犬がかかりやすい病気は?犬種や年齢別に種類や症状を紹介

犬がかかりやすい病気は?犬種や年齢別に種類や症状を紹介
公開日:2023年2月7日

私たち人間と同じように犬も病気にかかることがあります。しかし、犬は言葉で身体の不調を訴えることができません。日々を一緒に過ごしている飼い主が犬の様子を見て、気づいてあげる必要があります。そのためには、まず飼い主が犬の病気に関する知識を持つことが大切です。
この記事では、犬種や年齢別に分けて、犬がかかりやすい病気についてわかりやすく紹介します。

大型犬がかかりやすい病気

犬の病気といっても、種類や症状はさまざまです。まずは、大型犬と小型犬に分けて、それぞれ3つの犬種のかかりやすい病気について解説します。

大型犬がかかりやすい病気を犬種ごとに表にしました。それぞれ詳しく解説していきます。

大型犬がかかりやすい病気の例

犬種 病気
ゴールデンレトリバー 耳血腫
シベリアン・ハスキー 進行性網膜萎縮
ジャーマン・シェパード・ドッグ 膿皮症

ゴールデンレトリバー

ゴールデンレトリバー

ゴールデンレトリバーは、飼い主に従順でフレンドリーな性格をしています。学習能力も高くしつけがしやすい犬種といわれています。個体差はありますが、体重は約30~40kgと大型です。平均寿命は約10~14年で、7歳以降はシニア期と呼ばれます。

ゴールデンレトリバーがかかりやすい病気は「耳血腫」です。耳血腫とは、耳介内の血管が破れて、耳介内に血液成分が溜まって耳が膨れる病気のことです。

ゴールデンレトリバーは耳が大きく垂れています。そのため、外耳炎のリスクも高く、かゆみから耳をかいたり、頭を振ったりして耳介の血管が破れて、耳血腫になると考えられています。

シベリアン・ハスキー

シベリアン・ハスキー

シベリアン・ハスキーは、オオカミのような見た目をしており、シベリア地域では昔からソリを引く犬として親しまれています。

性格は温厚で、無駄吠えが少ないとされているため、小さなお子さんがいらっしゃるご家庭でも飼育しやすいと人気の犬種です。平均寿命は約12~15歳とされており、大型犬のなかでも比較的長いでしょう。

シベリアン・ハスキーは、ぶどう膜炎や角膜炎など、眼に関連する病気にかかりやすいといわれています。

ジャーマン・シェパード・ドッグ

ジャーマン・シェパード・ドッグ

ジャーマン・シェパード・ドッグは、日本では警察犬としても有名で、高い知能と運動能力のある犬種です。飼い主に対して従順で、しつけがしやすいと人気です。平均寿命は約9~13年とされており、一般的な大型犬の寿命といえるでしょう。

ジャーマン・シェパード・ドッグがかかりやすい病気は「深在性膿皮症」です。皮膚にもともとあるブドウ球菌の感染による皮膚炎で、全身に広がることがあります。なお、発症の原因は不明です。深在性膿皮症は、かゆみや痛みも伴います。発症原因が不明で難治性の疾患のため、異常を感じた場合は早めに病院で受診しましょう。

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小型犬がかかりやすい病気

小型犬がかかりやすい病気を犬種ごとに表にしました。それぞれ詳しく解説していきます。

小型犬がかかりやすい病気の例

犬種 病気
トイ・プードル 結膜炎や角膜炎
チワワ 膝蓋骨脱臼
柴犬 皮膚病

トイ・プードル

トイ・プードル

トイ・プードルは、ぬいぐるみのようなふわふわの毛並みと愛くるしい顔が特徴的な犬種です。活発な性格で、身体を動かすのが大好きです。また、記憶力が高いことも特徴のひとつで、しつけがしやすい小型犬として人気を集めています。体重は約3kg、寿命は約15歳といわれています。

トイ・プードルは目の病気にかかりやすいといわれています。「結膜炎」や「角膜炎」などの目の炎症が起きやすく、それに伴い涙が多く出て、目の周辺の毛が変色することがあります。

