生命保険、こんなことも知っておこう保険会社が倒産したら?
最終更新日:2023年1月17日
<保険会社が倒産したら“生命保険契約者保護機構”の出番>
万一、生命保険会社が倒産(破綻)した場合、契約者を保護するセーフティネットとして、「生命保険契約者保護機構」(以下、保護機構)があります。保護機構は、保険会社の相互援助の仕組みで、保険会社が倒産した場合でも保険契約を継続できるよう救済する大切な役割を担っています。
保護機構が行なう救済方法は?
倒産した保険会社の救済方法には、【1】倒産した保険会社の契約を別の保険会社が引き継ぐ方法、【2】保護機構が子会社を作って契約を引き継ぐか保護機構自ら引き継ぐ方法、の2つがあります。
- 出典:
- 生命保険契約者保護機構 生命保険会社の保険契約者保護制度Q&A Q1生命保険会社が破綻した場合、保護機構は主にどのような役割を果たすのですか。
(https://www.seihohogo.jp/)
【1】倒産した保険会社の契約を別の保険会社が引き継ぐ
倒産した保険会社の契約を、別の保険会社が引き受けて契約を続ける方法です。倒産した保険会社は別の保険会社に合併され、保護機構が必要に応じて資金援助をしながら支援します。
【2】保護機構が子会社を作って契約を引き継ぐ、保護機構が自ら引き継ぐ
倒産した保険会社を引き受ける別の保険会社がない場合は、保護機構が出資して「承継保険会社」という保護機構の子会社を作って契約を継続させ、資金援助しながら保険金支払いや経営を安定させるための支援をします。あるいは、保護機構自身が倒産した保険会社の保険契約を引き受けて、契約の管理や保険金支払いの業務を行います。
保険契約の内容はどうなる?
なんらかの形で契約が引き継がれる際、保険会社の財務状況によっては責任準備金が削減される場合があります。しかし、保護機構は保険会社が倒産した時点の責任準備金の90%まで補償してくれます。責任準備金とは、契約者が支払った保険料から保険契約の維持管理などの経費を差し引いた残りを、将来の保険金支払いに備えて積み立てるお金のことで、保険金とは違います。 例えば、保険金額が1,000万円だとして、90%の900万円が補償されるわけではありません。また、高い予定利率の契約の場合は所定の計算式によって責任準備金が90%以下へ引き下げられる可能性があるだけではなく、「予定利率の引き下げ」など契約条件が変更される場合もあります。
これらによる影響が大きいのは、保険金の減少です。減少幅は保険種類、加入時期、保険期間によって違います。
- 出典:
- 生命保険契約者保護機構 生命保険会社の保険契約者保護制度Q&A Q14補償対象契約については破綻時点での責任準備金等の90%までは補償されると聞きましたが、そもそも責任準備金とは何ですか。これまでに払い込んだ保険料とは違うのですか。
(https://www.seihohogo.jp/) - 生命保険契約者保護機構 生命保険会社の保険契約者保護制度Q&A Q15契約条件変更が行われると、保険金額等は具体的にどうなるのですか。
(https://www.seihohogo.jp/)
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保険種類 少ない保険料で大きな保障に備えられる掛け捨てタイプの定期保険などは、責任準備金が少ないため、責任準備金削減や予定利率引下げの影響は小さく、保険金の減少幅は少ない。一方、貯蓄タイプの養老保険や終身保険などは、保険会社が将来の支払いのために積み立てる責任準備金が大きいため、責任準備金削減や予定利率引下げの影響が大きく、保険金の減少幅は多くなる。 加入時期 予定利率が引下げられると、予定利率の高い時期に加入した契約ほど、その影響が大きく、保険金の減少幅も多くなる。 保険期間 加入時期が同じ契約でも、保険期間満了までの期間が長いほど、保険金の減少幅が多くなる。
当然のことながら、保険会社倒産後も保険契約を続けるには保険料を継続して払い込む必要があります。また、解約については契約の引き継ぎ(移転)が終わるまではできず、移行後も一定期間内に解約すると、解約返戻金が減らされる(早期解約控除)場合があります。
- 倒産して別の保険会社へ保険契約を移転する場合のイメージ
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