子犬が気をつけたい病気とは?症状や健康管理のポイントも解説

子犬が気をつけたい病気とは?症状や健康管理のポイントも解説
公開日:2023年12月26日

小さい子犬には、その幼さが放つ特別なかわいさにより、何ものにも代えがたい魅力があります。しかし、子どもであるがゆえにさまざまな病気などへの抵抗力が低く、注意が必要な時期でもあります。
この記事では子犬の時期に気をつけた病気やケガ、それに早く気がつく方法や防ぐ方法について学んでいきたいと思います。

子犬の成長に必要な大事な3つのポイント

子犬の成長に必要な大事な3つのポイント

栄養

成長期の子犬にとって栄養をとることは何よりも大事です。そもそも食べたもので体はできていきますから、食べることや食べるものの内容は何よりも大事です。
年齢にあわせた総合栄養食を適切な量を与えることが大事です。

運動

成長期の運動は子犬の身体形成に重要になります。子犬の無限の体力と無限の好奇心を満たすためにも遊びを絡めた運動や散歩をおこなってストレス発散と身体の育成をしていきましょう。

適切な診療

小さい頃は少しの問題でも深刻な状態に繋がる可能性があります。早期発見・早期治療がとくに大事なので、おかしいなと思ったらすぐに動物病院に相談しましょう。

また、先天的な問題や飼育における疑問、いろいろな予防など、これからのペットとの生活を支えていくかかりつけの動物病院と獣医師との関係は適切な通院と会話で形成されていきます。初めて動物病院に健康診断で訪れるときは便などを持っていくと寄生虫の検査をしてもらえます。

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子犬にとって怖い病気とは?

子犬にとって怖い病気とは?

パルボウイルス感染症

激しい下痢を主体とした病気で特効薬が存在しておらず、適切な対処療法で体力を回復させることを目指しますが、子犬での発症例が多いこともあって救命できないことも多い病気です。

いちばん厄介なことはパルボウイルスが非常に強いウイルスで、施設や土壌を汚染して長い時間感染力を維持することです。多頭飼育現場などで発生すると凄惨な状態になることもあります。

ジステンパーウイルス感染症

神経症状を引き起こす感染症で、これも子犬に多く、命を落とす子も多いです。

飼育動物での発症はワクチンの普及によって少なくなっていますが、野生動物での発症はむしろ増加傾向にあり、まだまだ注意が必要です。

犬伝染性肝炎

発熱、下痢、嘔吐、肝炎、ブルーアイと呼ばれる目の変化などを起こす病気で原因はアデノウイルスの1型、感染力が高いために環境を汚染することもあります。

犬伝染性喉頭気管炎

呼吸器疾患を引き起こす病気、アデノウイルス2型によって引き起こされます。風邪のような症状を引き起こす感染症で、単独であれば致死率は高くないですが、混合感染などを起こすと重症化します。

犬パラインフルエンザウイルス感染症

風邪のような症状を出す病気で、感染力が非常に強い病気です。単独感染は比較的軽い症状ですみますが、混合感染や二次感染で重篤化してしまうことがあります。

犬コロナウイルス感染症

下痢や嘔吐などの消化器症状を引き起こす病気で、子犬に感染すると重篤な嘔吐や水下痢などを引き起こし、重症化することがあります。

寄生虫感染

回虫や瓜実条虫(うりざねじょうちゅう)、ノミやマダニ、フィラリアなど寄生虫感染も注意が必要です。
便検査などで発見することもありますので、一度診てもらうほうがよいです。

低血糖

痙攣(けいれん)するような状態になり大変危険です。様子をみている時間的余裕はないのですぐに動物病院へ向かいましょう。
食欲不振や元気がないなどを認めたら早めに治療したほうがよい理由でもあります。
子犬は体が小さくためておけるエネルギー量が少ないために低血糖を引き起こすことがあります。

先天的な異常

多岐にわたりますが、場合によっては大きな病気の引き金になったり、命取りとなったりするので、大きくならない、呼吸がおかしい、元気がないなど、おかしい点があったら早く動物病院に診てもらいましょう。

外傷

足元を動き回る子を踏んでしまったり、高いところから落ちてしまったりすると、まだ体がしっかりとできていない子犬は骨折など大きな外傷を負ってしまう可能性があります。

誤食

好奇心が旺盛すぎて、食べてはいけないものを食べてしまったり、思いもよらないものを飲み込んでしまったりするのが子犬です。成犬でももちろん注意が必要ですが、とくに気をつけましょう。
子犬が遊べる中途半端なサイズのものを床に置いておかないなど、気をつけてあげてください。靴下やクッションの綿、人形なども場合によって異物になってしまいます。

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子犬の健康を守るためにできること

子犬の健康を守るためにできること

いちばん大事なことは、早期発見、早期治療です。おかしいなと思ったら様子をみるのではなく動物病院に行き相談しましょう。前述で紹介した怖い病気の多くはワクチンによって防ぐことができます。

また日本で犬を飼育する場合は狂犬病ワクチンの接種は法律によって定められており、違反すると罰せられるので注意しましょう。

寄生虫は定期駆虫を含む薬で治療が可能です。ノミ・ダニ、フィラリアは予防することで防げる病気なので予防を大切にしてあげてください。

飼育環境の整備も飼い主の責任です。飲み込んでしまうようなものを遊べる場所に置かない、食べたら危険な植物や人間の食べ物を子犬が触れられる場所に置かない。高低差が激しく落下でケガするような場所を作らない。子犬が落ち着いて食事ができる場所を作ってあげる。安心して休める場所を作ってあげる。そういった心がけが子犬の健康を守ることに繋がります。

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まとめ

子犬の健康を守るために病気の早期発見早期治療を

繰り返しになりますが、子犬の健康を守る最大の方法は予防と早期発見、早期治療になります。おかしいなと感じることがあったらすぐにかかりつけの動物病院に相談しましょう。

相談して何もなければ安心です。相談せずに大事になってしまうほうが大問題です。
かわいい子犬とのこれからの時間を守るためにも、何でも相談できる相性のいいかかりつけの動物病院をみつけて、予防できる病気は予防して、病気にさせない健康管理をしてあげてください。

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ライター情報

獣医師あずま一平いっぺい

東 一平
所属
株式会社 アイエス 代表取締役、アイエス動物病院 院長
経歴
1978年 千葉県に生まれる
1997年 麻布大学獣医学部獣医学科卒業
2003年 同大学卒業
2003年~2004年 アイエス動物病院に勤務
2004年~2005年 東京都内の動物病院に勤務
2005年 千葉県市川市のアイエス動物病院の院長に就任
現在もアイエス動物病院院長として日々診療にあたりながら、YouTubeやX(旧Twitter)、ブログなどで情報発信を続けています。
所属学会
日本小動物歯科研究会、日本獣医皮膚科学会、比較眼科学会、日本獣医麻酔外科学会所属

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(掲載開始日:2023年12月26日)
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