そのほかにも、緑内障や白内障にかかることもあります。もし万が一、目に異変を感じた場合はすぐに病院に連れていきましょう。

チワワ

チワワ

チワワは世界一小さい犬種といわれており、体重は約1.5~3kgほどです。明るい性格ではありますが、警戒心が強い傾向にあり、攻撃的な面もあります。

チワワは短毛と長毛の2種類に分かれますが、基本的に毛量は少ないため、冬場は防寒対策が必要です。チワワの平均寿命は約12~20歳で、小型犬のなかでは比較的長生きかもしれません。

チワワのかかりやすい病気は、「膝蓋骨脱臼」です。膝のお皿(膝蓋骨)が外れてしまう病気で、チワワなどの小型犬によくみられます。また、先天性と後天性があります。

日常生活で飛び跳ねたり走り回ったりすることで、膝の負担が大きくなり、脱臼に繋がります。足を引きずっていたり、不自然な歩き方になっていたりする場合は注意が必要です。

柴犬

柴犬

柴犬の歴史は古く、縄文時代から日本人と共存していたとされています。一度心を許した相手に忠実で勇敢な性格であることから、番犬として飼われていることもあります。近年では、柴犬のなかでもとくに小さい「豆柴」という犬種も出ています。寿命は約13~16年で、平均的な小型犬の寿命です。

柴犬は、アトピー性皮膚炎やアレルギー性皮膚炎を引き起こしやすい犬種です。皮膚病になると、皮膚に発疹、かゆみや脱毛などの症状が現れます。かゆみの影響で掻き過ぎてしまうと、皮膚を傷つけてしまう可能性があるため注意が必要です。

柴犬の毛は、上毛と下毛のダブルコートで、換毛期という毛の生え変わりの時期があります。その時期に適度なブラッシングやシャンプーをしてあげるなど、体を清潔に保つことも重要です。

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【年齢別】犬のかかりやすい病気の種類と症状

【年齢別】犬のかかりやすい病気の種類と症状

ここからは、「子犬期」、「成犬期」、「中・高齢期」と年齢別に分けて、それぞれかかりやすい病気を紹介します。

子犬期(~1歳)

人間の年齢で換算すると、約1~15歳であるといわれる子犬期は免疫力が低く、病気にかかりやすい可能性があります。

そんな子犬期に注意したい病気は、「犬パルボウイルス感染症」です。食欲不振や下痢・嘔吐から始まり、重症になると敗血症を引き起こし命に関わる危険性があります。敗血症とは、感染症や免疫力の低下によって犬の体内の病巣にある菌が血液に侵入し、全身に重篤な症状が起こった状態のことです。

感染力が高い伝染性の病気で、感染源である犬の便のなかに含まれるウイルスが、口や鼻から取り込まれることで、別の犬に感染します。また、母犬からの抗体が徐々になくなる子犬期にかかりやすいといわれています。

現段階ではウイルスを殺す治療法はなく、下痢や嘔吐で失った水分や電解質を補給する輸液療法や、下痢や嘔吐をコントロールする対症療法、腸内細菌の異常繁殖を防止する抗生物質療法が行われています。

成犬期(1~6歳)

人間で換算すると約15~47歳といわれる成犬期にかかりやすい病気には、「椎間板ヘルニア」や遺伝性の強い「心臓疾患」などが挙げられます。

激しい運動や遺伝などにより椎間板が突出して神経に影響を及ぼす椎間板ヘルニアは、運動が活発になる成犬期にとくに注意が必要です。

椎間板ヘルニアの治療方法は、内科療法と外科療法に分けられます。内科療法の場合は、トイレに行くとき以外はケージのなかで安静にさせることが大切とされています。薬の処方やレーザーなどを併用する場合もありますが、あくまで補助的な目的です。外科療法の場合は手術をおこない、脱出した椎間板物質を摘出します。

犬の心臓疾患のなかで一番多い「僧帽弁閉鎖不全症」の治療方法は、重症度のステージによって異なります。初期段階の場合は食事療法とサプリなどで病状の進行を抑えますが、症状が重い場合は更に内服薬を処方してもらいます。

中・高齢期(6~15歳)

人間に換算すると約47~110歳といわれる中・高齢期になると、基礎代謝や運動量が減少します。そのため、成犬期と同じ食事量のままにすると、肥満やそのほかの病気を引き起こすリスクが高まります。

