うさぎをペットとして飼うのは大変?種類、必要なお世話、かかる費用を解説
うさぎは大人しい性格の子が多く、人にも懐くことから飼いやすいペットといえます。うさぎを飼い始めたら命を終えるまで責任を持ってお世話しなければならないため、必要なお世話やかかる費用を事前に把握しておくことが大切です。
この記事では、うさぎの生態や種類、必要なお世話やかかる費用を解説します。うさぎを飼うことを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
うさぎの生態を知ろう!
うさぎをペットとして飼う前に、まずはうさぎの生態を知ることが大切です。うさぎの特徴や寿命、オスとメスでどのような違いがあるのかをそれぞれ解説します。
うさぎの特徴
うさぎは、朝と夕方に活発になる動物です。昼間は眠っていることが多いものの、食事をしたり、遊んだりもします。時間の感覚が正確なため、人と暮らすうちに体内時計が光の刺激を受けて、ある程度飼い主さんの生活リズムにあわせるようになるため、飼いやすいペットといえるでしょう。
うさぎは外敵からすぐ逃げられるように、目を開けて眠ったり、浅い眠りを繰り返したりするため、物音がするとすぐに起きます。また、大人しい性格のうさぎもいれば、人懐っこく活発なうさぎもおり、性格は個体差が大きい傾向にあります。実際にみたり、ペットショップなど購入したお店の方やブリーダーに性格を聞いたりして、飼ううさぎを決めると良いでしょう。
うさぎの寿命
うさぎの寿命は、5~8年程度といわれています。ただし、健康的な食事や適度な運動、病気の早期発見・治療により、近年では10年以上生きるケースもあります。うさぎが長生きできるように、毎日のお世話はもちろん、体調不良に早めに気づくことが大切です。
うさぎのオスとメスの違い
うさぎは、オスとメスで行動内容や罹患しやすい病気などが異なります。たとえば、オスは縄張り意識が強く、おしっこをまく「スプレー行動」をし、飼い主さんに対して攻撃的な性格になる恐れもあります。ただし、去勢手術をすることでスプレー行動がおさえられ、気性が穏やかになる可能性があります。
一方、メスは子孫をのこす意識が強く、ホルモンバランスが常に発情状態になっているため、子宮疾患になりやすいのが特徴です。また、発情期に偽妊娠して、抜いた胸の毛などで巣作り行動をし、巣を守ろうと攻撃的になることがあります。
避妊手術をすることで子宮疾患や乳腺腫瘍などの予防につながるほか、偽妊娠の行動がなくなり、飼い主さんと良好な関係を築くことが期待できます。
オスとメスの違いを把握し、必要に応じて獣医師への相談や去勢・避妊手術を検討しましょう。
ペットとして飼えるうさぎの種類
うさぎは、種類によって体のサイズや性格が異なります。ここでは、ペットとしてよく飼われているうさぎの品種を紹介します。種類ごとの違いを知って、飼ううさぎを決める際の参考にしてください。
ネザーランドドワーフ
ネザーランドドワーフは、ピーターラビットのモデルになったといわれている、体重0.9~1.5kg前後の小さくてかわいらしい品種です。警戒心が強く、懐くまで少し時間がかかるものの、好奇心旺盛で活発な面もあるため、飼っているうちに馴れて甘えてくれます。
ホーランドロップ
ホーランドロップは、体重1.3~1.8kg前後のたれ耳うさぎです。温厚で落ち着いた性格の子が多く、人懐っこいため、初めてうさぎを飼う方でも飼いやすいといえます。
ミニレッキス
ミニレッキスは、なめらかで光沢のある美しい毛並みが特徴のうさぎです。体重は1.4~2.0kg前後で、利口で物怖じしない、人懐っこい性格の子が多いといわれています。活発で脚力も強いため、ケージの外で遊ぶ時間を多く確保しましょう。
ドワーフホト
ドワーフホトは、真っ白な体と目の周りの黒いラインが特徴のうさぎです。体重は1.3kg前後で、人に慣れやすく、好奇心旺盛な子が多いようです。
ダッチ
ダッチは、顔がハチ割れ模様でパンダのような黒と白のツートンカラーが特徴のうさぎです。体重は1.5~2.5kg前後で、活動的ではなく温和な子が多い傾向があります。
うさぎの飼い方と必要なお世話
うさぎは、基本的に暑さに弱く寒さに強い動物です。そのため、室内飼育が主流で室温は16~23℃程度、湿度は30~60%程度が最適な飼育環境とされています。直射日光や直接エアコンがあたる場所は避け、なるべく静かで落ち着いた環境にケージを置きましょう。
