ハムスターの飼い方は?初心者のための基礎知識・注意点を解説

ハムスターの飼い方は?初心者のための基礎知識・注意点を解説
公開日:2024年7月30日

ハムスターは身体が小さく、基本的にはケージ内で飼うため、ペット飼育初心者におすすめな小動物です。「ハムスターを飼ってみたい」「どのハムスターを選べば良いのか知りたい」と考えている方もいるのではないでしょうか。

この記事では、ハムスターの生態・性格・種類から飼育環境の整え方、エサの選び方まで、飼い方の基本を解説します。また、ハムスターを飼う際に注意点としておさえておきたいことや、よくある疑問についてもまとめました。これからハムスターを飼ってみたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

ハムスターの基礎知識|飼育初心者が知っておきたいこと

ハムスターの基礎知識|飼育初心者が知っておきたいこと

ハムスターを飼う前に、まずはハムスターに関する基礎知識を確認しましょう。ハムスターの種類による差や個体差はありますが、一般的な生態や性格、エサなどを知ることで、ハムスターへのストレスを減らし、お世話しやすくなります。

ハムスターの生態

ハムスターは夜行性で、暗くなる夕方や夜、明け方に活動します。野生のハムスターは、昼間の明るい時間帯に穴の中で寝て、暗くなると食べものを探して移動します。種類や生息場所によって異なりますが、一晩に10~20kmほど移動することもあるといわれています。

野生のハムスターは、もともとヨーロッパやアジアなど、寒暖差が大きい乾燥した地域に生息している動物です。温度変化に敏感かつ苦手なため、温度がほぼ一定に保たれる地下に巣を作ります。

ハムスターの性格

ハムスターは、基本的には警戒心が強い動物です。種類によって性格が異なることがあり、警戒心が強くても懐きやすい種類のハムスターもいます。慣れるまでに時間はかかりますが、手からエサを食べてくれることもあります。

また、ハムスターは縄張り意識が強く、繁殖期以外はほかのハムスターと同じ場所で暮らさないことが一般的です。しかし、ジャンガリアンハムスターやチャイニーズハムスターなどのドワーフハムスター(小型ハムスターの総称)は、相性がよければ多頭飼いが可能なこともあります。

なお、ハムスターの体重にもよりますが、飼育の際には1頭あたり60cm2前後の広さを確保しておくことが必要です。とくにメスは妊娠中や出産後は攻撃的になりやすいため、ほかのハムスターと分けて1匹で飼いましょう。

ハムスターのサイズ

ハムスターの大きさも種類によって異なります。たとえば、ゴールデンハムスターは個体差が大きく、小柄なハムスターの体重は約80gですが、大柄なハムスターは約150gです。

一方、ハムスターのなかでも小さいジャンガリアンハムスターの体重は、約40gです。成体になったときのサイズに注目して選ぶようにしましょう。

ハムスターの寿命

ハムスターの寿命も、種類によってさまざまです。たとえば、ゴールデンハムスターは約2~3年は生きるとされていますが、ジャンガリアンハムスターは少し短く、約1年半~2年が寿命とされています。

ハムスターに与えるエサ

ハムスターには、ハムスター用のフード(ペレット)をメインとして、乾燥野菜やくだものも少し与えます。エサの量は、ハムスターの体重の5~10%程度が目安です。おやつを与えるときは、エサの量を減らして調整しましょう。

なお、ひまわりの種などのおやつは、ペレットと比べると高脂肪かつ高カロリーです。食べ過ぎると肥満になるため、少量のみ与えましょう。

このページの目次へ

ハムスターの種類

ハムスターの種類

ハムスターは種類によって性格が異なります。ここでは、3つの性格に分けてハムスターの種類を紹介します。

おとなしい種類のハムスター

ハムスターのなかでもおとなしい種類は以下のとおりです。

  • ゴールデンハムスター
  • チャイニーズハムスター
  • ジャンガリアンハムスター

それぞれの特徴を紹介します。

ゴールデンハムスター

ゴールデンハムスター

ゴールデンハムスターは、おとなしく、警戒心が強い性格です。その一方で、懐きやすい面もあります。

また、ゴールデンハムスターの改良種として、キンクマハムスターと呼ばれるハムスターもいます。キンクマハムスターはおっとりとしていて穏やかな性格で、懐きやすい傾向にあります。