さらに、口内細菌が原因の歯垢や歯石が付着する「歯周病」にも注意が必要です。
歯周病が進行すると、食欲不振になることもあります。歯周病対策のガムや定期的な歯磨き、動物病院で歯石除去をおこなうことをおすすめします。

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犬の病気に備えてペットの保険に加入するのがおすすめ

「高額な治療費を支払えず、ペットの病気やケガの治療を受けさせられない」という事態に陥らないためにも、ペット保険に加入しておくことをおすすめします。ペット保険に加入しておけば、治療費だけでなく、ペット用車椅子などの補助器具を購入した際の費用や、死亡したペットの供養のために購入した仏具費用を補償する場合もあります。ペット保険で自己負担額を減らすことができれば、治療方法の選択肢も広がります。

ペット保険の場合、治療費は基本的に先に支払い、後日保険会社に請求する「直接請求(後日精算)」ですが、窓口で支払う金額が、治療費から給付金相当額を差し引いた分で済む「窓口精算」もあります。窓口精算に対応している病院は限られていますが、窓口精算対応のペット保険であれば補償分をマイナスした自己負担分のみの支払いで済むため、飼い主の一時的な費用負担や手続きの手間を軽減できます。

もしものときに備えて安心して愛犬を育てていけるように、ペット保険の加入を検討してみてはいかがでしょうか。

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犬の病気に備えたペット保険の選び方

ペット保険といっても、保険料や補償内容は保険ごとにさまざまです。
たとえば、治療費をしっかり補償してほしいという方であれば、治療費の70%を給付金として支払う保険などがあります。

ペット保険は、保険の対象となる費用のうちどのくらいを補償するかという「割合」があります。一般的に、補償割合は50%や70%になっている傾向があります。治療費をしっかり補償したい方は70%、治療費の補償も受けたいが保険料は抑えたいという方は50%を選ぶとよいでしょう。

また、治療費を動物病院の窓口で支払う際に、ペット保険に加入している証明を提示すれば、給付金分を差し引いて自己負担分だけ支払うことが可能な保険もあります。ほかにも、もし持病や既往症がある場合には、持病や既往症があっても入れる保険、犬が高齢の場合は、高齢の犬でも新規加入できる保険を選ぶなど、ご自身の目的やペットの状況にあわせて最適なペット保険を選びましょう。

ペット保険には多くの種類・補償内容があるため、どのペット保険が最適か悩む方もいるかもしれません。そんなときは、複数の保険プランから比較・検討ができる「比較サイト」がおすすめです。比較サイトでは、ペットの種類や年齢を入力すると、加入できる保険プランを絞り込めます。気になる保険の資料請求もまとめてでき、ご自身のペットにあった保険が見つけやすくなります。

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まとめ

この記事では、犬の種類や年齢別に分けてかかりやすい病気をご紹介しました。

犬は体調を言葉で説明することはできません。毎日一緒に過ごす飼い主が、様子の違いに気づいてあげることが大切です。もしペットが病気かもしれないと思ったら、早めに動物病院を受診しましょう。また、愛犬が病気になった際に「お金がなくて治療できない」とならないよう、ペット保険に加入することをおすすめします。

監修者情報

獣医師嘉本よしもと浩之ひろゆき

嘉本 浩之

さいたま動物病院の院長。麻布大学卒業後、獣医師免許を取得。ペッツネクスト株式会社代表取締役ほか、獣医神経病学会、日本獣医皮膚科学会など複数の学会に所属。メディアにも多数出演。

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  • このページの内容は、一般的な情報を掲載したものであり、個別の保険商品の補償/保障内容とは関係がありません。ご契約中の保険商品の補償/保障内容につきましては、ご契約中の保険会社にお問い合わせください。
  • 税制上・社会保険制度の取扱いは、このページの掲載開始日時点の税制・社会保険制度にもとづくもので、全ての情報を網羅するものではありません。将来的に税制の変更により計算方法・税率などが、また、社会保険制度が変わる場合もありますのでご注意ください。なお、個別の税務取扱いについては所轄の税務署または税理士などに、社会保険制度の個別の取扱いについては年金事務所または社会保険労務士などにご確認のうえ、ご自身の責任においてご判断ください。

(掲載開始日:2023年2月7日)
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