うさぎの感情は耳から読み取れる?耳の役割やケアについて解説

うさぎの感情は耳から読み取れる?耳の役割やケアについて解説
公開日:2024年7月30日

長い耳は、うさぎの大きな特徴です。うさぎにとって耳は、体温調整に欠かせず、体調不良のサインにもなる部位です。また、耳の動きで感情がわかったり、耳の状態でうさぎの健康状態などがある程度判断できたりします。

この記事では、うさぎの耳の役割や耳からわかる感情、体調不良のサインなどを解説します。うさぎを飼う前にぜひ把握しておきましょう。

うさぎの耳の役割

うさぎの耳の役割

うさぎの耳には、音を集めたり体温調節したりする機能があります。ここでは、うさぎの耳の役割を詳しく解説します。

うさぎの耳の役割①遠くの音や高い音を聞く

うさぎの耳は音を集めやすい構造をしており、約3km先の音も聞こえるといわれています。左右の耳が別々に動くため、さまざまな方向の音をキャッチして、接近する敵の存在をすばやく把握することが可能です。

人間が聞き取れる周波数は20~20,000ヘルツなのに対して、うさぎは360~42,000ヘルツの音を聞き取れるため、人間よりも高い音を聞き取ることが可能です。

音に敏感なうさぎは、騒がしい環境にいると落ち着かないため、なるべく静かな環境にケージを設置しましょう。

うさぎの耳の役割②体温調節

うさぎの耳には、血管が張り巡らされており、音を集める以外に体温を調節する役割があります。うさぎは汗腺が発達しておらず、汗をかいて体温を下げるのが難しい動物です。そのため、汗をかく代わりに耳に風を当てて血管を流れる血液を冷やし、体温を調節しています。

うさぎが耳を立てていたり、頭を振って耳を揺らしていたりするときは、室温が高い可能性があります。うさぎを飼う際の適切な飼育環境は、温度が16~25℃、湿度が30~70%です。

28℃以上の環境で、うさぎの耳が熱い、よだれが大量に出ている、耳が赤いなどの症状がある場合は熱中症の疑いがあるため、早急に動物病院に連れて行きましょう。

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うさぎの感情は耳の動きでわかる

うさぎの感情は耳の動きでわかる

うさぎの感情は、耳の状態である程度判断できます。耳の動きでくみ取れる感情の例を紹介します。

うさぎが耳を立てているときの感情

うさぎが耳をピンと立てているときは、周囲の音に興味や不安な感情を抱いていることがわかります。うさぎは天敵からいち早く逃げるために、耳を立てて後足で立ち、周囲を警戒することがあります。

そのため、室内でも聞き慣れない音がするときは、耳を立てて周囲の状況を把握しようとします。ただし、聞き慣れた音に反応しているときや、飼い主さんにアピールしたいとき、暑くて熱を発散させるときにも耳をピンと立てることがあります。

うさぎが耳を後ろに倒しているときの感情

耳が背中にぺたんと倒れているのは、リラックスしていたり眠いと感じていたりするときです。このときは、周囲に危険がないと判断して落ち着いているため、刺激しないようにそっとしておきましょう。飼育環境に慣れてくると、耳を後ろに倒してリラックスしている姿をよく見せてくれるようになるでしょう。

うさぎが耳を斜め後ろにピンと伸ばしているときの感情

伏せた状態で耳を斜め後ろにピンと伸ばしている場合は、警戒していると判断できます。うさぎは、天敵から存在を気づかれないように、警戒しているときは長い耳を斜め後ろに倒して隠そうとします。

また、いつもより前のめりの姿勢で耳を斜め後ろにピンと伸ばしている場合は、威嚇していると判断できます。威嚇しているときに手を出すと、噛まれたり攻撃されたりする可能性があるため、無理に触ろうとするのはやめましょう。

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うさぎの体調不良は耳の状態でわかる

うさぎの体調不良は耳の状態でわかる

うさぎは体調不良を隠す傾向がありますが、耳の状態を見れば体調不良をある程度判断できます。

室温が適温であるにもかかわらず耳が冷たくなっているときは、病気に罹患している可能性が疑われるため注意が必要です。たとえば、胃腸の動きが悪くなる胃腸うっ滞に罹患すると、耳が冷たくなることがあります。普段から耳を触って通常の体温を把握しておきましょう。

また、前述のとおり、耳が赤くなっているときは、体温が上昇して熱中症などになっている可能性が疑われます。いつもより食欲がないなど、異変にも早く気づけるように、日頃から耳をよく観察しておきましょう。

耳だけでは判断できない病気もあるため、2~3ヵ月に1回を目安に動物病院で健康診断をしてもらうことも大切です。

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うさぎの耳のケアは必要?

うさぎの耳のケアは必要?