チャイニーズハムスター

チャイニーズハムスター

チャイニーズハムスターは、頬袋のない種類です。動きが素早く活発な面もありますが、基本的にはおとなしく、懐きやすい性格です。

ジャンガリアンハムスター

ジャンガリアンハムスター

ジャンガリアンハムスターは小柄でおとなしく、懐きやすい性格です。警戒心が強いため、慣れるまでに時間がかかる傾向にあります。

気が強い性格の種類のハムスター

気が強い性格の種類として、キャンベルハムスターがあげられます。

キャンベルハムスター

キャンベルハムスター

キャンベルハムスターは、ハムスターの中では気が強い性格といわれています。警戒心が強く、噛まれてしまうこともあります。

警戒心が強く懐きにくい種類のハムスター

警戒心が強く懐きにくい種類として、ハムスターのなかでもっとも小さいロボロフスキーがあげられます。

ロボロフスキー

ロボロフスキー

ロボロフスキーは、かなりすばしっこく警戒心がきわめて強いため、時間をかけてもあまり人に慣れないといわれています。

このページの目次へ

ハムスターの飼い方|適切な飼育環境

ハムスターの飼い方|適切な飼育環境

ハムスターは繊細な動物です。次のポイントに注意してお世話しましょう。

【ハムスターの飼育環境で注意すること】

  • 室温管理を徹底する
  • ケージの中を掃除しすぎない
  • ケージに入れたまま遊ばせる

それぞれのポイントを解説します。

室温管理を徹底する

ハムスターは暖かい温度を好みます。室温が5~10℃になると低体温症(疑似冬眠)になるため、冬はパネルヒーターが必須です。

なお、ハムスターは暑さも苦手です。18~24℃が適温とされているため、夏は適度に冷房を使いましょう。また、湿った環境も苦手なため、湿度は40~60%に保つようにしてください。

ケージの中を掃除しすぎない

種類によって差はありますが、ハムスターは総じて警戒心と不安の強い動物です。自分のにおいがなくなると不安になるため、掃除をしすぎないように注意しましょう。

毎日の掃除はトイレで汚れた部分のみ、全体の掃除は1週間に1回程度で十分です。

ケージに入れたまま遊ばせる

不安が強いハムスターにとって、ケージの中は自分のにおいがあって安心できる場所です。遊ばせるときは、基本的にケージに入れたままの状態にしてください。部屋で走らせる場合は、気が向いたときではなく習慣にし、危険なものは片づけるようにしましょう。

しかし、いつもケージの中では運動不足になるかもしれません。適度に運動できるように、回し車やトンネルをケージの中に入れておきましょう。たまにハムスターを手に乗せてコミュニケ―ションを取る程度であれば、ハムスターの負担になりにくいため、おすすめです。

このページの目次へ

ハムスターの飼い方|飼育に必要なもの

ハムスターの飼い方|飼育に必要なもの

ハムスターの飼育に必要なアイテムは、インターネットやハムスターの飼い方に関する本などでも紹介されています。おもなアイテムは以下のとおりです。

【ハムスターの飼育に必要なアイテム】

  • ケージ
  • 巣箱
  • 回し車
  • エサ入れ
  • 給水ボトル
  • 床材
  • パネルヒーター

ケージは水槽タイプがおすすめです。鳥かごのような金網タイプは、足を引っかけてケガや骨折をする可能性があります。

ケージの中には巣箱を入れましょう。ハムスターは暗い場所を好むため、木製の巣箱やティッシュペーパーの箱、トイレットペーパーの芯などを置いて、中で休めるようにしておきます。

また、回し車も必要です。梯子タイプの回し車は隙間に足を引っかけてケガをする恐れがあるため、足がはまらないタイプを選んでください。ただし、種類や個体によっては回し車で遊ばないこともあります。

エサ入れは周りに散らかさないように、ケージの内壁に取り付けるタイプを用意しましょう。給水ボトルも床に置くとハムスターが入ってしまうことがあるため、内壁に取り付けるタイプのものがおすすめです。水は毎日取り換えて、清潔にしておきましょう。

床材は川砂や焼き砂、広葉樹のチップなど、低刺激で衛生的なものがおすすめです。ハムスターはアレルギー反応を起こしやすいといわれているため、針葉樹のチップなど刺激が強いものは避けてください。また、ハムスターの温度管理のために、ケージの下に敷くパネルヒーターも準備しましょう。

このページの目次へ

ハムスターの飼い方|スキンシップの取り方

ハムスターの飼い方|スキンシップの取り方

ハムスターを家族に迎えてから1週間は、あまりハムスターの身体を触らず、まずは環境に慣れさせましょう。エサを手渡しで食べられるようになってから、少しだけ背中を撫でてください。

ハムスターが嫌がるときは、無理に触らないことが大切です。また、ハムスターが驚かないように、近くで大きな声で話さないようにしましょう。

このページの目次へ

ハムスターの飼い方|飼育時の注意点

ハムスターの飼い方|飼育時の注意点

ハムスターを飼育するときは、次の点に注意してください。

【ハムスターを飼うときの注意点】

  • 夏は湿度調整を意識する
  • こまめに爪を切る
  • 入浴は基本的に不要
  • 交尾時以外は1匹で飼う

ハムスターの飼育において、夏は湿気対策が必要です。こまめに換気をして、湿度が高くなり過ぎないように調整してください。

ハムスターの爪が伸び過ぎると、壁などに引っかけて折れることがあります。爪の中の血管を切らないように、爪先だけを人間用や犬用の爪切りで切りましょう。ただし、暴れてしまうときは、動物病院で切ってもらうことをおすすめします。

ハムスターは自分で身体の手入れをするため、入浴やシャンプーは不要です。また、縄張り意識が強いため、ケージひとつにつき1匹のみ入れるようにしましょう。ただし、交尾の時期はオスとメス2匹をひとつのケージに入れます。

このページの目次へ

ハムスターの飼い方に関するQ&A

ハムスターの飼い方に関するQ&A

ハムスターの飼い方に関するよくある質問とその答えをまとめました。ぜひ参考にしてください。

Q:ハムスターが病気になったら動物病院でみてもらえる?