警戒心が強く、怖がりな性格の子が多いため、飼い主さんや飼育環境に慣れるまで過度なスキンシップは避けましょう。慣れてきたら、1日1回は遊んであげるのがおすすめです。
うさぎに必要なお世話は、おもに以下の6つです。
ウサギに必要なお世話
必要なお世話 | 詳細 |
---|---|
食事(毎日) | うさぎは草食性のため、牧草を中心にペレット※や野菜を1日2回に分けて食べ切れる量を与える |
水の交換(毎日) | 新鮮な水を飲めるように毎日交換する |
ケージとトイレの掃除(毎日) | 毎日ペットシーツの取り換えなどをおこない、清潔な環境を保つ |
ブラッシング | 長毛種の場合は毎日、短毛種は換毛期に念入りにおこなう |
運動 | 毎日1時間程度はケージから出して部屋を散歩させる。ケーブルをかじったり、置いているものでケガをしたりしないように注意する |
爪切り | 種類により異なるが1~3ヵ月ごとが目安 |
※「ペレット」とは、牧草だけでは足らない栄養素を補うための補助食。粉砕したチモシーやアルファルファなどの牧草を主原料に、大豆、小麦粉などを加え栄養バランスを考慮して作られている。
旅行に行くときは、ペットホテルやペットシッターの利用がおすすめです。
ただし、うさぎは環境の変化が苦手なため、頻繁に預けたり、長期間預けたりするのは控えて、なるべく自宅でお世話しましょう。
うさぎをペットとして飼う前に準備するもの
うさぎをペットとして飼う前に準備するものをそれぞれ解説します。
ケージ
うさぎが安心して過ごせるスペースを確保するために、ケージを用意しましょう。うさぎが成長したときのサイズや食器、トイレなど、設置物の大きさを考慮した適切なサイズのケージを選ぶことが大切です。
構造や素材もさまざまな種類があるため、手入れのしやすさや耐久性を考えて選びましょう。
食器・給水器
食器は、うさぎがひっくり返さないようにケージに固定できるタイプがおすすめです。木製やプラスチック、陶器など、さまざまな素材の食器がありますが、かじってしまうことを防止するためには陶器の食器を選ぶと良いでしょう。
給水器は皿タイプもありますが、ゴミが入りやすく衛生管理に手間がかかるため、ボトルタイプがおすすめです。うさぎは湿気に弱いため、水漏れ対策など、床が水で濡れないような工夫もしましょう。
トイレ用品
うさぎは、トレーニングでトイレを覚えるため、トイレスペースを用意しましょう。小柄なうさぎであれば、ケージ内に省スペースで設置できる三角タイプがおすすめです。トイレ砂やトイレシートも用意し、毎日掃除をしてケージ内を清潔に保ちましょう。
かじり木
うさぎは、かじることが好きな動物であるため、かじり木を用意しましょう。かじり木の材質や、直置きするもの、ケージに固定できるものなど種類が豊富にあるため、うさぎが気に入るものを探しましょう。
ブラシ
うさぎは定期的なブラッシングが必要です。コームタイプや、やわらかいゴム素材のラバーブラシ、細い針金でできたスリッカーブラシなど種類が豊富にあるため、うさぎの毛質や用途にあわせて適切なブラシを選びましょう。
移動用バッグ
移動用バッグは、健康診断や病気の治療で動物病院にうさぎを連れて行くときに使います。犬・猫用キャリーで代用することもできますが、うさぎが過ごしやすいように配慮されたうさぎ専用のキャリーを選びましょう。
布製やプラスチック、金属製など種類がありますが、かじり癖があるうさぎには、布製よりもプラスチックや金属製がおすすめです。
うさぎの飼育にかかる費用の目安
うさぎをペットとして飼う前に、うさぎの購入費やケージ、トイレ用品などの購入費、動物病院への診察費用などを知っておくことが大切です。ここでは、うさぎの値段や飼育に必要な費用をそれぞれ解説します。
うさぎの値段
うさぎの値段は、4,000円~170,000円程度と幅広い傾向があります。うさぎの種類や購入する場所によって値段相場が異なります。ペットショップでは4,000円~50,000円程度で購入でき、うさぎ専門店の純血書付きのうさぎは50,000円以上する傾向があります。
飼育に必要な費用
うさぎの飼育にかかる年間費用の目安は、70,000円~100,000円程度と考えるとよいでしょう。
年間費用の内訳は、以下のとおりです。
うさぎの飼育にかかる年間費用
年間費用の内訳 | 費用の目安 |
---|---|
エサ代と消耗品費 | 36,000円~60,000円 |
健康診断などの病気予防費 | 10,000円~20,000円程度 |