うさぎは基本的に自分で耳の手入れをするため、耳掃除は不要です。ただし、うさぎの種類によっては必要なケースもあります。垂れ耳が特徴の「ロップイヤー」などの耳垢が溜まりやすい体質のうさぎの場合には、1ヵ月に1回程度、耳掃除をしてあげるのが良いでしょう。

うさぎの耳は敏感で、摩擦によって炎症や感染が生じやすいため、飼い主さんが耳掃除をする際は注意が必要です。耳垢がある場合は、ご自身で掃除せずに、動物病院で耳掃除をしてもらいましょう。

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うさぎが罹患しやすい耳の病気と治療費の目安

うさぎが罹患しやすい耳の病気と治療費の目安

うさぎの耳は、細菌の感染や耳ダニの寄生、外傷などにより「外耳炎」に罹患する場合があります。足で耳を掻く、頭を振る、臭うなどの症状がみられるため、注意深く観察していれば飼い主さんが早期に気づける可能性が高いでしょう。

外耳炎が進行すると、「中耳炎」や「内耳炎」を引き起こす場合もあるため、早めに治療することが大切です。

うさぎの耳の構造は外耳(外側~鼓膜まで)、中耳(鼓膜の奥にあり、耳小骨(じしょうこつ)、中耳腔、耳管がある)、内耳(中耳の奥にあり、前庭、蝸牛(かぎゅう)、三半規管がある)の3つにわかれています。

前庭や中耳にまで炎症が起こる内耳炎に罹患すると、平衡感覚が失われて、首が片側に傾く斜頸や眼球が意志と関係なく左右や上下に揺れる眼振、姿勢を保てなくなり体が回転してしまうローリング症状を起こす恐れがあります。

外耳炎の治療では、耳の洗浄や点耳薬、抗生物質の処方などがおこなわれます。治療費は、症状の状態によって異なるものの、1回あたり1,000~5,000円程度です。

いつもと様子が異なる際にすばやく適切な治療を受けられるように、うさぎを診てもらえる動物病院をあらかじめ探しておくことをおすすめします。

うさぎを診てもらえる病院は、犬や猫の病院ほど多くはありませんのでうさぎを飼うときには、自宅から通える距離にうさぎを診てくれる動物病院があるかをあらかじめチェックしておきましょう。

外耳炎を予防するために、耳の外側の見える部分に汚れを見つけたら、大きめの綿棒やコットンでやさしく拭いて、定期的に赤みや腫れなどの初期症状がないか確認しましょう。専用のイヤークリーナーを使えば、より低刺激で汚れを落とせます。とくに垂れ耳のうさぎは耳垢が溜まりやすいため汚れが溜まっていないかよく観察してあげましょう。

ただし、前述したとおり、うさぎは基本的に自分で耳の手入れをするため、耳掃除は不要です。耳掃除は過度にやり過ぎると皮膚が乾燥し炎症する可能性があるため、耳垢を見つけたら無理にとろうとせずに動物病院へ連れていきましょう。

また、うさぎはストレスに弱く免疫力が低下しないように快適な住環境や適切な食事と十分な水分補給をさせてあげることが大切です。

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うさぎのペット保険に加入して万一に備えよう

うさぎのペット保険に加入して万一に備えよう

うさぎは、耳の病気以外にさまざまな病気に罹患する可能性があります。健康に配慮して飼育していても、いつどのような病気に罹患するかはわかりません。治療費が飼い主さんの大きな負担にならないように、もしものときに備えてうさぎのペット保険への加入を検討することをおすすめします。

うさぎのペット保険は、猫や犬と比べると数が限られていますが、どのペット保険にするか悩んだ場合は比較サイトの利用がおすすめです。比較サイトでは、うさぎの年齢や必要な補償などご希望の条件を入力すると複数のペット保険を比較することができます。補償内容や保険料などを一覧で確認できるため、ご自身にあった保険を見つけやすいでしょう。

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まとめ

うさぎの耳は、音を集めるだけでなく体温を調整する役割もあります。また、感情を表現したり、体調不良のサインにもなったりする部位です。うさぎを飼ったときには、ぜひうさぎの耳の様子を観察してみましょう。大切なうさぎを理解するヒントになります。

また、うさぎの耳は繊細であるため、細菌の感染や外傷により外耳炎に罹患するケースにも注意しましょう。足で耳を掻く、頭を振る、臭うなどの症状が見られる場合は、早めに動物病院で診察してもらうことが大切です。耳以外の病気につながる可能性もあるため、ペット保険に加入して備えることも検討するとよいでしょう。

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監修者情報

丸田まるた香緒里かおり

丸田香緒里

Animal Life Partner院長、往診獣医師協会代表。獣医師。日本大学卒業。動物病院勤務後「人も動物も幸せな生活が送れるためのサポート」をモットーにAnimal Life Partner設立。獣医中医師、ペット栄養管理士など様々な資格を生かし、病院での診療のほか、シニアケアや飼い主の心のケアにより力を入れた往診診療をおこなう。
著書:「犬のいる暮らし 一生パートナーでいるために知っておきたいこと」(池田書店)

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  • このページの内容は、一般的な情報を掲載したものであり、個別の保険商品の補償/保障内容とは関係がありません。ご契約中の保険商品の補償/保障内容につきましては、ご契約中の保険会社にお問い合わせください。
  • 税制上・社会保険制度の取扱いは、このページの掲載開始日時点の税制・社会保険制度にもとづくもので、全ての情報を網羅するものではありません。将来的に税制の変更により計算方法・税率などが、また、社会保険制度が変わる場合もありますのでご注意ください。なお、個別の税務取扱いについては所轄の税務署または税理士などに、社会保険制度の個別の取扱いについては年金事務所または社会保険労務士などにご確認のうえ、ご自身の責任においてご判断ください。

(掲載開始日:2024年7月30日)
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