うさぎの寿命は種類で違う?長生きの秘訣と共に解説
愛らしい姿やおっとりした動きのうさぎは、ペットとして人気の高い動物です。うさぎの飼育を検討している方のなかには、「うさぎの寿命は何年?」と気になる方もいるでしょう。
うさぎは犬や猫に比べると寿命が短いとされていますが、実際の平均寿命はそれほど知られていません。おおよその寿命を理解していれば、生態や育て方を考える判断基準にもなります。
この記事では、うさぎの平均寿命や長生きしてもらうための秘訣などを紹介します。
うさぎの平均寿命
一般家庭で飼育されるうさぎの寿命は5~15年ほど、平均で5~8年とされています。しかし最近は、飼育に関する知識の広がりや医療技術の進歩などから、10年以上長生きするうさぎも多くいます。
ただし、うさぎの寿命には個体差があり、エサの内容や与え方、飼育環境の違いなどで差が出る場合があります。
うさぎの平均寿命は種類によって変わる?
うさぎにはさまざまな種類(品種)がいます。たとえば、体の小さなネザーランドドワーフ、たれ耳のホーランドロップ、短毛のミニレッキスなどの体長25~35cm前後までのうさぎがペットとして飼われています。
うさぎの寿命は、種類の違いによる差がないといわれることもありますが、先述のとおり、寿命の長さは個体差や飼育環境の違いによると考えられています。
ただし、長毛だと毛を飲み込んで胃腸を悪くしやすい、体が小さいと歯も小さいため不正咬合(ふせいこうごう)を起こしやすい、耳がたれていると外耳炎をはじめとした耳の病気に罹患しやすいなど、種類ごとの特徴が健康を害する原因になって寿命を縮める可能性はあります。
なお、不正咬合とは、上下の歯の咬み合わせに異常が起こっている状態のことをいいます。
うさぎの年齢は人間に変換すると何歳?
うさぎは年齢によって、1歳までが成長期、4歳までが維持期、7歳までが中年期、7歳以上が高齢期といわれています。それぞれの時期によって特徴が異なります。
なお、考え方はさまざまですが、うさぎの年齢を人間の年齢に変換したときの目安は次のとおりです。
うさぎの年齢を人間の年齢に換算した場合の目安
うさぎの年齢 | 人間の年齢 |
---|---|
1ヵ月 | 2歳 |
2ヵ月 | 5歳 |
6ヵ月 | 13歳 |
1年 | 20歳 |
3年 | 35歳 |
5年 | 48歳 |
7年 | 63歳 |
10年 | 84歳 |
成長期のうさぎの特徴
うさぎの成長期はだいたい1歳頃までです。成長期は丈夫な体を作るための大切な時期であるため、栄養価の高い豆科の多年草「アルファルファ」を少し多めに与えると良いとされています。
維持期のうさぎの特徴
うさぎの維持期とされる4歳頃は、好奇心旺盛に遊びまわる時期です。維持期のうさぎは肥満を防ぐために、低カロリーで高繊維の牧草(チモシー)を与えましょう。維持期の理想的な食事量は、体重の1.5%分のペレットと、ペレットと同じ重量以上の牧草(チモシー)が目安とされています。
中年期のうさぎの特徴
7歳頃までのうさぎは中年期と呼ばれます。この時期になると運動量が減って代謝が落ちはじめます。腸内環境を整えたり、関節炎の予防をしたりできる市販のシニア向けサプリも取り入れましょう。
高齢期のうさぎの特徴
平均寿命が7~8年のうさぎは、7歳頃からが高齢期といわれています。
高齢期が始まると、食事量が減る、グルーミング(毛づくろい)ができなくなる、痩せてくる、下半身が弱りあまり動かなくなるといった老化がみられます。老化に気づいたら、これまで以上に健康状態のチェックに力を入れるなど、長生きしてもらえるようサポートしましょう。
ペットのうさぎに長生きしてもらう秘訣6選
うさぎの寿命には個体差も影響するとはいえ、うさぎが健康を維持し、ストレスを感じずに過ごしやすい環境下で育つことで、うさぎの寿命が伸びる可能性があるかもしれません。
そこで、ペットのうさぎに長生きしてもらう秘訣を6つ紹介します。
バランスの良い食事を与える
うさぎはもともと運動量が低いだけでなく、狭いケージ内で飼育されているため運動不足になりがちです。さらに、うさぎは偏食の子が多く、偏食は病気のリスクが高まります。うさぎの健康を長く保つためには、バランスの良い食事を与え、太り過ぎに気を付ける必要があります。
