犬の風邪とはどんなもの?症状や原因、治療方法や対策についても解説

犬の風邪とはどんなもの?症状や原因、治療方法や対策についても解説
公開日:2023年12月26日

犬がくしゃみや咳をしたり、熱を出したりして元気がなくなるなど、人間の風邪と似たような症状を出すことがあります。とくに子犬の時期に起こることが多く、食欲が落ちたりすると危険で心配になると思います。今回はそういった犬の風邪について学んでいきましょう。この記事では、風邪の症状や原因、治療方法や対策についてわかりやすく解説します。

そもそも風邪とは

風邪は人にとっても身近でありふれた病気ですが、そもそも風邪とはさまざまな原因から起こる発熱、咳、喉痛などの症状を引き起こす症候群の俗称で正確な病名ではありません。似たような症状を起こす病気をまとめてそう呼んでいるだけなのです。

犬も同様で、風邪という名前の病気があるわけではなく、人間の風邪と似たような症状が現れる病気をわかりやすく風邪といっているということになります。

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犬の風邪とは

前述の通り犬の風邪とは犬が感染症を引き起こすウイルスや細菌に感染した結果、風邪のような症状が現れる状態を指します。
そして子犬に多い、「ケンネルコフ」と呼ばれる犬の多頭飼育環境に起こる犬の伝染性気管支気管炎を含めて風邪と呼んでいるのが実態です。

少し話はそれますが、風邪のような症状を出す風邪ではない病気もあります。心臓病や呼吸器の腫瘍などの非常に問題になる病気もあります。ご自身で風邪だと判断して様子をみないで、動物病院で獣医師による診察を受けることは非常に大事です。

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犬の風邪の症状

犬の風邪の症状

風邪の症状には、くしゃみや咳、鼻水と鼻詰まり、喉の痛み、食欲不振、発熱、元気消失、運動不耐性(運動をしたがらなくなったり、運動後にぐったりと疲れてしまったりする)などが現れることがあります。

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犬の風邪の原因

犬の風邪の原因

犬の風邪は、ウイルスや細菌に感染することによって引き起こされます。

一般的なウイルスにはパラインフルエンザやアデノウイルスなどがあります。これらの病原体はほかの犬との接触や、感染源となる空間、場所で感染してしまうことがあります。ケンネルコフはボルデテラ菌やマイコプラズマ、レジオネラなども原因となるといわれています。多頭飼育による環境の汚染や、飼育ストレスによる関連があると考えられています。

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重要なのは早期発見・早期治療

風邪は呼吸器に関わる病気なので、重症化すると命に関わります。
クシャミや軽い咳、鼻水くらいでも様子をみないで動物病院に相談していただいたほうがいいです。とくに幼犬、高齢犬、持病がある場合などは重症化のリスクが高いです。

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犬の風邪の治療

犬の風邪の治療

犬の風邪の治療は、原因によりますが、適切な栄養補給と休息が大事になります。人間の風邪と同じですね。

細菌感染など原因によっては抗生物質の投与をしたり、消耗するほどの炎症が存在するなら消炎剤を用いたり、症状に対しての対処療法が中心となります。
重症化した場合は入院や酸素吸入などまで必要になってしまう場合もあります。

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犬の風邪の感染対策

犬の風邪の感染対策

基本的には風邪の原因となる物質と触れることで感染するので、病気の犬と触れ合わないようにする、不特定多数の犬が集まるような場所にはあまり近づかないようにする、予防のできる病気はワクチンで予防することが大事になります。

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犬と人の風邪はうつる?

犬と人の風邪はうつる?

犬の風邪は人にうつりませんし、人の風邪も犬にはうつりません。

しかし、可能性は低いですが、マイコプラズマやレジオネラなどが原因の場合は種を越えて影響を受けることも考えられますので、風邪を引いた状態で濃厚に犬と接触をしたり、逆に風邪を引いた犬と濃厚な接触したりすることは避けておいたほうが無難だと思います。

風邪はうつりやすい病気なので、家の犬が風邪を引いてしまっている場合に、ほかのご家庭の犬と触れ合う場合は消毒などの対策をしたほうがいいと思います。

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重症化と対策

人間の風邪もそうですが、風邪といっても悪化すれば命に関わります。
体や免疫などが弱い幼犬、高齢犬、持病を持つ子の場合は注意が必要です。
とくに注意が必要なのは、食欲の低下、呼吸状態の悪化、元気消失、高熱、などの強い症状です。

呼吸状態の悪化は、舌や粘膜、爪のピンクの部分が青紫色になるようなチアノーゼという状態になる場合があり、こうなると非常に深刻な状態の可能性が高いです。

食欲不振は、病気に対する抵抗力を低下させていくために、放置しておけば重症化に繋がりやすいです。高熱も病気に対する体の抵抗手段ではあるのですが、あまりにも高熱(42度以上)や発熱が長く続く場合は体力を奪ってしまうために対策が必要になります。
繰り返しになりますが、早期発見、早期治療が大原則なので、症状をみつけたらできる限り早く動物病院で獣医師による診察を受けてください。

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まとめ

犬の風邪は呼吸器症状を起こす病気の総称で、原因はウイルスや細菌などが考えられます。
重症化すると危険なので、早期発見早期治療、動物病院へ相談しましょう。

風邪に似た別の病気もありますので、安易に風邪と決めつけないで獣医師による適切な検査治療を受けましょう。正しい対応をして、犬の風邪も人間の風邪も悪化させないように気をつけて楽しいペットとの生活を過ごしていきましょう!

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ライター情報

獣医師あずま一平いっぺい

東 一平
所属
株式会社 アイエス 代表取締役、アイエス動物病院 院長
経歴
1978年 千葉県に生まれる
1997年 麻布大学獣医学部獣医学科卒業
2003年 同大学卒業
2003年~2004年 アイエス動物病院に勤務
2004年~2005年 東京都内の動物病院に勤務
2005年 千葉県市川市のアイエス動物病院の院長に就任
現在もアイエス動物病院院長として日々診療にあたりながら、YouTubeやX(旧Twitter)、ブログなどで情報発信を続けています。
所属学会
日本小動物歯科研究会、日本獣医皮膚科学会、比較眼科学会、日本獣医麻酔外科学会所属

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(掲載開始日:2023年12月26日)
2311052-2411