ハムスターは下痢や皮膚病、不正咬合などの病気に罹患しやすい動物です。ハムスターが罹患しやすい病気のおもな原因や症状、治療法は下表のとおりです。

ハムスターが罹患しやすい病気の原因・症状・治療法

病名 おもな原因 おもな症状 治療法
下痢 寄生虫感染、ストレス、食物アレルギー お尻が下痢によって常に濡れている、体重減少 抗生剤投与、抗菌剤投与、駆虫薬投与、皮下輸液
皮膚病 糸状菌(カビの一種)感染、細菌感染、栄養不足、スギのチップ(床材) かゆみ、脱毛、発疹、フケ、かさぶた 抗真菌薬投与、抗生剤投与
不正咬合 歯の伸び過ぎ 痛み、元気の低下、下あごの腫れ 歯を適度な長さに切る、抗生剤投与

犬や猫と比べると、ハムスターに対応している動物病院は少ないですが、調子が悪そうなときや動きが不自然なときは、すぐに連れて行きましょう。ハムスターが病気やケガをしてから動物病院を探すのではなく、健康なうちにハムスターに対応している動物病院を調べておけば慌てずに済むでしょう。

Q:ハムスターが加入できるペット保険はある?

犬や猫に比べると数は少ないですが、ハムスターを含めたエキゾチックアニマル(犬猫以外に家庭で飼育できるペットたちの総称)に対応したペット保険があります。ペット保険とは、通院や入院、手術までカバーする保険で、保険料や補償内容は商品によってさまざまです。

万一の病気やケガに備えたい場合は、ハムスター対応のペット保険に加入すると安心です。いざというときに負担を気にせず必要な治療を受けるためにも、ペット保険を検討してみてはいかがでしょうか。

どのペット保険が良いか迷ったときは、ペット保険の比較サービスを利用してみるとよいでしょう。


このページの目次へ

まとめ

まとめ

ハムスターは広いスペースがなくても飼うことができ、ペット飼育初心者におすすめの動物といわれています。

ただし、飼い方に注意すべき点も多数ありますので、事前にチェックをしましょう。
具体的には、温度や湿度を調整したり、多頭飼いは避けたりすることもハムスターを飼うときにおさえておくべきポイントです。また、運動不足を避けるために回し車をケージの中に入れることや、部屋で運動させるときは習慣化させるといったこともあらかじめ確認しておきましょう。ハムスターは種類によって性格が異なりますが、基本的には警戒心が強い動物のため、スキンシップを取るときや部屋で過ごすときにストレスを与えないようにすることも大切です。

なお、ハムスターが病気やケガをしたときは、ハムスターに対応している動物病院に行く必要があります。犬や猫と比べると対応可能な病院は少ないため、家に迎えるときは事前にハムスターを診察できる動物病院がどこにあるかについてもリサーチしましょう。

いざというときに備えて、ハムスターに対応しているペット保険に加入しておくこともおすすめです。ペット保険の比較サービスを利用すると、保険料や補償内容を比べながらご自身に合う保険を見つけやすくなります。ぜひ「ペット保険の比較」をご利用ください。

ペット保険
ペット保険

ペット保険の見積(無料)・比較

詳しく見る

このページの目次へ

監修者情報

丸田まるた香緒里かおり

丸田香緒里

Animal Life Partner院長、往診獣医師協会代表。獣医師。日本大学卒業。動物病院勤務後「人も動物も幸せな生活が送れるためのサポート」をモットーにAnimal Life Partner設立。獣医中医師、ペット栄養管理士など様々な資格を生かし、病院での診療のほか、シニアケアや飼い主の心のケアにより力を入れた往診診療をおこなう。
著書:「犬のいる暮らし 一生パートナーでいるために知っておきたいこと」(池田書店)

このページの目次へ

  • このページの内容は、一般的な情報を掲載したものであり、個別の保険商品の補償/保障内容とは関係がありません。ご契約中の保険商品の補償/保障内容につきましては、ご契約中の保険会社にお問い合わせください。
  • 税制上・社会保険制度の取扱いは、このページの掲載開始日時点の税制・社会保険制度にもとづくもので、全ての情報を網羅するものではありません。将来的に税制の変更により計算方法・税率などが、また、社会保険制度が変わる場合もありますのでご注意ください。なお、個別の税務取扱いについては所轄の税務署または税理士などに、社会保険制度の個別の取扱いについては年金事務所または社会保険労務士などにご確認のうえ、ご自身の責任においてご判断ください。

(掲載開始日:2024年7月30日)
2406313-2406