うさぎに与えて良いものと与えてはいけないものは、下表のとおりです。
ウサギに与えて良いもの・与えてはいけないもの
与えて良いもの | 与えてはいけないもの |
---|---|
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|
うさぎは完全な草食動物で、主食は牧草です。牧草は繊維質が豊富なため胃腸の働きをサポートし、伸び続ける歯をほどよく摩耗させて長さを整える役割もあります。
ペットショップでは、うさぎ専用のペレットが販売されています。ペレットとは、牧草を主原料にして栄養バランスを考えて作られたペットフードです。
ペレットは栄養価が高く、柔らかくて食べやすい反面、カロリーオーバーや歯の伸び過ぎが心配されるため、与える量のコントロールが大切です。
また、うさぎの好物としてイメージの強いにんじんも、与え過ぎると軟便になりやすいとされています。牧草を主食にし、野菜はおかず、あるいはおやつとして補助的に与えましょう。
ストレスのかからない環境を整える
うさぎはストレスに弱い動物です。ストレスにさらされると腸炎や心筋梗塞などに罹患するだけでなく、ストレスで急死する恐れがあります。健康を害して寿命を縮めることのないように、できるだけストレスのかからない飼育環境を整えてあげましょう。とくに、以下の点に注意してください。
・縄張り
うさぎは縄張り意識が強く、とくにオスのうさぎはほかのオスを縄張りから追い出すためにケンカします。兄弟同士でも同じケージでは飼育が難しい場合もあり、大ケガを負いかねないため、多頭飼いしている場合は別々のケージで飼育しましょう。
・温度と湿度
暑さや湿気に弱いうさぎにとって、急激な温度変化はストレスの原因になります。1年を通して、室温16~24℃、湿度30~70%に設定し、エアコンの風や日光が直接あたらないようにしましょう。
・ケージをかじる習性
うさぎは、硬いものやエサを咀嚼して、伸び続ける歯の長さをコントロールします。ケージをかじる習性はうさぎにはつきものですが、ケガにつながるため内側に板を張るなどして対策する必要があります。エサがほしい、かまってほしいなどの意思表示の可能性もあるため、日頃から様子を観察しましょう。
ほかにも、臆病で警戒心が強いうさぎにとって、ちょっとした物音やケージの移動などのさまざまな理由がストレスにつながります。うさぎによってストレスを感じる要因は変わるため、それぞれの性格を理解してあげることも大切です。
適度な運動で体型を維持させる
ケージ内で過ごす時間の長いうさぎは、運動不足による肥満などが原因で筋力が衰えやすいため、老化が進む前に運動習慣をつけさせましょう。
目安は1日1時間で、ケージの外に出して自由に運動させてあげます。ただし、うさぎはものをかじる習性があるため、電源コードなど危ないものは片付けるかカバーをかけておきましょう。
最近は屋外で散歩させる「うさんぽ」が話題ですが、慣れない屋外を歩くことはうさぎにとって大きなストレスになる恐れがあるため、注意が必要です。「うさんぽ」を試したい場合は、最初はキャリーバッグのなかに入れて、少しずつ屋外のにおいや音に慣らしましょう。
また、うさぎは骨が軽くて薄く骨折しやすいため、ケージの出し入れをするときは注意が必要です。うさぎは抱っこが好きではないため、抱っこをしてケージから出すときは、うさぎが急に逃げてケガをしないように注意してください。
健康状態をこまかくチェックする
うさぎはおとなしく、ほとんど鳴かないため、飼い主さんが気づかないうちにうさぎの体調が悪くなっている場合があります。うさぎの病気やケガを早期に発見・治療できれば、健康を維持しやすくなります。
以下のような症状があったら注意が必要です。
- ケガの有無
- 目の異常(目ヤニや涙の量)
- 口のまわりの汚れ(よだれの色や量)
- 体の動き
- 皮膚や毛の状態
- くしゃみや鼻水の有無
- フンや尿の状態
- 食欲不振
これらの項目を参考に、運動の時間やブラッシングでの触れ合い、トイレの掃除などの際に健康状態をこまかくチェックしましょう。
