ペット保険の割引制度にはどんなものがある?利用する際の注意点や選び方も解説
ペットが病気やケガで治療を受けたときに、通院や入院、手術などの費用を補償するペット保険。ペットには公的な保険がないため、治療費は飼い主が全額負担する必要がありますが、「治療費が高額になるケースに備えてペット保険に加入する」という方もいるのではないでしょうか。
ペット保険の加入の際に、ぜひ知っておきたいのが「割引制度」です。保険会社によってさまざまな割引制度が設けられていますが、適用されると保険料がおさえられる可能性もあります。
この記事では、ペット保険の割引制度にはどのような種類があるのかについてご紹介。また、利用時の注意点や割引制度の選び方についても解説しますので、ぜひペット保険に加入する際の参考にしてください。
ペット保険の保険料が決まる要素とは?
ペット保険の保険料は、さまざまな要素がもとになって決められます。同じ保険会社に同じ補償内容で申込みをしても、ペットの種類や年齢などによって保険料が異なることもあります。
犬と猫の保険料が決まる要素は、おもに以下のとおりです。犬は犬種によって体重の個体差がありますが、猫は種類による個体差が少ないため、猫種や体重について問われることは少ない傾向があります。
保険料が決まるおもな要素
犬 | 猫 |
---|---|
|
|
※上の表は一般的な例であり、保険会社によって保険料が決まる要素は異なります。
ペットの種類
ペット保険は、対象ペットの種類によって保険料が決まることがあります。保険会社にもよりますが、犬は犬種によって大型犬・中型犬・小型犬に分けられ、それぞれの大きさによって保険料も変わります。体のサイズが大きくなるごとに保険料も高くなるのが一般的です。
混血種の場合、申込みをするときに父親や母親のみ判明しているときは親の犬種で申請したり、両親が判明しているときは親の犬種のうち体格が大きい方の犬種で申請したりすることがあります。
ペット保険加入・更新時の年齢
ペット保険の契約が始まる年齢によって、保険料が決まることがあります。年齢が上がると病気を罹患するリスクも高くなるため、保険料も高額になることが一般的です。また、多くの保険会社ではペットの年齢に応じて保険料を定めているため、更新するときには、更新時の年齢にあわせて保険料の見直しをおこなうことが多いようです。
なお、新規加入の場合、ペットの年齢に制限を設けている場合があります。保険会社によっては、高齢でも加入できるケースがあるほか、シニア向けのペット保険を提供している場合もあるため、ペット保険を選ぶ際に確認しましょう。
体重
犬の場合、体重によって大型犬、中型犬、小型犬などに区分して保険料が決まることもあります。とくに混血種(ミックス、雑種 など)は、体重が保険料の基準となる場合があり、体重が大きくなるほど保険料は高くなります。ただし、そのときの体重か、成長後の予想体重かは保険により異なるため、確認しておきましょう。
ペット保険のおもな割引制度は?
ペット保険に加入する際、同じ補償内容であれば、保険料はできるだけおさえたいところです。そこで上手に活用したいのが、ペット保険の割引制度です。保険会社、保険商品によってはさまざまな割引制度が設けられています。
一般的な割引制度としては、おもに以下があげられます。
ペット保険のおもな割引制度
割引制度 | 適用条件 |
---|---|
マイクロチップ割引 | ペットにマイクロチップを装着している場合に適用 |
多頭割引(多頭飼い割引) | 多頭飼いをしており同一住所かつ同一契約者の場合に適用 |
健康継続割引(無事故割引) | 保険金や給付金などの支払いを受けていない場合などに適用 |
インターネット割引 | インターネット経由で保険に申込む場合に適用 |
※上の表は一般的な例であり、保険会社によって異なります。
なお、保険会社ごとに割引制度の種類は異なりますので、申込みをする前に確認しておきましょう。
マイクロチップ割引
マイクロチップ割引とは、マイクロチップを装着しているペットに対して適用される割引制度で、割引額については、保険会社によって異なります。
マイクロチップとは、ペットの胴体に埋め込む小さな電子標識器具のことで、動物病院で獣医師が装着する必要があります。このマイクロチップを装着していると、識別番号をリーダーで読み取りデータベースに登録された情報と照合することができ、ペットが迷子になった際に飼い主のもとに戻ってくる可能性が高くなります。災害などで離ればなれになったときも探しやすくなるでしょう。
ただし、マイクロチップを装着していてもAIPO(Animal ID Promotion Organization/動物ID普及推進会議)などの団体に加入していることが条件となることもあるため、確認しておきましょう。なお、2002年6月1日より犬や猫についてはマイクロチップの装着が義務化されています。ブリーダーやペットショップ等で購入した犬や猫にはマイクロチップが装着されているため、飼い主になる際にはご自身の情報に変更する必要があります。
多頭割引(多頭飼い割引)
ペットを複数飼っているときは、保険料もそれぞれにかかるため負担が大きくなることがあります。そのようなときに利用したいのが多頭割引(多頭飼い割引)です。
多頭割引(多頭飼い割引)は、同一住所かつ同一契約者が複数のペットを飼っているときに適用されます。保険会社によっては、頭数が増えるごとに割引率が高くなることもあります。
なお、多頭割引の適用はプランごとに設定されている場合があるため、各社の適用条件や割引率を確認しておきましょう。
健康継続割引(無事故割引)
健康継続割引(無事故割引)は、1年間の契約期間内に保険金の受け取りがなかった場合などに、翌年以降の保険料が割引になる制度です。
保険会社によっては、保険期間中に保険金・給付金等の支払いを受けなかった場合や、保険金・給付金等の受取回数が保険会社所定の回数を下回っている場合に継続契約に適用されることもあります。なお、割引対象となる条件は、各保険会社の保険商品やプランによって異なりますが、利用回数が多くなると保険料が割増しされる場合もあるため確認が必要です。
インターネット割引
インターネット割引とは、インターネット経由で申込みをしたときに、保険料が割引される制度です。ただし、料金の支払い方法がクレジットカード払いや一括払いなどに限定されることもあるため、割引の適用を受けたいときは支払い方法の選び方にも注意しましょう。
ペット保険の割引制度を利用する際の注意点は?
