では原則費用を賄えませんが、自治体の制度を利用すれば負担を軽くできる場合があるので、まずはお住まいの自治体に問い合わせて確認してみましょう。とくに保護猫などは無料で手術を受けられるケースがあります。

たとえば、東京都世田谷区の場合、飼い猫の去勢手術・避妊手術の費用の一部が助成されます。東京都獣医師会に所属する区内の動物病院内に掲示されている手術料金から、去勢手術の場合には3,000円、避妊手術の場合には6,000円を差し引いた金額で手術が受けられます(最新更新日:2023年7月現在)。

ただし、助成制度があっても、予算の上限に達した時点で受付を終了する自治体もあります。助成制度の有無や助成の条件は自治体によって異なるため、利用前に確認しましょう。

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大切なペットに合う保険を見つけよう

去勢手術・避妊手術はペット保険の補償対象にはなりませんが、だからといって「ペット保険はいらない」というわけではありません。ペットが病気やケガをした場合に備えて、必要な補償を準備しておくことも大切です。

ペット保険の選び方がよく分からない、という場合には、各保険会社のウェブサイトや比較サイトを利用すれば、補償内容や保険料、対応しているサービスなどを確認することができます。とくに比較サイトを活用すると、複数のペット保険の情報を一覧で比べることができるので、自分にあった保険を選びやすいでしょう。

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まとめ

ペット保険はあくまでペットの病気やケガを補償対象とした保険であり、去勢手術・避妊手術は原則として対象になりません。しかし、生殖器官の病気や発情期特有の問題行動を防ぐ効果が期待できるなど、去勢手術・避妊手術にはさまざまなメリットがあるのも事実です。自治体によっては助成制度もあり、費用負担を減らせる可能性もありますので、ペットがいる方はぜひ去勢手術・避妊手術をおすすめします。

かわいいペットの負担を考えると、手術を受けさせるべきか悩んでしまう......という飼い主さんもいるかもしれませんが、家族の一員として健康で長く一緒に暮らしていきたいと考えた場合には、去勢手術・避妊手術を行うことはとても重要なことです。ペットの体の負担ができるだけ少なくなるよう、手術を行う適切な時期などは、動物病院に相談しながら進めるとよいでしょう。

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監修者情報

ファイナンシャルプランナー竹下たけした昌成あきなり

竹下昌成 写真

竹下FP事務所代表、㈱メディエス代表取締役、TAC専任講師。兵庫県西宮市在住。立教大学卒後、池田泉州銀行、日本GE、タマホームなどを経て現職。タマホームFPとして600件超のFP相談実績あり。サラリーマン投資家としてスタートした不動産賃貸業歴20年。大家業をメインに講師や執筆活動、相談業務などをおこなう。

保有資格
日本FP協会会員(CFP®)、宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、住宅ローンアドバイザー、スカラシップアドバイザー
HP
https://fptakeshita.jimdofree.com/

CFP®、CERTIFIED FINANCIAL PLANNER®、およびサーティファイド ファイナンシャル プランナー®は、米国外においてはFinancial Planning Standards Board Ltd.(FPSB)の登録商標で、FPSBとのライセンス契約の下に、日本国内においてはNPO法人日本FP協会が商標の使用を認めています。

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  • このページの内容は、一般的な情報を掲載したものであり、個別の保険商品の補償/保障内容とは関係がありません。ご契約中の保険商品の補償/保障内容につきましては、ご契約中の保険会社にお問い合わせください。
  • 税制上・社会保険制度の取扱いは、このページの掲載開始日時点の税制・社会保険制度にもとづくもので、全ての情報を網羅するものではありません。将来的に税制の変更により計算方法・税率などが、また、社会保険制度が変わる場合もありますのでご注意ください。なお、個別の税務取扱いについては所轄の税務署または税理士などに、社会保険制度の個別の取扱いについては年金事務所または社会保険労務士などにご確認のうえ、ご自身の責任においてご判断ください。

(掲載開始日:2022年4月27日)
2306388-2406