ペット保険は治療中や病気でも入れる?加入タイミングや条件を解説!
飼っているペットが病気の治療中だったり、過去に罹患した病気があったりする場合、「ペット保険に入れない」と思っている方もいるかもしれません。しかし、実は病気の種類によっては、ペット保険に加入できる場合もあります。大切なペットが別の病気になったり、ケガをして治療が必要になったりしたときに備えて、ペット保険をうまく活用したいところです。この記事では、すでに治療中であるペットや、過去に罹患した病気があるペットが、どのような場合にペット保険に入れるのか紹介します。また、加入の適切なタイミングや告知などの加入条件についてもわかりやすく解説します。
病気やケガなどで治療中でもペット保険に入れる?告知についても紹介
ペット保険は、告知内容にもとづいて保険会社が審査をおこない、保険に加入できるかどうかが判断されます。ペットが過去に病気に罹患したことがある場合や、現在治療中の病気がある場合には、以下の2つのうちどちらかの対応がとられる可能性が高いでしょう。
- ①保険会社が補償対象外とする病気に該当するため加入できないケース
- ②治療中や過去に罹患した病気があっても、条件付きで加入できるケース
条件付きで加入できるケースや、加入できないケースとは具体的にどのようなものか、気になる方もいるでしょう。以下では、この2つのケースについて詳しく解説します。
①加入できないケース
ペット保険では、一定の病気に罹患したことがあるペットは加入できないことが一般的です。加入できない病気の種類は保険会社によって異なるため、保険会社に確認する必要があります。
なお、保険加入時に告知を求める内容は保険会社によって異なりますが、重篤な病気以外は「過去3ヵ月以内」や「過去6ヵ月以内」などに罹患した場合に告知が必要になることが一般的です。病気やケガが完治した場合や再発の可能性が低い場合は、病気を告知してもペット保険に加入できるケースがあるため、まずは告知書を提出して申込みをするとよいでしょう。
ただし、保険会社ごとに取扱いが異なり個別の状況によって入れるかどうか判断されるため、保険会社の審査の結果、加入できない場合があります。
②条件付きで加入できるケース
保険会社によっては、現在ペットが病気の治療中でも、条件付きでペット保険への加入を認める場合があります。条件の内容としてよく見られるのは、過去に罹患したことがある病気が再発したり、現在病気の治療中であったりする場合に、その病気が補償対象外になるケースです。
このようなケースでは一般的に、特定の部位や特定の疾病は補償対象外になるものの、それ以外の他の病気に罹患して治療費がかかった場合には補償を受けられるということが多いでしょう。
ペット保険に加入・更新(継続)できない病気とは?
保険会社によって加入の条件や更新(継続)の条件は異なります。そのため、どのような病気に罹患した場合に加入や更新(継続)ができないのかについては個別に確認が必要です。
一般的には次のような病気に罹患したことがある場合や治療中の場合は、ペット保険への加入や更新(継続)はできないことが多いでしょう。
- 悪性腫瘍(がん)
- 糖尿病
- 腎不全
- 肝硬変
- 心疾患
- 脳・神経疾患
- フィラリア症
- 猫免疫不全ウイルス感染症や、猫白血病ウイルス感染症などの感染症
ペット保険に加入できない病気の取扱いは保険会社によって異なるため、事前に条件をよく確認することが大切です。「加入不可」とされている疾患でなければ、まずは申し込んでみることをおすすめします。
ペットが罹患しやすい病気とは?