加入する前に、おさえておきたいペット保険の割引制度ですが、割引制度の有無だけではなく、その割引制度の適用条件に合うのかについてなども確認しなくてはなりません。割引制度があっても適用されなくては、割引を受けることはできません。
ペット保険の割引制度を利用するときは、以下の点に注意しましょう。
- ペット保険の割引制度の適用条件
- ペット保険の補償割合
ペット保険の割引制度の適用条件
まずはどのような割引制度が設定されているのか確認しておきましょう。複数のペットを飼っているときは「多頭割引」、マイクロチップを装着している場合は「マイクロチップ割引」、インターネットで申込むときは「インターネット割引」など、ご自身やペットの状況をふまえた割引制度があるのかをチェックします。
そして、割引制度が提供されている場合でも、適用されなくては割引を受けることができません。ご自身やご自身のペットの状況が適用条件に合うのかを確認する必要があります。なお、保険会社によって適用条件や割引率などは異なる場合がありますのでご注意ください。
なお、割引の適用が初年度のみや初回契約のみ、更新契約時も割引可能など、保険会社によって割引期間が異なることもあるため、事前に適用期間も確認しておきましょう。
ペット保険の補償割合
補償割合とは、保険会社に保険金の支払い義務が発生する場合に、通院や入院、手術にかかった費用のうちの何割が保険会社から補償されるのかを示したものです。割引制度が充実していても、補償割合が低いときは、治療費の自己負担額が高くなってしまいます。
補償割合が高いペット保険を選ぶ場合でも、治療費に対して自己負担しなければならない免責金額が設定されており、受け取ることができる保険金が割に合わないと感じるケースや免責期間中に治療費が発生してしまうケースも想定されます。補償割合の高さでペット保険を選ぶ場合は、免責金額や免責期間も確認しておきましょう。
なお補償割合を選択できるペット保険もありますが、補償割合を高く設定するとその分支払う保険料も高くなってしまいます。どの程度の補償が必要か考えてから、補償割合を決めるようにしましょう。
ペット保険の割引制度の選び方は?
ペット保険の割引制度は、保険会社によってさまざまな割引制度があります。また、保険会社や保険商品によって適用条件、割引率などが異なります。ご自身のペットに必要な補償内容かどうかの検討とあわせて、割引制度についても複数の保険を比較するとよいでしょう。
しかし、検討している保険会社をそれぞれひとつずつ調べて検討するのはとても大変な作業です。そこで、複数の保険会社の補償内容や割引制度などを手軽に比較したいときは、ペット保険の比較サービスを利用するのがポイントです。比較サービスで検索すると、さまざまな項目をまとめてチェックすることができる点が特長です。
また、保険料の事前見積もりも可能なため、保険内容をしっかりと比較したうえで、見積もりをすることが可能です。
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まとめ
ペット保険への加入を検討しているときには、多くの保険会社で提供されている割引制度にも着目するとよいでしょう。ペット保険に加入をする際、まずはご自身のペットに適した補償内容やプランを選択することが大前提ですが、割引制度も活用すれば、保険料はおさえやすくなります。
ただし、保険会社によって、提供されている割引の種類も適用条件も異なることがありますので、複数の保険会社を比べてみましょう。その際、比較サイトを活用すると便利です。
なお、ペット保険そのものの選び方の基本についても以下の記事からご覧いただけます。参考になさってください。
監修者情報
獣医師嘉本浩之
さいたま動物病院の院長。麻布大学卒業後、獣医師免許を取得。ペッツネクスト株式会社代表取締役ほか、獣医神経病学会、日本獣医皮膚科学会など複数の学会に所属。メディアにも多数出演。
- ※このページの内容は、一般的な情報を掲載したものであり、個別の保険商品の補償/保障内容とは関係がありません。ご契約中の保険商品の補償/保障内容につきましては、ご契約中の保険会社にお問い合わせください。
- ※税制上・社会保険制度の取扱いは、このページの掲載開始日時点の税制・社会保険制度にもとづくもので、全ての情報を網羅するものではありません。将来的に税制の変更により計算方法・税率などが、また、社会保険制度が変わる場合もありますのでご注意ください。なお、個別の税務取扱いについては所轄の税務署または税理士などに、社会保険制度の個別の取扱いについては年金事務所または社会保険労務士などにご確認のうえ、ご自身の責任においてご判断ください。
(掲載開始日:2023年8月30日)
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