光熱費 | 20,000円程度 |
うさぎが罹患しやすい病気やケガ
うさぎの体調不良に早く気づいて適切な治療を受けられるように、うさぎが罹患しやすい病気やケガを把握しておくことが大切です。うさぎが罹患しやすい病気やケガには、以下のようなものがあります。
うさぎが罹患しやすい病気やケガ
病名 | 症状 |
---|---|
不正咬合 | うさぎの歯は一生伸び続けることから、伸び過ぎた歯によって嚙み合わせが悪くなり、舌や頬の粘膜を傷つけてしまう。口の痛みによる食欲不振や元気消失などになりやすい。 |
毛球症 | 毛繕いするときに飲み込んだ毛や誤飲したものが胃の中に溜まって胃腸の働きが低下する。牧草ではなくペレットや野菜中心の食事、ストレス、運動不足といったものが原因となりやすい。 |
エンセファリトゾーン症 | 寄生虫(原虫)が引き起こす脳炎を特徴とする寄生虫病。首をかしげる斜頚(しゃけい)、痙攣(けいれん)、眼振、眼球内炎症、運動失調などの症状を起こす。ストレスなどで免疫力が落ちると罹患しやすい。 |
そのほかに、子宮疾患や尿路結石、膀胱炎なども罹患しやすい傾向があります。また、うさぎは犬や猫に比べて、体重に対して骨の占める割合がかなり少ないため、繊細で骨折しやすい点にも注意しましょう。
先ほど紹介した、不正咬合や毛球症、エンセファリトゾーン症などの病気は動物病院での処置や治療が必要な病気です。気になる症状がある場合は、すぐに動物病院を受診しましょう。
うさぎのペット保険に加入して万一に備えよう
大切なうさぎが病気やケガをした場合、動物病院での治療が必要になり、治療費がかかることがあります。健康に配慮して飼育していても、いつどのような病気に罹患するかはわかりません。
また、ペットには人間のような公的な医療保険がないため、治療費は全額自己負担となります。治療費が飼い主さんの大きな負担にならないように、もしものときに備えてペット保険の加入を検討するとよいでしょう。
うさぎのペット保険は、猫や犬と比べると数が限られていますが、保険選びに悩んだ場合は比較サイトの利用がおすすめです。比較サイトでは、ご希望の条件を入力するだけで複数のペット保険を比較することができます。
補償内容や保険料などを一覧で確認できるため、ご自身にあった保険を見つけやすいでしょう。
まとめ
うさぎは大人しく人懐っこい性格の子が多いことから、さまざまなペットの中でも比較的飼いやすいペットといえます。しかし、うさぎを飼うためには、事前の準備も必要です。うさぎの値段を含めると初期費用として数万円~十数万円の費用がかかる可能性があることを念頭において検討しましょう。
また、飼い始めた後も毎月のエサ代や消耗品代、病気の治療費など費用がかかります。継続的にお世話ができることを前提に飼いましょう。
また、健康に配慮して育てていても病気に罹患する可能性はあるため、万一に備えてペット保険への加入を検討することもおすすめです。
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監修者情報
丸田香緒里
Animal Life Partner院長、往診獣医師協会代表。獣医師。日本大学卒業。動物病院勤務後「人も動物も幸せな生活が送れるためのサポート」をモットーにAnimal Life Partner設立。獣医中医師、ペット栄養管理士など様々な資格を生かし、病院での診療のほか、シニアケアや飼い主の心のケアにより力を入れた往診診療をおこなう。
著書:「犬のいる暮らし 一生パートナーでいるために知っておきたいこと」(池田書店)
- ※このページの内容は、一般的な情報を掲載したものであり、個別の保険商品の補償/保障内容とは関係がありません。ご契約中の保険商品の補償/保障内容につきましては、ご契約中の保険会社にお問い合わせください。
- ※税制上・社会保険制度の取扱いは、このページの掲載開始日時点の税制・社会保険制度にもとづくもので、全ての情報を網羅するものではありません。将来的に税制の変更により計算方法・税率などが、また、社会保険制度が変わる場合もありますのでご注意ください。なお、個別の税務取扱いについては所轄の税務署または税理士などに、社会保険制度の個別の取扱いについては年金事務所または社会保険労務士などにご確認のうえ、ご自身の責任においてご判断ください。
(掲載開始日:2024年7月30日)
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