ペットが罹患しやすい病気としては、次のような病気があげられます。
ペットが罹患しやすいおもな病気
ペットの種類 | 病気 |
---|---|
犬 | 外耳炎、皮膚炎、椎間板ヘルニア、歯周病、心臓病、糖尿病、悪性腫瘍、先天性疾患 など |
猫 | 膀胱炎、結膜炎、腎不全、感染症 など |
うさぎ | 不正咬合、毛球症、スナッフル、斜頸 など |
フェレット | 歯肉炎、白内障、インフルエンザ、副腎腫瘍、腸閉塞、フィラリア症、犬ジステンパー症 など |
飼い主がペットの罹患しやすい病気やその症状をしっかり理解しておけば、万が一病気に罹患してしまっても早期発見によって重症化を防ぐことができる場合があります。飼っているペットの種類に応じて、罹患しやすい病気の種類や症状をあらかじめ確認しておくとよいでしょう。
獣医師"嘉本先生"の
アドバイス
ペット保険が役立つ場合とは?
「ペット保険に加入していてよかった」「ペット保険が役だった」という経験をお持ちの飼い主さんは少なくないでしょう。ペット保険に加入していると、とくに以下のような場合に役立ちます※。
- 飼っているペットが病気がちであったり、病気の再発があったりした場合
- 1回の治療費が高額になりやすい大型犬を飼っている場合
- 長期的な疾患や慢性疾患を持つペットを飼っている場合( 心臓病〔弁膜症〕、腎不全、ホルモン疾患〔クッシング、糖尿病、犬甲状腺機能低下症、猫甲状腺機能亢進症〕、皮膚アレルギー、外耳炎、腫瘍など)
- ある種の疾患になりやすい犬種(好発種)の犬を飼っている場合(例としては、「ウェスティー」「柴犬」「シーズー」などの場合は アトピー、アレルギー、外耳炎などの疾患にかかりやすい。また、「プードル」「チワワ」「キャバリア 」の場合には 弁膜症 などにかかりやすい。「プードル」「チワワ」は 膝蓋骨脱臼、「ゴールデンレトリーバー」の場合は 股関節などにかかりやすい)。
- 交通事故、誤飲、骨折、椎間板ヘルニアなど突発性の高い事故やアクシデントなど。
※一度罹患・発症すると、新たにペット保険に加入することが難しくなる病気などもあります。
ペット保険の加入のタイミングとは?
ペット保険では、「9歳未満(8歳11ヵ月まで)」「11歳未満(10歳11ヵ月まで)」など、加入年齢に制限があることが一般的です。そのため、ペット保険に加入するタイミングとしては、ペットが健康で歳を重ねる前の若い時期、健康なうちに加入するのがおすすめです。
ペットは年齢が上がるほど病気に罹患したり、ケガをしたりする可能性が高くなりますが、一方で免疫力や体力の弱い赤ちゃんのときも病気になりやすい傾向があります。ペット保険は、ペットが一度病気になってしまうと加入できない場合や、条件付きの加入となる場合もあるため、保険への加入は早めに検討しましょう。
治療中のペットが保険に加入する際の注意点とは?
前述のとおり、治療中のペットや過去に病気に罹患したことがあるペットでも、ペット保険に加入できる場合はあります。しかし、病気になったことがない健康なペットが加入する場合とは異なり、加入時に押さえておいたほうよい注意点があります。以下で詳しくご紹介します。
保険に加入できない病気ではないか確認する
保険会社によって、保険に加入できない病気やケガは異なります。ご自身が飼っているペットが治療中の場合や罹患歴がある場合には、保険加入できない病気ではないか確認しましょう。該当する場合は、保険に加入できない可能性が非常に高くなります。
予防目的以外で動物病院へ行った場合にも告知義務がある
ペット保険に加入する際には、保険会社にペットの健康状態や既往歴などを告知する必要があります。「過去3ヵ月以内」「過去6ヵ月以内」などに罹患した場合に告知が必要になることが一般的です。
ワクチン接種や健康診断など、予防目的で動物病院に行った場合は告知書に記入する必要はありません。しかし予防目的以外で動物病院に行った場合は、基本的に告知が必要になります。
告知事項や、何ヵ月前までの治療や通院が告知の対象になるのかは、保険会社・保険商品によって異なるため、告知書に記載された内容を確認して記入するようにしましょう。告知が必要な事項を告知しなかった、意図的でなくても誤った内容を記載した、といった場合には告知義務違反に該当し、発覚した時点で保険契約が解除となる場合や、治療費がかかっても補償を受けられない可能性があります。