メスのうさぎは避妊手術をする
うさぎは生殖器のトラブルが起こりやすい動物です。とくにメスは3歳以降には50~80%以上が子宮腺がんになり、6歳までに75%以上が子宮筋腫に罹患するなど、なんらかの子宮疾患に罹患するとされています。
避妊手術は子宮疾患の予防になるため、1歳までに処置を受けておきましょう。
また、去勢手術・避妊手術をすることは、オスにとっておしっこをまき散らすスプレー行為やマウンティングの抑制、メスにとっては長生きの秘訣となります。
定期的に通院する
飼い主さんが気を配っていたとしても、うさぎの健康状態を見た目から判断するのは難しいものです。
そのため、定期的な動物病院への通院がおすすめです。定期的に通院することで、飼い主さんでは気づけない病気やケガの早期発見につながるかもしれません。
また、歯や爪、耳のケア、臭腺のチェックなどを目的とした通院をしているうちに、動物病院の雰囲気に慣れて、過敏なうさぎでもストレスなく診察や治療を受けられる可能性もあります。動物病院も普段の健康状態を把握できるため、うさぎの異変に気づきやすいです。
目安として1~2ヵ月に1回、動物病院での健康チェックを習慣づけると安心です。
大切なうさぎのもしもに備えてペット保険に加入しよう
うさぎにはうさぎ特有の罹患しやすい病気やケガがあり、おもに次のようなものがあげられます。
【うさぎが罹患しやすい病気やケガ】
- 神経症状の発作(ふらつきやローリングなど)
- ストレスや心疾患などによる呼吸の乱れ
- 食滞(消化管うっ滞)
- 急性心不全
- 眼球突出
- 骨折
- 不正咬合
とくに食滞(消化管うっ滞)はうさぎの容態が急変しやすく、処置が遅れると命に関わるリスクがあるため、早めの通院が重要です。なお、食滞(消化管うっ滞)とは、消化管の動きが鈍くなる・止まるなどで、内容物がたまる状態のことです。
ペットのうさぎが病気やケガをしても、治療や手術、入院の費用を気にせず通院できるように、うさぎに対応したペット保険の準備がおすすめです。
犬や猫に比べるとうさぎに対応するペット保険はまだ多くはありません。大切なペットのためにも補償内容をしっかりと比較して、適切なペット保険を選びましょう。
まとめ
うさぎの寿命は個体差があり、5~15年ほどとされています。大切なうさぎに少しでも長く健康に過ごしてもらうためには、うさぎの飼育方法や習性を理解すると共に、こまめな健康管理も大切です。
病気の原因によってはうさぎの容態が急変することもあります。治療費を気にせずにすばやく対処できるように、うさぎに対応したペット保険に加入しておきましょう。
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監修者情報
丸田香緒里
Animal Life Partner院長、往診獣医師協会代表。獣医師。日本大学卒業。動物病院勤務後「人も動物も幸せな生活が送れるためのサポート」をモットーにAnimal Life Partner設立。獣医中医師、ペット栄養管理士など様々な資格を生かし、病院での診療のほか、シニアケアや飼い主の心のケアにより力を入れた往診診療をおこなう。
著書:「犬のいる暮らし 一生パートナーでいるために知っておきたいこと」(池田書店)
- ※このページの内容は、一般的な情報を掲載したものであり、個別の保険商品の補償/保障内容とは関係がありません。ご契約中の保険商品の補償/保障内容につきましては、ご契約中の保険会社にお問い合わせください。
- ※税制上・社会保険制度の取扱いは、このページの掲載開始日時点の税制・社会保険制度にもとづくもので、全ての情報を網羅するものではありません。将来的に税制の変更により計算方法・税率などが、また、社会保険制度が変わる場合もありますのでご注意ください。なお、個別の税務取扱いについては所轄の税務署または税理士などに、社会保険制度の個別の取扱いについては年金事務所または社会保険労務士などにご確認のうえ、ご自身の責任においてご判断ください。
(掲載開始日:2024年7月30日)
2024255-2405