補償内容をしっかり確認する
ペット保険では、実際にかかった治療費の一定割合(補償割合)が給付金として支給されるケースが一般的です。補償割合は、50%や70%などペット保険によって異なるため、万が一ペットが病気になり治療費がかかる場合に保険でカバーできる割合はどの程度なのか、契約内容をよく確認しておきましょう。
また、現在ペットが治療中の場合は、加入予定のペット保険で治療中の病気やケガも補償対象となるのか確認しましょう。
なお、ペット保険では、一般的には免責事項が定められています。免責事項とは、指定する病気になった場合など補償の対象にならない条件を記載したものです。ペットの種類によって罹患しやすい病気が違うことがあるため、ご自身が飼っているペットが罹患しやすい病気が何かを確認したうえで、その病気の補償も受けられる保険に加入するほうがよいでしょう。
保険料と補償のバランスを確認する
ペット保険に入加入すると、保険料の支払いが発生します。月々で見ると大きな額でないと感じても、5年、10年と払い続ければ支払総額が相当な額になる場合もあるため、受けられる補償と保険料のバランスがとれているか、よく検討して納得したうえで加入しましょう。
前述のとおり、現在、ペットが、すでになんらかの病気に罹患していて治療中でも、「治療中の病気については補償対象外」という条件付きでペット保険に加入できる可能性があります。その場合には、保険料のほかにその病気の治療費が別途必要になり、さらに費用がかかります。あらかじめ認識しておきましょう。
まとめ
この記事では、すでに治療中であるペットや、過去に罹患した病気があるペットが、どのような場合にペット保険に入れるのかを解説しました。保険会社が補償対象外とする病気にペットが現在治療中だったり罹患したことがあったりする場合には、基本的にそのペット保険には加入できません。しかし、補償対象外の病気でなければペット保険に加入できる場合もあります。ペット保険の加入条件は保険会社によって異なるため、保険会社に確認しましょう。
また、ペット保険は、ペットが一度病気になってしまうと加入できない場合や、条件付きの加入となる場合もあるため、早めに検討するほうがよいでしょう。加入の際には、過去に予防目的以外で動物病院に行ったことを告知する必要があります。告知事項や何ヵ月前までの治療や通院が告知の対象になるのかは保険会社によって異なります。
ペット保険の選び方がよくわからないという場合には、各保険会社のウェブサイトや比較サイトを利用すれば、補償内容や保険料、対応しているサービスなどを確認することができます。とくに比較サイトを活用すると、複数のペット保険の情報を一覧で比べることができるので、自分のペットにあった保険を選びやすいでしょう。
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監修者情報
獣医師嘉本浩之
さいたま動物病院の院長。麻布大学卒業後、獣医師免許を取得。ペッツネクスト株式会社代表取締役ほか、獣医神経病学会、日本獣医皮膚科学会など複数の学会に所属。メディアにも多数出演。
- ※このページの内容は、一般的な情報を掲載したものであり、個別の保険商品の補償/保障内容とは関係がありません。ご契約中の保険商品の補償/保障内容につきましては、ご契約中の保険会社にお問い合わせください。
- ※税制上・社会保険制度の取扱いは、このページの掲載開始日時点の税制・社会保険制度にもとづくもので、全ての情報を網羅するものではありません。将来的に税制の変更により計算方法・税率などが、また、社会保険制度が変わる場合もありますのでご注意ください。なお、個別の税務取扱いについては所轄の税務署または税理士などに、社会保険制度の個別の取扱いについては年金事務所または社会保険労務士などにご確認のうえ、ご自身の責任においてご判断ください。
(掲載開始日:2023年3月16日)
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